第36話 過剰戦力
一応鑑定をしておくべきだよな…
無詠唱で鑑定してみた。
『鑑定』
名前:フルール
LV:※※(人間の範疇を超える)
種族:ドラゴニュート亜種劣化(半人半竜)
劣化なので竜には成れない。
本物の半分の力もない。
※女神の血を微妙に含む為治癒に優れる。
HP:※※※※(人間の範疇を超える)
MP:※※※※(人間の範疇を超える)
加護:高位竜(貴族階級)の加護
尚※※はまだ変わっている最中なので不安定。
名前:エルザ
LV:※※(人間の範疇を超える)
種族:ドラゴニュート亜種劣化(半人半竜)
劣化なので竜には成れない。
本物の半分の力もない。
※女神の血を微妙に含む為治癒に優れる。
HP:※※※※(人間の範疇を超える)
MP:※※※※(人間の範疇を超える)
加護:高位竜(伯爵階級)の加護
尚※※はまだ変わっている最中なので不安定。
僕は、セレスお父さんみたいに竜公爵(公爵階級)じゃないからこんな物なのか…
これ位の力があれば、大丈夫だよね。
「あの、さっき言った事は本当ですの?」
「確かに、力が体から湧いてきているけど! そんな凄い話は聞いた事が無いよ」
あははは…僕の血とか言いたくないな。
「大した事ないよ、大賢者じゃないメルから昔教わったんだよ」
メルのせいにしちゃえ。
「セレナ様、やっぱりその方は本物の大賢者メル様だと思いますわ…魔王に冥界王が本物と考えたら、間違いないと思いますわ」
「こんなポーションを作れる人物はこの世界に大賢者様しか居ないと思うぞ」
まぁ、そういう事にしておけば良いや。
「そうだね、多分、そうだと思う…」
しかし、メルって有名人なんだな…大賢者か…まぁ良いや。
「本当に驚きましたが、肌なんてスベスベ…それで効能は本当なのですの?」
「凄すぎるよ、凄い秘薬だ」
まさか、種族迄変わってしまうとは思わなかった。
まぁ大丈夫だよね。
「まぁね、それで装備も作ってみたんだけど、はい」
俺は2人に『装備』を渡した。
「指輪ですの?」
「指輪?なにか魔法が掛っているのか?」
「それ、鎧と武器だから…力を貸して欲しいと念じれば一瞬にして装備されるよ!」
「そんな話は聞いた事がありませんわよ! これもまさか大賢者メル様から教わった方法で作成しましたの?」
「あの方は、数百年も生きている、化け…いや偉大な方だからな、あの方なら出来るのか…」
メルじゃ多分、これは作れないと思うな。
まぁ良いや、何でもメルから教わった…そう言う事にしておけば。
丸く収まるから…良いよね。
「うん…そうだよ…その指輪に力を貸して欲しい、そう願ってみて、多分武器と鎧になる筈だから…あと、その装備は多分専用装備だから一度装備したら拒絶しない限り外れないから安心して」
「凄いですね! 力を貸して欲しいのですわ!」
「力を貸してくれ…こうか?」
2人が願った瞬間に指輪が輝き…
フルールに薔薇の触手が巻き付き、エルザには獅子がのしかかった。
そして、それぞれが鎧と武器に変わった。
「これが、私の装備ですの…黒くて綺麗ですわ、凄く力が沸いてきた気がしますわ!今なら例え相手が何人居ても無双できますわ」
「ああっ、この黄金に輝く獅子の鎧、そしてこの剣、今なら何でも破壊できそうだ…凄い」
「まぁ、城の一つや二つは攻略出来るかもね…だけど、多分お父さんの友達にも勝てないよ? 魔王ルシファードおじさんにスカルキングお爺ちゃんとやりあったら恐らく負ける可能性が高いから気をつけないと駄目だよ」
「あの…まさかと思いますが魔王や四天王相手にそこそこ戦えたりしますの?」
「まさか、そこ迄の物なのか?」
え~と。
あれれ…装備だけじゃ勝てないけど…ドラゴニュート亜種劣化(半人半竜)だから、いい線行っちゃうかも…言わない方が良いよね。
「あはははっ、30分位戦えるだけだよ…多分…」
「魔王相手に30分ですか? 凄すぎますわ」
「人類最強…じゃないのか…凄すぎる」
30分戦えるだけで凄いのか…まぁ良いや。
「うん、そんな物…それで、パンフレットにこんな名前があったんだけど? フルールはどう思う?」
「えっ、ロザリアもそうですが、随分と2日目は変わった方が出されますのね」
「本物だと思う?」
「ロザリアが本物のわけありませんわ…情報を持っていますから普通に殺す筈ですわ…それに、随分訳ありな方ばかりですわね」
「別の意味で凄いな…いや碌でも無いという理由で」
「それで、悪いけどフルール2日目のオークション、付き合って貰えるかな?」
「そう言う事なら良いですわ」
「1人で居ても仕方ないから、あたいも行くよ」
「それじゃ3人で行こう」
こうして僕たちは3人で明日オークションに行く事を決めた。
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