セレナの学園生活編
第92話 プロローグ ヘラの提案
この世界の女神イシュタスと神竜セレスを呼び出しましたわ。
私程の女神になれば、好きな場所に瞬時に呼び出せるのです。
「初めまして、お義父様とお義母様、今度セレナ様の妻になりますヘラと申します!」
「ここは、えっ、異世界の女神…」
「急に、嘘だろう、これが、あのヘラ…」
「そこ迄、怖がる事はありません! これでも、慈悲深い母性の神ですからね!それにこれからは親子になるのですから、立場など気にせずに、お話しましょう!」
折角、これからセレナ様をリスタートさせても、また甘やかしては意味はありませんから、今から根回しが必要です。
「どう見ても、私より神格が上の女神様がセレナの妻になると言うのですか…」
「めめ女神ヘラ…様って、あのゼウス様の妻で神々の母と言われている、あのヘラ様ですか!」
「セレス、知っているのですか? 貴方程の者が顔を青くするほどに…」
まぁ、地球出身の者が知らない訳ありませんね。
私は神々の母、ヘラですから!
「コホン!義父様は知っていて当たり前ですね!私は転生前の世界の女神ですから! 前の夫はおっしゃる通りゼウスです!でも離婚してきましたので問題はありませんわ」
「ハァ~」
「りり離婚されたのですか…」
「ええっ、まぁ地球に居たのなら、理由は想像つくかと思いますが…」
「はい、その通りですね!それで、今日はどう言ったご用件で呼び出されたのでしょうか?」
「セレナは元から女神である義母様や竜の神である義父様の子です。それが今や知れ渡り、誰もがひれ伏します…この状況で、修行を兼ねた普通の生活が送れると思いますか?」
「確かにそうですが、最早どうする事も出来ないと思います」
「確かにな…」
「そこで考えたのですが、今現在の人間の婚約者3人と私は、認めて貰えるなら先に義母様や義父様の住む天界に行き、セレナと一緒に暮らす土台を作ります。その間、新しく私と一緒に婚約者になった、二人と共に学生生活をして貰おうと思うのですが如何でしょうか?」
「上手くいくのでしょうか?」
「なかなか面白そうな話ですね!」
「幸い、セレナは帝国や王国では名は知られていますが、顔までは知られていません! 少し容姿を変えて一緒に行動する者が変われば、恐らくはそう簡単にバレない筈です! 暮らす場所もコハネや聖教国を避けて王国や帝国、そして学生寮にでも入れば3年位なら問題ない筈です」
「そうですね…」
「確かに今のままじゃセレナも楽しく無いだろう!それが良いかも知れない!セレナには俺やゼクトが過ごせなかった青春を過ごして貰いたい!お願いして宜しいですか?」
「はい」
「ところでセレナには他にも母親が居るのですが、何故私とセレスだけが呼ばれたのでしょうか?」
「それは、義母様や義父様に教会、聖教国と話をする仲介をお願いしたいからです! 此処がギリシャなら誰にも文句は言わせませんが、この世界では知名度がありませんので…他の方とは天界に三人を連れて私が赴く際にご挨拶させて頂きます」
「はぁ、解りました」
「畏まりました」
「それでは、これで失礼いたします!天界では仲良くしましょうね! あちらの扉からお帰り下さい!」
これで、下準備は出来ました。
あとは、セレナと話して行動するだけですね。
◆◆◆
「あの女神は一体どう言う女神なのでしょうか? 天界に居た私やセレスを一瞬で別の空間に移動させる等、バウワー様でも出来ないのに」
「俺の居た世界では神々の母と言われてましたからね…」
「それより、何故、セレスはそんな青い顔をしているのですか?」
「多分、イシュタスも一緒に暮らせば解かるよ…はぁ~! 年上が好きなのは解らなくもないが、何故、こう悪女ばかり集まるのか…」
「確かに、フルールもロザリアは悪女ですが、他の方はそこ迄…」
「いえ、恐らくは2人でも及ばないと思いますよ…」
「まさか、心配し過ぎですよ!」
カーミラに妲己…絶対に二人より上の様な気がする。
まぁ、幾ら考えても仕方が無い。
セレナが選んだんだから…頑張れ、それしか言えない。
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