第26話 奴隷商にて


エース商会にきました。


「エース商会にようこそ! 帝国一の品揃えだよ」


「はぁ」


随分と明るいな…何処にも悲壮感が無いし。


「エルフ? ダークエルフ? ありとあらゆる奴隷が居ますよ?」


「そう…それじゃ…年上から見させて貰えるかな?」


「年上? そうかお坊ちゃんは子供だから15歳位の子が好みなのかな、それとも17歳位?」


なんで、そんな子供みたいな子ばかり紹介しようとするんだろう…


「もっと上で20歳台後半~30歳位が理想です…」


「はははっ家事奴隷ですな…ですが此処はエース商会、家事奴隷でも品があり若い子を中心にしています、一番年上でも22歳です」


「そうですか…」


22歳の女の子を見させて貰ったけど…どう見ても好みじゃ無かった。


12歳の僕が言う事じゃ無いかも知れないけど『母性』が全然ないんだよな…


こう、なんと言うか包容力が無いんだよね。


ハァ~


駄目だ。


「すいません好みの子が居ないんでまた来ますね」


「そうですか…またのお越しお待ちしております」


次はオルドかな…


「いらっしゃい…此処はオルド…なんだガキか、此処は奴隷商だぜ!ガキが来る所じゃ無いぜ」


「お客だよ!」


そう言いながら金貨3枚を見せた。


「そうか、客なら話は別だ…それでどんな奴隷が良いんだ?」


僕の趣味は一貫している。


「20歳台後半~30歳位が理想です…」


「家事奴隷か?」


「いえ、違います…ちゃんとした綺麗な女性で…」


「あははははっもしかしてアンタが探しているのは『静子』かな?」


静子…なんで静子お母さんの名前が出るんだ…どうして?


「…」


「どうやら図星らしいな? 『竜の英雄セレス』の物語に出てくるヒロインの1人だ…他にも5人の世にも綺麗な熟女が出てくる本当に変な話しだ…だがよう、正直に言うぜ、あれは美化された話だから『美しい熟女』なんて存在が出てくるが…実際のその年齢の女性の多くはBBAなんだ。坊主も自分の母親の事を考えたら解るだろう?」


僕の母さん達は、凄い美人だから…


それに物語の静子は僕の母さんだから。


「…解らない」


「仕方ねーな…だったら見てみるか?」


「はい」


確かに言われた通りに色々と見させて貰ったけど…確かにこの店主の言い分にも一理あるそう思えた。


言うとおり綺麗な人は居なかった。


「それじゃ…すいませんでした」


「あのよ…普通に考えて『美しい熟女』は居ない…だがそれでもそんなあり得ない者を探しているなら…来週から1週間開催されるオークマン一族が主催する『奴隷市』に行ってみては如何ですか? うちにくれば連れて行ってやるよ」


「本当に良いの?」


「ああっ良いぜ、手間賃は貰うけどな」


「宜しくお願い致します」


運命の出会いがあると良いな。


恋愛って本当に難しい。




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