第17話 多分剣聖ではありません
「それでセレナ様は今後どうしますの?」
「そうだね、冒険者をしながらお金を溜めて学園に行くつもりだよ!あとはあと二人婚約者を探すつもり」
「えっ他に婚約者? 私だけでは不満ですの?」
天界で将来暮すから、永遠に近い時間を僕や婚姻相手は暮す事になる。
だからセレス父さんが『絶対に妻は3人以上』そう言われたんだよな…
1人だと揉めたら大変だし、2人だとどちらかに味方したら1人が孤立する。
だから絶対に3人は必要なんだそうだ。
どう説明すれば良いのかな…
「これは家の家訓なんだけど『絶対に妻は3人以上』貰えと決まっているんだ、父さんから聞いたんだけど、1人だと揉めたら大変だし、2人だとどちらかに味方したら1人が孤立する。だから絶対に嫁は3人は必要だ。そんな理由みたい…です」
怒らせちゃうかな…
「確かに、そう言う事なら何となく解りますわ…ですが冒険者をしながらお金を溜めると言いますが登録はなさっていますか?もしまだならお金を溜めるのは大変ですわよ」
「そう言えば登録はまだしていなかったな…後で登録をしなくちゃ」
「そうですわね、セレナ様の実力が確かなら私とパーティを組めば良いのですわ…これでも私A級ですから、かなり難しい仕事も受けられますわ」
「助かった、フルールありがとう」
「どう致しまして…ですが、セレナ様は今までどうやってお金を稼いできましたの? それに多数の妻を娶れるのは上級貴族だけですわ…もしかして名家の出身ですの」
確かに名家と言えば名家だよな…
お金はイシュタスママが『女神の金貨袋』という無限にお金が出る袋をこっそりくれたからだけど…流石にいえないよな。
「結構な身分ではあるかも…だけどこの修行期間の間は秘密にしなければならない約束なんだ…ゴメンね」
「まぁ良いですわ、名家や王族の間ではそう言った仕来たりがある家があるのも存じておりますわ、問題はありません」
「そう、ありがとう…それじゃ早速ギルドに登録に行こう」
「そうですわ」
冒険者ギルドか…セレス父さん達も此処から頑張ったんだよね。
楽しみだな。
◆◆◆
「私の登録が無くなっているですって、どういう事ですの?」
「フルール様は婚姻した時に旦那様からもう冒険者をしないから抹消して欲しいと依頼を受け、抹消扱いになっています…その後10年以上依頼をしてないので一からとなります」
「という事は…まさかFからですの」
「そう言う事になります」
「そんな…」
「仕方ないよフルールFから頑張ろう…それで最初からランクを上げる方法は無いんですよね」
「あるにはありますが…狭き門で1回だけのチャンスです」
「あるんですね」
「はい、ギルド所属の冒険者と戦って善戦、もしくは勝てば、その階級からスタートできますが…今迄クリアできた人はおりません」
そう言えばこちらでまだ戦った事が無かったな。
チャレンジして見るのも良いかも知れない。
「一番上の人は何ランクなんですか?」
「Bランクのカルマーさんが居ますが限りなくAに近いと言われています…まさか挑戦するのですか? 言っておきますがDランクチャレンジでもクリアした人は少なくCランク以上は一人も居ません…それでもやりますか?」
「どうする?フルールもやってみる」
「そうですわね、元々Aでしたからやってみますわ」
「それじゃ、二人ともBに挑戦させて下さい」
「フルールさんは兎も角、そのセレナさんは大丈夫ですか? ようやく登録できる12歳…12歳でB級なんて居ませんよ…まぁやるのは自由ですが…」
どの位強いんだろう…まぁ頑張るしか無いな。
◆◆◆
ギルドにある修練場に来た。
「カルマーさん、この2人がB級チャレンジをしたいそうです」
「ガキとロートルマジでやるの?」
「お願い致します」
「お相手願いますわ」
「ハァ~仕方ない…そうだまずガキから来な」
「もうスタートして良いんですか?」
ギルド嬢も首を縦に振った。
「それじゃ行きます...」
剣で受けられたら意味が無いからリダ姉さんの得意な斬鉄で行こうかな?
「斬鉄」
「えっ」
そのまま斬鉄のスキルを使い剣を振り下ろした…
当然、受けたカルマーの剣はそのまま切断され、カルマーの肩の装備にぶつかる寸前、カルマーはよけた。
「それじゃ二撃目…」
「待った、待った…合格、合格だから…そんな剣聖専用のオリジナルスキルを使われたら俺死んじまうよ…」
これ、そんなに凄かったのか…
家族でこれを躱せない人、居ないんだけど…
「あのセレナ様、まさかと思いますが『剣聖』なのですか?」
「多分違うと思う」
「まぁ冒険者は秘密も多いですから、これ以上はききません、合格おめでとうございます」
この後、フルールも簡単にカルマーさんを倒して二人してB級からスタートになった。
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