第135話 妲己とカーミラに相談
「恋愛の相談じゃと? それなら何故わらわとカーミラに相談しないのじゃ?」
「そうですわ! 他の事は兎も角、恋愛に関しては私も妲己もプロフェッショナルですわ」
「そうなの……」
久々に妲己さんとカーミラさんに会ったら、そんな事を言われた。
失敗したなぁ~
だったら、最初からこの二人に相談すれば良かった。
「それじゃ、もしかしたら誰か良い人が居るの?」
「わらわに掛かれば誰でも虜に出来るのじゃ! 誘惑の術を掛けて、アークスに与えれば、自分からアークスを追いかけるから大丈夫じゃ。 人間なら殆どの者を虜に出来るのじゃ……好きな人間を攫ってくれば、その時点で解決じゃ……人間じゃ嫌なら妖狐なら選び放題、わらわに逆らえる狐は居ないのじゃ……どちらが良いかのぉ」
え~と……
「そうですわね、人間であれば私に血を吸われた時点で下僕ですわ。 私が命令すればどんな醜い男の元にでも喜んで嫁いでいきますわ! さぁ、誰が良いのでしょう? 早速、夜の闇に乗じて攫ってきましょう! 人間が嫌ならバンパイアにしますか? 私はこれでも真祖ですから、全てのバンパイアは私の僕。 私が命令すれば逆らいませんわよ」
なんだか駄目な気がする。
これは恋愛じゃないよ。
「いや、そういうのじゃ無くて甘酸っぱいというか、ときめきというか、そういうのを経験させてあげたいんだけど、難しいかな?」
「そいういうシュチエーションが好きなら、そう振舞うようにすれば良いだけじゃな……大丈夫じゃ」
「そうですわね! そのように振舞うように命令すれば可能ですわ。 バンパイアは隠ぺいや騙すのが得意な種族ですわ。 絶対にバレませんわ」
「狐も同じじゃ、騙し謀るのが得意じゃから安心して良いのじゃ」
「いや、そうじゃ無くて、本物の恋愛をさせてあげたいんだよ! 僕が二人と過ごしている様な楽しい経験をさせてあげたいんだ」
「それは……難儀じゃな」
「そうですわね……私達は恋愛強者ですわ。セレナ様以外で思いのままにならなかった殿方なんて居ませんもの」
「かなり難しそうだね、ヘラさんにでも相談してみようかな?」
「それは無理じゃな」
「無理ですわね」
「なんで?」
「ヘラの知り合いにはエローズと言う恋愛の神がおるのじゃ! そやつの射る矢が当たれば、どんな相手でも好きになるという恐ろしい弓矢を使うのじゃ。ヘラは解らぬがオリンポスの神々は随分とそれを悪用していたのじゃ」
「ヘラは解りませんがオリンポスの神々が悪用していたのは有名な話ですわね。 ヘラの元旦那のゼウスが悪用した事は有名で神話にもなっていますから、ヘラもきっとそれを使う事を提案してくると思いますわ」
それじゃ、恋愛じゃないよ。
「仕方ない、フルールやロザリア、エルザにでも聞いて……」
「それも無駄じゃと思うがな」
「同感ですわね」
「何故!」
「セレナ様から聞いた話じゃちゃんとした恋愛は出来て無さそうじゃが……」
「私も、そう聞いていましたわ」
「確かに、そうかも知れない……」
僕の周りって、モテていそうで余りモテている人って居なかったんだな。
こういう相談が誰にも出来ないや。
仕方ない、ゼクトお兄ちゃんの言う通り出会いから始めるしかないのかな。
「まぁ、いいや、僕はアークスの恋愛を応援するつもりなんだ。悪いけど手伝ってくれるかな?」
「勿論じゃ」
「勿論ですわ」
久しぶりの学園生活だ……僕もアークスと一緒に楽しもうかな?
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