第140話 戦闘訓練
「セレナ様、アーク様ごきげんよう!」
「ごきげんよう……」
「ああっ」
あの模擬戦は教会関係者しか見ていない。
だから、学園の生徒にはバレていない筈なんだけど……
例外が居る。
「アーク様、セレナ様、放課後少しで良いので戦闘訓練につき合って下さないな」
「あっ……それなら私も見たいです!」
僕とアークスの正体を知っているアリエスとルル王女が絶えず一緒に居るようになった。
アリエスはまだ良んだけど、ルル王女は王女だよ。
その王女が親しげに話してくるから凄く目立つ。
だけど、王女から頼まれたのに、普通の学生が断ったら不味いよね。
「うん、わかったよ……アークも良いよね」
「ああっ、俺は別に構わないが、俺達が教えられる事はあるのか?」
困ったな……僕もアークスも生まれながら強いから余り教えてあげれることは無いんだよね……
どうしようかな?
「放課後までに何か考えてみるよ! そうだね……うん」
一番簡単なのは僕の血を使って強化すれば良いんだけど……やったらメルが怖いし……婚約者じゃない人間には出来ないよね。
仕方ない…….丁度良い相手……うん、頼めば良いんじゃないかな?
「セレナ、本当に大丈夫か?」
「うん、僕に任せて! アリエス、ちゃんと鍛えてあげるからね」
「これでも、私、戦闘には自信がありますのよ! 今から楽しみですわ」
「そう? それなら放課後修練場で……ルル王女も、待っているからね」
「楽しみです」
「私も楽しみです」
「セレナ、本当に大丈夫か?」
「うん、僕に任せて」
うんうん、良い事思いついちゃった。
それはそうと、アリエスは恐らくアークスが好きなんじゃないかな?
アークスはどうなんだろう?
2人が去ったら聞いてみようかな?
◆◆◆
アリエスとルル王女が離れていったのでアークスに聞いてみた。
「アークス、アリエスの事どう思う?」
「どう思うって!? なんだ?」
「いや、雰囲気的にもしかしたらアリエスはアークスの事が好きなんじゃないかな……そう思って」
あれだけチラチラ見ているんだから、あながち間違ってないよね。
「あの子か? 確かに可愛いとは思うが無いな」
「何故!」
「アリエス相手じゃ1/100の力でも壊してまうだろう?」
「でも、それじゃ人間相手じゃ無理なんじゃ無いかな? 魔族の四天王クラスじゃないと難しいんじゃない?」
「多分、今の四天王じゃ無理だな……まぁ気長に探せば良いんじゃないか?」
「そうだね……」
結構、恋愛って難しいんだね。
「それはそうと、戦闘訓練どうにかなるのか?」
「うん、アリエスの模擬戦に丁度良い相手を探そうと思うんだ」
「そうだな、俺たちじゃ怪我させそうだからな……それが良い」
「うん」
どっちに頼もうかな?
◆◆◆
「それでね、どちらか1人に稽古をつけて貰いたいんだけど?」
僕はアークスと別れて妲己さんとカーミラさんに会いに部屋に来た。
「別に構わぬが、わらわと戦ったら大怪我するぞ」
「手加減はしてあげますわ……ですが、それで死なせてしまったら不味く無いのですか?」
どうだろう?
死ななければパーフェクトヒールでどうにかなるし……
もし、死んじゃってもバウワーお爺ちゃんに頼めば生き返らせて貰える……うん、問題無いよね。
「それは僕がどうにかするから大丈夫だよ? それでどっちが相手してくれるのかな?」
「う~む、わらわの場合は相手が強いなら狐にならないとならないから、難しいと思うのじゃ」
「そうですわね……相手が人間なら私の方が適任かも知れませんわ。 私がお相手いたしますわ」
「それじゃ悪いけどカーミラさん、お願いして良い」
「ええっ心得ましたわ」
カーミラさんならアリエスの相手に丁度良いよね。
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