第132話 ゼクトに相談
「ゼクトお兄ちゃん、恋愛相談に来ました……」
僕はアークスを連れて冥界に来ました。
「ようっ! セレナ、久しぶり! しかし、良く此処に入って来れるな……ああっああ……ああっ……マモン……ハァハァ……」
「ゼクトお兄ちゃんヒィヒィフゥ……大丈夫だから!」
セレスお父さんから聞いたけど、まだトラウマがあったのかな?
「ああっ、ハァハァ、もう大丈夫だ! 久しいなマモン、いやアークス……それで今日はどう言った事、事なおかわぁ」
噛んでいるし。
「最近、アークスと友達になって、良く遊ぶんだ。 それで、恋愛相談をお願いしたいんだ……」
「あのなぁ、セレナ! お前はもう6人も妻がいるじゃないか? まぁ全員年増だが……俺より余程、恋愛経験があるんじゃないか?」
「僕は、どうしたら女の子と仲良くなれるか良く解らないんだ。 子供だからね……女の子との付き合い方も良く解らないんだ! ゼクトお兄ちゃんはモテたんだよね!」
「まぁな……だが、俺のモテなんて薄っぺらい物だって、アークスがマモンだった時に負けて気が付いたんだ。そこからは真剣に生きようと努力した。それが晩だ……お陰様で本当の愛や友情を手に入れる事が出来た。 そうだ、アークス、まずはお礼を言わせてくれ」
「俺はお前をただ、ぶちのめしただけだ……」
「ああっ! セレスが俺を救ってくれたなら、お前は俺の傲慢をぶち壊してくれた……まぁ死んで数百年経った今なら恨みじゃ無くそう言える。ありがとうな」
「そうか……マモンだった俺にとってお前は強者だった……これはセレスに負け、セレナに負けたから解った事だ。 能力に劣る存在が努力して立ち向かう……それは凄い事だ。 これでお互い遺恨なしで良いか?」
「ああっ構わない……それで恋愛相談だったな。セレナ、アークスには誰か好きな人は居るのか? どんなタイプだ? 俺に相談に乗れる事は少ないが出来る範囲は答えてやるぜ」
「相手はまだ居ないんだよ」
「相手はまだおらん!」
「そこからかよ! セレナの時はどうだったか……そこからアドバイスをしてみたらどうだ!」
と言われて出来たら良いんだけど……僕はそういう経験がないんだよね。
「僕の場合は最初の三人は奴隷だったし……他はお見合いだもん。これで何かアドバイスは出来るのかな?」
「ああっ、そうだったな……だったらセレスは……ああっ駄目か」
「うん、セレスお父さんは小さい頃から好きだった、ゼクトお兄ちゃんのお母さん達と結婚しただけだもん。 他は僕と同じ政略結婚だからそういう経験は無いよね」
僕の周りには、意外にもしっかりとした恋愛をした人っていないんだよね。
ゼクトお兄ちゃんが多分一番経験豊富なんだよね。
「そうだな、アークス! まずは出会いから始めないといけないと思う……今迄の人生で好きになった奴は居ないのか? 魔族とはいえ一緒に過ごした幼馴染や好きになった相手位は居たんじゃないのか?」
「普通はそうだが、俺はひたすら体を鍛えていたからおらぬ」
「マジか……確かにあの強さ……ストイックに鍛え上げなければ手に入らないか! それで、アークスはどんな女性が好みなんだ」
「俺の好みは『がたいが良くて背が高くてがっしりした美人』で俺と少しは戦える様な存在が理想だな」
「セレナ……この世界にマモンだったアークスにすら勝てる人間は居なかったんだぞ! そんな存在、冥界にも居ない。 強さって言うのは絶対条件なのか? 人間って枠なら、人類最強はメルになるかも知れないけど絶対に好みじゃないよな?」
「聞いた感じメルは駄目かな」
「ああっ、小柄な女性はちょっとな」
「う~ん! そうだ、セレナの婚約者にヘラ様っていう女神が居るじゃないか? 確かバウワー様の話では多神教の女神だっていうから、誰か紹介して貰うのはどうかな? 無理ならまだ未熟な存在を弟子みたいに鍛えていくのはどうだ? 俺にはそれ位しかアドバイスは出来ないな……後は、そうだセレナはまだ学生だろう? だったらアークスと言うのを隠して、学園に入学したら良いんじゃないか? 俺やセレスは経験出来なかったけど、沢山の人と知り合う中で気の合う相手をゆっくり探すのも良いし、恋人と構えなくても男女問わず友達になるのも良いんじゃないか? 俺やセレスの時代は争いごとばかりで、いつも戦っていたじゃないか。 アークス、お前も同じだろう! 折角だから、この平和な世界を楽しんでみたらどうだ? 俺は死んじまっているから経験できないが悪く無いんじゃないかな?」
「それ良いかもね、流石、ゼクトお兄ちゃん! アークスもそうしない?」
「確かに楽しそうで良いが、迷惑じゃないか?」
「大丈夫、僕からメルやエドガーに頼んであげるから」
「それじゃ悪いが頼めるか?」
一瞬ゼクトお兄ちゃんが顔を青くしたけど……どうしたのかな?
まぁいいや、アークスは僕の友達だし、きっと大丈夫だよね。
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