第93話 ヘラSIDE 話し合い
当人が来られても困ります。
なので、お姿のみお借りしました。
演出は必要ですね。
教会で教皇と恐らくは司祭が祈っている最中に顕現してみました。
「あっ貴方様は一体!」
義母のイシュタスの像から光と共に現れれば、こうなりますね。
「控えなさい、我が名は女神ヘラ…女神イシュタスの義理の娘、セレナの妻となる者です」
「女神ヘラ様ですか!後ろにいるのは…あっあああっイシュタス様」
私の後ろには、女神イシュタスが立っています。
尤もこれはお姿だけを借りたものです。
立体映像と言えば解りやすいと思います。
全員が跪きましたね。
「率直に言います、教皇ロマーニと八大司教、今すぐセレナを神の子として扱うのを止めなさい!」
「「「「「「「「「なっ」」」」」」」」」
「口答えは許しません! 良いですか? セレナがこの世界に来たのは婚約者探しと義父である神竜セレスが過ごせなかった青春を楽しんで貰いたい…そういう意図です! 救世でも神国を創造する為ではありませんよ!」
「ですが、我々は宗教者です!神に仕える事が至上の喜びなのです」
「そうですか、ですがそれが間違っていると言う事はロマーニ教皇、貴方自身、解っている筈です…良いですか? セレナはあと3年でこの世界を去ります…その時『楽しかった』そう思われるのと、嫌な顔で去って行かれるのとどちらが良いのですか? セレナは神ですがまだ子供です! いろいろな経験をさせたい、そんなイシュタス様やセレス様の思いを踏みにじるのが宗教者ですか?神の意を汲まない存在は宗教者ではなく背信者ではないでしょうか?それで良いんですか?」
「「「「「「「「「「我々が…そんな」」」」」」」」」
「神の意思が解っているなら、簡単ですよ」
「どうすれば…」
「それはですね…」
私からの提案はセレナを教皇の遠縁の親戚の子と言う事にして、王国か帝国の学園に入学させると言う事。
そして、セレナから助けを求めない限り関わらない。
そういう約束をさせました。
セレナは神の子、幾ら地位が無い方が良いとはいえ、下に見られるのも問題があります。
教皇の親戚…その位が一番丁度良いでしょう。
「そうですか、寂しいですが仕方ありませんね」
「はい、それじゃ宜しくお願い致しますね」
これで大丈夫でしょう。
◆◆◆
「セレナ、話は済みましたよ! 来週から王立学園に通えそうですよ! フルールとロザリア、エルザは花嫁修業として私が天界に連れ帰る事にしました。その3年間は逆に妲己とカーミラと共に…何ですか? その方は、まさか私の知らない婚約者が居たのですか?」
「婚約者じゃ無いよ! 使い魔のニョロだよ」
なかなかの美人ですが『本来の姿』は別の様ですね。
竜に近い気がします。
「ニョロと申します!将来の奥様」
「ご丁寧に…ニョロさん、貴方は半年ほどセレナと離れて貰います」
「何故ですか?ニョロは…」
「『王立学院』では使い魔召喚は入学から半年…それまで我慢して下さい」
「ニョロは…」
「私は3年我慢するのですよ…それなのに貴方は半年、文句ありますか」
「…はぁ~ありません」
「宜しい…それでは、後で三人には話をして明日連れて行きます!学院には妲己とカーミラが従者として付いていきます! 二人は人間界での生活には慣れていて能力を隠す事にもたけています…困った事があったら2人と相談する事です! イシュタス義母様にも余り力を貸さないように伝えておきます! 今度こそ、楽しい学院生活が送れるように頑張りなさい」
「ヘラ様」
「私は貴方の婚約者です『様』は不要ですよ!」
「それじゃ…ヘラありがとう」
「私は貴方の婚約者で、元は母性の神です…少年に手を貸すのは当たり前…頑張りなさい」
「はい」
「そうそう…一言! セレナの能力を封じる方法はありませんでした! 友達を作りたいなら、絶対に自重しなさい!」
「解った」
「絶対ですからね!」
「うん」
まぁ、あの二人が居るならどうにかなるでしょう…
後は、妲己とカーミラと話せば…ふぅ、これで一段落ですね。
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