第56話【閑話】ローランVS教会②
クソっ!
ローランともあろう者が、何でこんな惨めな思いをしなければならないのだ!
あの後、マーティンが駆けつけてくれて共闘してくれた。
おかげでどうにか逃げる事が出来た。
だが、そのせいでマーティンは…
「やぁ…ローラン、いつも僕が駆けつけられる訳じゃ無いんだ!気をつけてくれよな」
笑っている。
笑っているが、自分を盾にして退路を切り開いてくれたから、顔に大きな傷がついてしまった。
この傷は深いからエリクサールでもない限り、傷は消えないだろう。
マーティンはキザな二枚目だ。
勇者である誇り以上に、自分の美貌が自慢だ。
その美貌を捨ててまで俺を助けてくれたんだ。
『申し訳ない』
周りが全部裏切るなか、此奴だけが味方になってくれた。
この恩は必ず返す。
その顔もエリクサールを教会から奪い、必ず戻してやるからな。
「すまなかったな!マーティン」
「気にするな! まぁ流石にこのままじゃ嫌だから、教会でも襲ってエリクサールでも奪うさぁ」
「そうだな、手を貸すよ、お前は俺の恩人だからな」
「ああっ、エドガーとも合流して地方から出直しってどうか?ローランと俺達なら王都や帝都、聖都じゃ無ければ止められる奴は少くない! この国の何処かの教会を襲って血祭りにあげて金を奪い、暫くは地方で適当に教会を襲って暮らせば良いんじゃないか?」
「ふん、教会はこれから先敵だ!俺の正義から外れる! これから先、司祭や使徒は全員魔族と同じだ…もう人権は認めない…魔族と同じなんだから殺しても心が痛まない」
「そうだな!我々は勇者なんだ!敵は全て悪…そう言う事だろう? ローラン! それでこれからどうするんだ!」
「エドガーと合流して戦力が少ない辺境に行く…そこで適当に強奪をして力をつけ、何時しか聖教国を倒しコハネを取り戻す…だが、今は逃げるしかない」
「それしか無いな」
この屈辱は忘れないぞ。
勇者が3人もいるんだ…
必ず、復讐をしてやる。
あの司祭も教皇も皆殺しだ…覚えておくが良い。
俺はまた帰って来る。
その時まで…待っていろ。
だが、今は…先に何処かの教会でエリクサールを強奪だ。
◆◆◆
まさか、あそこでマーティンが合流して来るとは…
武装した複数の聖騎士がまさか遅れを取るなんて思わなかった。
クソ…逃げられるとは!
だがな、ローランお前はこれから地獄を味わうだろうよ。
『勇者絶対主義者』は何処にでもいる。
もう教皇様が触れを出した。
ローランお前達にはもう安らぎは無い。
この世界全てがお前達の敵だ。
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