第136話 聖教国ガンダルSIDE アリエス
「神の妻になりたいかぁーーーっ」
「「「「「「「「「「なりたいですぅ~」」」」」」」」」」
此処、聖教国ガンダルの中央教会に私、教皇ロマリスが沢山の息女を集めました。
ここに居るのはシスターや敬虔な信者から集めた選りすぐりの美女と美少女です。
セレナ様の時は良い結果を出せませんでしたが、今回はエドガーのおかげで『軍神アークス様』が学園に居る事はまだ、魔族にも他国にも知られていません。
エドガーに探りを入れたら『恋人』を求めている事も解りました。
元はマモンだったとはいえ、今は『軍神』それでセレナ様の友人なら充分信仰の対象になります。
勇者にすら憧れるのが我が教会の信者です。
それが軍神ともなれば、誰もが添い遂げたい。
そう思うに違いありません。
今回は更にエドガーを通してセレナ様にアークス様の好みを聞いています。
「今度こそは我が聖教国が……神を射止める女性を輩出するのだ!」
「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
さっき届いた、エドガーの情報だと、強いタイプの女性が好みだと聞きました。
可哀そうですが、此処でふるいにかけるしか無いでしょう。
流石に帝国の様に沢山の女騎士がいるわけではありませんが、我が聖教国が誇る聖騎士から選べば理想のタイプに近い筈です。
とはいえ、そう何人も送り込むことは難しいですね。
王国の学園なのが最大のネックですね。
アークス様の推薦をしましたから……送り込めるのは精々1人位ですか……誰が良いのか……迷う所ですね。
仕方ありません……まずは……
「集まって貰った所すみません! たった今掴んだ情報では、軍神様が望むのは『勇ましき方』です。申し訳ございませんが騎士の方以外はお引き取り下さい!」
「「「「「「「「「「そんなぁ~」」」」」」」」」」」
沢山の者が涙ぐみながらこの聖堂を後にしました。
「おや、ダルフ大司祭、随分と数が減りましたね」
「平和なこの時代ですから……女性だてらに騎士をする者は少ないのですよ! ここに居るのは全て女性のみで構成された聖騎士隊『ガンダルの白いバラ』の者達です」
「そうですか? それでダルフは誰がお勧め……」
「待ってくれ! 軍神の妻には強き女性が良いんだよな?」
「間違い無いんだよなっ!」
随分と教皇の私に横柄な言葉を吐く物ですね。
「そうですが、なにか不満でもありますか?」
「違うぜ! 教皇様! 私達は女騎士だが、荒くれ者でもある! だから、女だてらに騎士をやっているんだ……強さを求めるなら団長しかあり得ないだろう? 一番強い奴が団長張っているんだからな! 皆、あたいは団長のアリエスが良いと思うがどう思う!」
随分とまぁ纏まったものですね。
「「「「「異議なし」」」」」
まさか、事前に示し合わせていたりしないですよね。
「教皇様、確かにアリエスなら私もお勧めです! あの伝説のセレス様の妻であるミサキ様の二つ名『黒の狂騎士』にちなんで『白の狂騎士』という字(あざな)がついた存在ですから……ただ、凄い戦闘狂で……戦闘になると周りが見えなくなる癖がありますが、アークス様が元はマモンだったと考えるならうってつけかと」
司祭のダルフが言うのなら示し合わせでは無いのでしょう。
「それなら良いかもしれませんね……それでどなたがアリエスなのですか?」
「おーほっほっほっ……私がアリエスです! 教皇様」
金髪の長い髪で、随分と煌びやかに見えますが本当に大丈夫なのでしょうか?
「貴方が……随分と線が細い様に見えますが……」
「何をおっしゃいます! この国に私より強い騎士はおりませんわっ! 軍神様と添い遂げるのは私にとって誉れっ! 他の方に渡す位なら叩き潰しますわ……そうですわね? だれか私と張り合いたい方はいらっしゃいますかしら?」
周りに居る『ガンダルの白いバラ』の全員が首を横に振った。
こんなチャンスを逃すのですから『敵わないから』そう言う事なのでしょう……
「アリエス、しばし待ちなさい……ダルフこの者のデーターを用意なさい! 少し席を外させて貰います」
どの位の強さか見極める必要がありそうです。
◆◆◆
『おーほっほっ……死ね、死ね死ねーーーっ! 一人として生きて帰しませんわぁぁぁぁぁーーー』
ダルフにアリエスの記録水晶を見せて貰ったが……狂騎士の意味が解った気がします。
「アリエスは戦闘が始まってしまったら最後、こんな感じで戦います。危ないので味方すら距離を置いて戦うよう徹底的に指示しているくらいです」
アーク様は元はマモンです。
これ位が良いかも知れません。
◆◆◆
「アリエス、貴方を学園に推薦します……軍神の妻の座を射止めて下さい」
「解りました! このアリエスに全て任せて下さい! ご安心くださいな!」
今度こそ……ガンダルから神の妻を出して見せますよ。
教皇の名にかけて!
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