第125話 上には上がいる
「アークス、遊びに来たぁ～！ さぁ拳で語りあおう……ぜ」
「なぬ……なんで此処に入って来れるんだ……此処は上位神界、本来ならイシュタスですら、特別に申請しなければ来れぬ筈なのに」
「うん、何だか知らいけど、来ようとしたら来れたぁ～さぁやろう……ぜ！」
「うわははははっセレナ、お前は俺に凄く似ている。 こと戦闘の事になると頭が一杯になるのだろう！ 周りにこれだけ神が居るのにお構いなしか……良いぜやろう！ それじゃ」
「それじゃ行くよ～ 基礎から学んだ魔法……受けてね！水竜の刃よ！ 僕の前の立ち塞がる敵を斬り刻め！ ハイドラブレードーーォ！」
精霊さんの力を借りて、巨大な大きな水竜を作り出す。
その大きな水竜が沢山の刃となってアークスに襲い掛かる。
これならきっと少しは通じるよね。
「馬鹿野郎やめろーーーっ」
アークスが何か言っているけど止まらない。
だって、これ僕だけの力じゃなく精霊さんの力も借りていんだから。
「なんで神界でそんな物を放つんだぁぁぁーー」
「水の女神の私でも、それ止められないんですけど……止められないんですけど」
「火の女神、相殺出来ないのか」
「無理、無理無理……こんなのどうしろって言うの」
「アークス、お前が誰かれ構わず戦うからこうなるんだ。お前がどうにかしろ」
「解った！ うりやぁぁぁぁぁぁーーーっ」
『この軍神馬鹿だぁ！ 高密度まで高めた水の刃だもん！ ミスリルどころかオリハルコンでの切れちゃうのに……』
『斬っちゃえーーっ』
アークスがパンチを繰り出しているけど、水の精霊さんの方が強いみたいだ。
アークスの拳が切れ初めてとうとう真っ二つに斬れてしまった。
「ぐわぁぁぁぁぁーーっ！」
だが、それで終わらない。
更に無数の水の刃が遅いアークスの体がバラバラになっていく。
だが、これで終わりじゃない。
アークス位強い相手にこれじゃまだ不安だ。
「火竜の刃よ、我が力になり敵を焼き尽くせ！サラマンダーファイヤーーーッ」
「この子何を考えているんだよ……もうアークスはバラバラだと言うのに」
「死ぬ、死んでしまう、こんなの神でも」
「神だから死なないわよ……だけど、凄く熱いんですけど！ この火、水の女神でも消せないんですけど」
「さぁ、アークス掛かって来い！ あれ……」
「君ねぇ、アークスならそこで灰になっているよ、それより周り見てみようか？」
あれ、あたり一面街事壊しちゃった。
それに……沢山の人？ 神が大怪我をしているし……まさか、死んでいる？
「ああっ、僕……まさか僕、殺しちゃったの」
「神だから死なないよ。だけど、これは酷い……悪いがこれから創造神様の所に行ってもらうからね」
「すみません……」
精霊さん……やり過ぎたのかな。
◆◆◆
いま僕は創造神様に呼ばれてその部屋に来ている。
「ふぁっはは、元気があって宜しい」
「すみません……それでアークスさんは？」
「はははっ、灰になっておるが、他の神々も一緒に今は治療中じゃ、神だから死なないし後遺症もないから安心して良い」
「そうですか？ 良かった」
「そうそう、良かった……うん、それじゃお帰り」
「あの、アークスさんが治るのを待って続きを……」
「お帰り」
「あの……」
「良いから帰りなさい」
「あの、お爺ちゃん強いの？」
「儂に強いか聞くのかのう……儂は創造神じゃ、そりゃ強いぞ」
「アークスより強いんだ」
「ああっ……それだけじゃない……ほらっ」
僕の目の前に剣が落ちて来た。
こ、これは凄い。
こんなのイシュタスママですら作れない。
「凄い、神剣ですね」
「儂は創造神じゃ、全てにおいて完璧、全知全能の存在、それが儂じゃ……強くてなんでも出来るのじゃ」
凄いなぁ～
アークスも僕もまだまだ、なんだ。
「創造神様、名前はなんて言うの？」
「儂に名前は無いしいて言うなら『創造神』それが名じゃ」
創造神様かぁ……
もっと、もっと頑張らないとね……
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