第127話 再戦

創造神様を越える剣を作りたい。


その思いで材料探しの旅に行くつもりだったんだけど……


『う~んとね、これがオリハルコンで、こっちがミスリルだよ』


行く前に話は終わった。


何と、妖精さんが持ってきてくれた。


よく考えたら金属って鉱物だから、土の精霊さんなら簡単に探せるよね。


「どうじゃ、セレナ何かヒントはあったか?」


「どうですか? なにか剣を強くするヒントはありましたか?」


困った。


折角、本物を見たのに……本物より僕が作った物の方が良質だった。


どうした物か……これじゃどうやっても作れない。


こういう時は……


◆◆◆


「突入――っ! 創造神様、遊びに来た~ 剣の作り方教えて」


「お前は確かセレナ……それより此処は上位の神界、しかも儂の部屋に直だと……そう簡単に入れない筈じゃが……」


『破壊神セレナだ……』


『やばい奴が来たぞ』


『あの戦闘狂のアークスが灰になった』


「なんだか、これた」


「そうか、だが儂は今、忙しいのだ、仕事が終わったら話そう。暫し時間を潰していてくれ」


「はい」


という訳で僕は創造神様の部屋を追い出されてしまった。


どうしようかな?


仕方ない、この世界には僕の知り合いはアークスしか居ない。


アークスともう一回戦おうかな?


「アークス知りませんか?」


「あっアークス……さぁ何処にいるのかな?」


「アークス知らない?」


「さぁ」


何故皆僕から目を逸らすのかな。


「あっアークスめっけ!アークス、また拳で語りあおう」


「待てセレナ! 戦うのは良いが……精霊は無しだ!」


「えっ? なんで?」


「俺は1人だぞ……お前に精霊がついたら、沢山の人間で1人をぶん殴った事になるんだ! ズルいだろう?」


「え~と、だけどアークスって、マモンの時でも1人で乗り込んで、沢山の相手を葬ったと聞いたけど違うのかな?」


「それは違わない……だが、お前は充分強い。そんな奴が複数で俺を攻撃するのか! ズルいだろう」


「そうかな? 僕子供だから、少し位ハンデ頂戴……という訳で水竜の……」


「やめろーーっ! そんな力を使って俺を倒して嬉しいのか?」


「そうだね、じゃぁ精霊さんの力を使わないでやろうか?」


「その意気だ……さぁ来いセレナーーーッ」


「竜化ぁぁぁぁーー」


「馬鹿め竜なら幾らでも殺してきたわーーっ! お前の父ですら……」


「まだだよ!人化ぁぁぁぁーー」


「ほう、お前の親父セレナも同じ技を使った。人の体に竜の力を詰め込んだのだな。これなら俺も楽しめるという物だ……それじゃ行くぞ」


「まだだよ……神かぁぁぁーー『竜を越え人を越え神を越える存在』

ゴッドドラゴンセレナ―  行くよアークス」


「さぁ来い!」


「行くよーーっ」


ぺチッ


「なんだ、それは、ぺチッてなんだ。がははははっーーああっ……なんだこれは……まさか俺の肉か?」


「うん、そうだね、お父さんは人と竜だけだけど、僕はそれに神の力が使えるからそれを上乗せしたの……それじゃ」


「そうは行くかぁぁぁぁーーー先手必勝だうおおおおっ」


「ゴッドドラゴンシールド」


僕の竜の鱗から盾を作ってアークスのパンチを受けた。


ガーーン


凄い音こそたったが……それだけでダメージは無い。


「これを喰らって大丈夫だ……と」


「うん、大丈夫みたいだね! こんどは僕の番だね。神竜斬刃……竜刃スライダーーーーッ」


両手から爪を出し神の力をこめる。


そしてそのままアークスの胸めがけて突き出した。


ドガッ


「えっ、うっぐはぁぁぁぁっ ごぼごぼっハァハァ何だこれわぁぁぁ」


あれっ……胸を貫いちゃったよ。


「あっ……ゴメン、これ心臓だよね」


爪の先にあったのはアークスの心臓だった。





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