第50話 【閑話】報告


「そんな状況だったのか?」


「「「「「「「「「「ハッ」」」」」」」」」」


因果応報だ。


散々沢山の者を傷つけ痛めつけ殺してきた一族だ。


それに相応しい最期だ。


まさか、体を溶かされて殺されるとは、ロザリアに相応しい最期だ。


部下の話によればフルールやエルザも『既に拷問された後』らしい。


これで良い…悪人の最期はこうでなくちゃな


これでローランの気も治まるだろう。


ああも、不機嫌で居られると溜まったものじゃない。


同じ勇者の俺がこれなのだから、他の皆は気が気じゃ無かっただろう。


だが、これで全部終わる。


これから先はローランに怯えずに生活が出来る。


『助かった』


早速、報告だ。


◆◆◆


「ローラン、少し話があるんだ」


「エドガーかどうかしたのか?」


俺は部下からの報告をそのままローランに伝えた。


「ロザリアが拷問で体が溶かされていて、フルールやエルザは死んでいる可能性が高い…そう言うのだな?」


「ああっ、酷いもんだったらしいぜ! 幾ら悪女とは言え見てられなかった…そう言っていた、間違いない!」


「ほう? それはちゃんと確認をした事なのだな…それなら良い…褒美をやるから、その部下とやらを連れて来い」


これで一安心だ。


普段は勇者らしくローランは温厚だ。


これできっと元に戻る筈だ。


◆◆◆


「やぁ君たちが、ロザリアが溶かされているのを見たのかい?」


「はい、確かにこの目で確認しました」


「あの主人は…そう拷問狂です! この世の物とは思えない地獄でした」


「そうか?他の皆も同じか?」


「「「「「「「「はい、間違いありません」」」」」」」」


「そうか…エドガー駄目だ此奴ら…使えないよ…うん、使えない」


「ローラン、何を」


ローランが俺の部下の方に素早く動いた。


同じ勇者の能力を持つ俺ですら辛うじて見えるだけだ。


次の瞬間、俺が見た物は10の首が宙に舞う瞬間だった。


「ローラン何故だーーーっ」


「ふぅ…どう言う事か解らないが、その10人は俺を騙した…もしくは騙された無能だ!エドガーそんな使えない奴要らんよな?」


「一体何が…」


「見張らせている俺の部下から報告があったよ、三人とも楽しそうに暮らしているそうだよ? エドガー君の部下はどうした? 頭でも可笑しくなったのか? それとも俺達を騙そうとしたのかな…」


「それは…」


「まぁ良い…」


「ローラン! これは…」


「エドガー、お前は無能じゃないよな? どうすれば良いか解るよな?」


「はい…」


ローランの目が笑っていない。


俺が直に行って、3人を殺してくるしか無いな。



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