第47話 ロザリアも...①

そろそろ帰ろうかな…


多分、もう大丈夫だよね?!


どうしても帰る気が起きない僕は、今森の中に居る。


ポーションを1本買ってきて僕の血を入れて…


出来た『ゴッドドラゴンポーション(伝説級 粗悪品)』


あとは、ロザリアの装備だけど…


ロザリアは確かそんな花はあったけど、なんとなく似合わない気がする。


ロザリアに似合いそうな物…


悩むな…花にするならフルールが薔薇だから百合何だろうけど、なんとなくイメージが合わないな。


エルザが獅子だから対になるならタイガー?竜?


虎は合わない気がするし、竜は、恐らくドラゴニュートになるんだから被ってしまう。


毒があって、う~ん悩むな。


何かないかな…そうだ、サソリ、スコーピオン。


フルールの薔薇に対してスコーピオン。


何となく…良い。


そうと決まれば


「竜化――――っ」


竜の姿になり、前と同じように鱗を落とした。


ロザリアとサソリをイメージして…


軽装鎧兼服みたいな感じかな。


後は武器として薔薇をモチーフにした棘のある感じの鞭で柄を少しロッド風に…こんな感じかな。


『創造(クリエイト)劣化版』


相変わらずイシュタスママみたいに上手く出来ないんだよな。


サソリをモチーフにした白銀の軽装鎧にして同じくサソリの尾をイメージした細剣が出来た…しかもこの細剣は鎧に収納できる。


後はどの位の出来かだな。


白銀スコーピオンの聖竜鎧(伝説級)

竜公に連なる存在の鱗から作られた鎧。

女神の血も入っている為、神級の武器でなければ破壊不可。

聖剣の攻撃ですら傷つかない。

ロザリア専門鎧で他者は装備不可。


普段は指輪でロザリアが必要とすれば一瞬で鎧になり装備される。


白銀のスコーピオンの細剣(伝説級)

竜公に連なる存在の鱗から作られた鞭。

女神の血も入っている為、神級の武器でなければ破壊不可。

聖剣に匹敵する攻撃力を持ち、その棘は自己再生する。

普段は同じく指輪に入っている。


やはり伝説級…イシュタスママに及ばない。


仕方ないな。


まぁ、二人と同等品だから、問題無いよね。


いつか僕ももっと凄いの作りたいな。


◆◆◆


「ただいまぁ~」


「お帰りなさいですわ…セレナ様」


「セレナ様、お帰り!」


「セレナ様、お帰りなさい」


どうやら追及は終わったようだ。


うん良かった。


「それでね、ロザリアにはお土産があるんだ!」


「ロザリアにだけですの?」


「あたいには無いのか?」


「私にだけなのですね!嬉しい愛を感じます」


「「ぐっ…」」


「二人には、もうあげた物だから、はい、ポーションと装備」


「ポーションは解りますが、これが装備ですか?指輪にしか見えませんが」


「その指輪は取り敢えず身につけて置いて、後で説明するから取り敢えずポーションから飲んで」


「このポーションですか? 金色に輝いて綺麗だし…美味しいですね美味いわ…ああっ…」


「「あのポーションだ(ですわね)」」


なんだか、二人ともニマニマしている。


「ああっ、体熱い…焼けて溶けるようにいやぁぁぁーー熱い、これあああぁぁぁぁーー、嘘、嫌、いやぁぁぁーーグスッ」


走ってトイレに籠っていたが、容赦なく恥ずかしい音とすすり泣く声と艶やかな声が聞こえてくる。


うん、二人の時と同じだ。


「ハァハァ…セレナ様毒を…ハァハァ、そんな信じて…いたのに」


今のロザリアはトイレから出てきた所で、髪がズルリとカツラが落ちるように頭皮ごと落ちかけている。


見ようによっては生皮を剝がされている様にも見える。


「流石に見ているのは悪趣味ですわね、部屋に戻りますわ…ロザリア、そんな事で疑うのなら忠誠心が低いですわよ」


「そうだ、あたいならセレナが差し出すなら毒でも喜んで飲むからな、それじゃ…あたいは部屋に行くから」


「ああっああーーっ嫌ぁぁ溶ける…あああっああーー」


うん、なんだ?


その時、いきなりドアが開いた。


◆◆◆


「我らはエドガー様の親衛隊…ヒィ…」


酷いなんて物じゃない…生きたまま体を溶かされている。


頭皮が溶けるように髪ごと落ちかかっていて、顔なんか薬品で溶かされた様に酷い有様だった。


「一体どうしたと言うのだ? なっこれはロザリアじゃないか…体が溶けかかっている…うぷっ、なんだ下水の様なこの臭いは…うげっ…ハァハァ、これをお前がやっているのか?」


「…はい」


確かにロザリアに生命保証はない、殺しても問題が無い奴隷だ。


だが、これは余りに酷い…こんな体を溶かして遊ぶ奴なんて俺は知らない。


「一応、聞いておくが、フルールにも同じ事をするのか…エルザにも…するのか」


「その二人なら、もう同じ事をしたよ」


このガキ…拷問狂だ。


狂っている…体が溶かされかかったロザリアは崩れかかった体で風呂場に走っていった。


汚物や体の皮に爪や頭皮ごと髪が俺達の前に落ちていた。


あれじゃ助からない…いやもし助かっても、こんな拷問をする主人の下じゃ、地獄しかない。


我々が何かする必要は無い。


あの拷問令嬢達には死か地獄しかない。


「すまない、部屋を間違えたようだ」


『地獄の様な生活を送っていて殺されるのは時間の問題』


こう報告すれば…問題ないだろう。


「そう…それなら取り込んでいるから出て行ってくれないかな?」


「ああっ、すまなかったな」


最早、目の前の少年が化け物にしか思えなかった。







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