第35話 ポーションの効き目
ポーションも作ったし、装備も出来た。
これで、当面の問題は無くなったよね…うん大丈夫な筈だ。
だけど、今思えば装備は作る必要は無かったんだよな…
このポーションを飲めばエルザの勇者病も治るんだから…
まぁ良いや。
この世界は危ない事…だらけ? あれ…危ないのかな?
思ったより力は無そうだけど、魔王?も顔見知りだし…
多分、僕の知っている限り、一番偉いのはバウワーおじさんでその次がイシュタスママの気がする。
あれれ…平和な気がする。
◆◆◆
「ただいま~あれっ?」
「この脳筋で野人が暴れて壊したのですわ、私は止めましたわ」
「暴れてないんだよ! あたいはただ、普通に過ごそうとしただけなんだ…悪い、制御出来たのは疲れたあの時だけだったみたいだ」
まぁ、勇者病だから仕方ないな。
「まぁ、仕方ないよ、勇者病なんだから、だけどもう大丈夫だよ!勇者病に効くポーションを作って来たから…ほら、あとこのポーションは他にも色々と効くから、フルールも飲んで!」
「え~とマジ! 勇者病は魔法でも薬草でも治せない筈なんだけどな」
「そうですわ!魔法は兎も角ポーションや薬は私の得意な分野ですが聞いた事はありませんわ」
まぁ、イシュタスママから聞いたとは言えないしな…
「フルールは知っているでしょう? 僕には色々と変わった知り合いが居るからね…此処から先は内緒だけど?」
「魔王ルシファードに不死の王スカルキング…大賢者じゃないメル様ですか?」
「あはははっ、そういう事…」
「まぁ、どんな素性の物だとしても私がセレナ様が差し出した物を飲まない訳ありませんわ…頂きますわ、うんぐっ、あら凄く美味しいですわ」
「あたいだって同じだよ! うんぐっぷはぁーー美味い」
「そう、良かった…あと装備も」
「ああああーーっ熱いですわーーっ、嫌ぁぁぁぁーーっ体が体が溶けそうですわ…グスッヒクッ、ああっもう駄目ですわーー」
嘘だろう…フルールが泣きながらトイレに走って行くなんて。
「あたいも駄目だぁぁぁぁーー体が熱くてお腹が痛い…も漏れるーーっうぐっ、ヒクッ、駄目だぁぁぁぁーーー」
この部屋はかなり豪華でトイレも二つあるから良いけど…まさか僕の血に何か問題があったのか…もし二人が死んだら、僕は…
最悪、バウアーおじさんに頼みに行かないと不味いかも知れない。
う~ん…トイレからすすり泣く声と、くぐもった声が聞こえてくる。
あと、恥ずかしい音も…聞いてちゃいけない反面、何かあった時の為に此処を離れない方が良いだろう…
苦しそうな声…それとは別に艶っぽい声も聞こえてくる。
イシュタスママが言っていたんだから大丈夫だよね?
一応、女神だし…
2時間位トイレに籠っていた後、2人は急いで風呂場へ向かって行っていた。
どうしたんだろう?
「大丈夫?」
「「大丈夫(ですわ)」」
そう言う返事が来るから、多分大丈夫だよね…
「なっ、何が起きているのか、想像もつきませんわ…体の中の汚物を全部強制的に出された気がしますわ…しかも、髪も皮も全部剥がれて…死ぬのか…そう思ったら、綺麗な髪と皮が生えていますわね」
「猛毒かと思ったら…凄いなこれ、髪が全部抜けて新しく生え変わったし、皮もボロボロ落ちたと思ったら、下に綺麗な新しい皮が生えているし…見た目は変わらないけど…まるでそう、体が別物に変わった気がするぞ」
「新品の体になった…そんな感じですわね…肌なんてツルツル、シミも目の周りの皴も無くなっていますわ」
「どうせなら、見た目も15歳位になれば良いのに…」
「それはゴメンですわね…若返ったらセレナ様の好みじゃ無くなりますから」
「それは、困るな…だけど、セレナはなんでそんなに年上が好きなんだ」
「解りませんわ…ただセレナ様自身がご自覚があるようで、ババコンでマザコン…そう言っていましたわ…しかし凄いですわね」
「本当に、凄いな! 体から恐らく洗面器3杯分は汚物が上からも下からも出て…髪が全部抜けて、皮が剥がれていくんだ…」
「まだ、終わってないようですわ、今度は爪と歯が抜けて…生え変わってきましたわ」
「本当に体が新品になっていっているみたいだな」
「毒どころか…これは凄いポーションですわね…体が新品になるなんて凄いですわね」
聞いている分だと大丈夫だな…良かった。
僕はこっそりと風呂場の前を離れて部屋へ戻った。
◆◆◆
「それでこれはどう言ったポーションでしたの?」
「確かに凄い…体から力が漲るようだし、力の制御も完璧に出来る様になっているよ…ほら」
コップを自慢げに持つエルザは…うん、勇者病は治っているようだ。
「そのポーションの効能は、寿命が約600年に延びる、殆どの病気や怪我は自然に治る、寿命が尽きるまで今の容姿が固定される、不眠不休で1か月位動ける、精力増強。…こんな感じだよ。その過程で、勇者病も治るみたいだよ」
「あの…それとんでもないポーションですわね…体がまるで新品みたいですわ、まさに秘薬中の秘薬ですわね…本当ですの?」
「ああっ、若返った…いやそれ以上だよ…だけどマジかそれ…」
「まぁね、出どころは内緒…でも、それなら良かった」
これで勇者病もどうにかなったし、後は装備を渡してオークションの相談をしようかな…
ちゃんとポーションが効いたみたいで良かったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます