第55話【閑話】ローランVS教会①
「ほう? これに従え…そう言う事か?」
「はい…」
「教会は、俺に喧嘩を売っているのか? この俺から権利を奪いコハネを返せだと! コハネは俺の先祖である勇者ゼクトから代々子孫に受け継がれた地、今は俺の物だ」
「それは違います! コハネは聖教国、教会が英雄セレス様に楽しく過ごして貰いたいが為にお渡しした土地で、その後勇者ゼクト様に統治権を渡した土地でございます」
「なら、勇者ゼクトの血を引く俺が統治していても問題は無いだろうが!」
「確かにそうでしょう? ですが、貴方は犯罪者だ!此処迄の事は国王であっても許されない事だ!」
そう言うと教会から来た男は書類を投げてよこした。
俺はそれに手に取り目を通した。
「これがどうか、したのか? 俺は勇者保護法で守られている。問題は無い筈だ」
「はんっ! ローラン、貴方が勇者?!笑わせますね! 弱者を傷つけ殺す狂人が…勇者…貴方は勇者を馬鹿にしましたね! あなた如きが名乗って良い存在じゃない…薄汚い偽物がぁぁぁーー」
「このローランが偽物! 幾ら司祭でも許さんぞ…殺す!」
「ローランを破門、聖騎士この神敵をうち滅ぼしなさい!」
「「「「「「「「「「ハッ」」」」」」」」」」
「貴様ら、俺は第一の勇者ローランだぞ! 俺に手を出せば勇者一族が黙って無いぞ!」
「勇者一族は、聞き取りの上、逆らう者は全員投獄しました。自分の非を認めた者は過去の罪を許し一般信者として一からやり直す事で話がついている、残りはお前、ローランとマーティンだけです」
「何だと…ならば俺は家臣に命令を下し戦争をするぞ! コハネと聖教国で戦争だ!」
「無理ですな…貴方やマーティンに与する者は破門するとふれを出しました…嫌われ者の貴方の為に動く人間等、もうこの国には居ませんよ」
「おのれーーーっ」
「解りましたか? それでは…」
「俺の名はローラン、1の勇者ローランだ!俺は勇者だ…1人でお前等蹴散らしてくれる!」
舐めるなよ…俺はこれでも、勇者だ。
「本物ならね…もう聞くのも飽きました、聖騎士殺しても構いませんから黙らせなさい」
「「「「「「「「「「ハッ」」」」」」」」」」
複数の聖騎士か、少し手を焼くな。
「返り打ちにしてくれる!」
たかが聖騎士、俺の相手になんてなる筈が無い。
俺がその気になれば一撃で真二つだ。
ガシッ…
「なっ…」
「私は貴方の事を過小評価していませんよ? だから、聖騎士達にはミスリルの鎧に剣を装備しています…投降するなら今のうちです?」
「俺一人じゃ無理でも、すぐにマーチンが来れば…」
「あちらにも、同じだけの人間が向かっていますから、諦めなさい」
「あいつは俺が見込んだ男だ…」
「そうですか? 此処迄話しても投降はしないのですの? 最早破門した身…さっさと処分しなさい」
それだけ言うと司祭は俺を見捨てるかの様に去っていった。
殺されてたまるか…
俺はミスリルで装備を固めた聖騎士に斬りかかった。
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