第27話 やりたい事が無い
「帝国学園への入学はどう致しますの?」
「どうすれば良いのかな?」
「帝国は『強き者』を好みますわ、ですからセレナ様なら確実に受かりますわね」
「それなら良いんだけど…」
「問題は受かってからですわ」
「受かってから?」
セレナ様は一体どういう方なのでしょうか?
歴史は近代は壊滅的に駄目ですが…それ以外はほぼ完ぺき。
この状態でどうして学園に通う必要があるのでしょうか?
「セレナ様は優秀過ぎますわ…受かっても、少し本気を出せば飛び級ですぐに卒業してしまいますわ」
「う~ん、それは不味いかな」
「あの、ちょっと聞いても宜しいですか?」
「うん、なに?」
「セレナ様はなんで学園に行こうと思いますの?」
「どうして、そんな事を聞くの?」
「剣も魔法、知識ならもう学ぶ必要はありませんわ、仕官でもしたいのなら別ですが、そうでも無さそうですし…行く意味がありませんわ」
「それは…お父さんやおじさんの話で…友達とか作るのが」
これが可笑しいのですわ。
自分で言うのもなんですが、セレナ様は確実に『年上好き』なのですわ。
それは貧乳だからとエルフを好まない位で『ナインペタン』という位に若くて胸が小さい女性は好みでないようですわ。
多分、横で見ている感じ若い子と話すも余り好まない気がしますわね。
「学園に行っても年齢で言うならセレナ様と同い年位の子しか居ませんわ…私みたいな年齢の方は殆ど居ませんわよ…」
「本当に?」
「はい」
やはり学園その物に何故入りたいのか解りませんわ。
◆◆◆
「それでもう一度聞きますが、何故学園に行きたいのですか?」
「あれ?!なんでだろう?」
良く考えたら、何で僕は学園に行きたいのか解らないや。
行っても恋愛対象になる年齢の女の子は居ないし。
若い子は煩いから男女問わず、友達になりたいと思わない。
良く考えてみれば ゼクトお兄ちゃん達も友達みたいな物だし…
あれ?
なんで僕は学園に行きたいのかな?
「私からしたら行く必要が無い気がしますわ」
「あれれ…可笑しいな? 僕はなんで学園に行きたいと思ったんだろう…」
絶対に好みの女の子が居る筈ないし。
学ぶことは余り無い気がする。
良く考えたらセレスお父さんやゼクトお兄さんが行けって言うから、それじゃ行こうか…そう考えただけで、特に行きたい訳じゃない。
そう考えたら行く必要は無いかも知れない。
「考え込んでどうかしましたか?」
「いや…よく考えたらだけど、僕学園に行く必要は無いかも」
「そうですわね…セレナ様なら恐らく教師より優秀ですから行く意味がありませんわ」
「そうだね」
そうしたら…どうしようか?
学園に行かないなら僕は何をすれば良いんだろう?
「どうかされましたか?」
「いや、学園に行かないとしたら僕はいったい何をすれば良いのかなって」
可笑しな…お嫁さん探し以外に特にやりたい事がないな。
「セレナ様がやりたい事をすれば良いと思いますわ」
「やりたい事?」
「そうですわ、セレナ様が好きな事、やりたい事をすれば良いだけですわね」
「やりたい事?!」
やりたい事か…どうしよう思い浮かばない。
「そうですわ、一つや二つあるでしょう?」
「ない…フルールは何かやりたい事はある?」
「無いのですか?私はセレナ様と一緒に居られるだけで幸せですから、特にありませんわね」
「どうしようか?」
「それなら、これからやりたい事をゆっくりと考えれば良いと思いますわ」
「そうだね」
何しようか?
すこし考えてみる必要があるかも知れない。
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