第15話 フルールSIDE 夢から
「ちょっと出かけてくるね」
笑顔でセレナ様が出かけていきました。
取り残された私は…そのまま部屋を見回します。
普通の宿屋ですわね…
私に巻き付けられていた、汚いボロ布が転がっていて…
手足がちゃんとあります。
『嘘みたいですわ』
手足が生えてきて…目も再生されていますわね。
体も拷問傷は無く、綺麗ですわ。
夢だと言うなら15歳位のピチピチした状態に戻して欲しかったですわ…
「ハァハァ…只今、色々買ってきた…まずはお風呂に入ろうか?」
やっぱり、それ目当てですのね…
でも、此処までして頂いた私には拒めませんわね…
それに相手が12歳の美少年なら…まぁ役得かも知れませんわね。
私は服…まぁボロ布ですが私は脱ぎましたわ。
かなり鍛えていたつもりですが、流石にピチピチした12歳の少年には劣りますわ。
しかし…今迄廃棄奴隷でしたから腋毛も股の毛も…最悪ですわ。
せめて手入れを…
「あの…せめて1日、無理なら1時間時間を…下さい」
「駄目だよ、ほら行こう」
諦めるしかありませんわね…
「良いですわ…諦めますわ…せめて余り見ないで下さいませ」
「駄目だよ、だーめ」
ハァ…やっぱり体目当てでしたのね…しかし何故私ですの…
「…解りましたわ…その久しぶりなので優しくして下さい…ですわ」
「駄目だよフルールさん」
「仕方ないですわ…奴隷ですものね」
命も助けて貰い、体も治して貰いましたわ…この位は仕方が無いですわね。
「それじゃ、そこにまずうつ伏せになってね」
裸の女をお風呂でうつ伏せ…随分、マニアックな….
「なっ、それ、なんですの?」
何だか変な物を手に嵌めていますわ…
「これね垢すりっていうんだ…ちょっと痛いけど我慢してね」
そう言うとセレナくんは私にお湯を掛けると手袋をした手で私を擦り始めた。
「痛いですわ…我慢できますが…痛いですわ…」
拷問じゃなさそうなので我慢しない方が良いのかも知れませんわ。
そういうプレイ見たいですから…
「ちょっと我慢して…ほら」
垢を見せてきて…汚いって言いたいの。
「なっ…私を恥ずかしめる…そういうプレイですの」
「違うよ、これは美容の1つだと体中の垢を落とすんだよ…少し痛くてヒリヒリするけど…気持ち良いよ…あとでケアもするから我慢してくれると嬉しい」
「そうなのですの…」
そう言われてみれば…体中の垢を落としていますわね。
ボロボロ落ちて…私本当に汚かったのですわね。
「それじゃ、今度は仰向けになって…」
「流石に恥ずかしいですわ」
「これは美容だから気にしないで…」
「ううっ解りましたわ」
恥ずかしいですが…キラキラした目で見られて…邪気も感じられないから…我慢しか無いですわね。
「どうかな気持ち良くなってきたでしょう?」
「少しヒリヒリしますが、確かに気持ち良いですわね」
「良かった…次はどうしようかな? 髪を切ってあげる…」
「あの…」
「良いから、良いから…任せて」
器用に髪を切っていきますね…裸なのがかなり恥ずかしいですが、仕方ありませんわね…しかし私、相当汚かったのですわね…垢すりをされた後を見ると大量の垢が溜まってますわね…それを落とされるなんて…恥ずかしくて顔が真っ赤になりますわ…
しかも、相手は12歳、母子程年齢が離れていますから…それが余計に背徳感が増してきますわね…
「随分手慣れてますわね」
「偶にお父さんの手伝いで色々お母さん達にしていたから…でもまだお父さんには届かないんだ」
この子のお父さんは随分と家族思いなのですね…
「はい終わり…それじゃ今度は髪を洗ってあげるね…」
「ありがとうですわ」
シャンプーにコンディショナーまで使って…凄く香りが良いのですわ。
明らかに高級品ですわね。
「随分と良いシャンプーにコンディショナーですわね」
「これもお父さんに教わったんだ…ちょっと僕なりにアレンジしたけどね」
「随分と夫婦仲が宜しいのですね」
「うん、いつもお父さんはお母さん達とイチャイチャしていて子供の僕も困る位仲がよいんだ…僕もいつかああなれたら良いなって思っている」
「そうなの?」
「うん…それじゃ、髪を乾かしてあげるね」
「え~とどうするの? 嘘風魔法ですの…」
「そう…温風を出すの結構難しいんだよ」
これは火魔法と風魔法の応用ですわ…聖、火、風、凄い魔法の才能ですわね。
「凄いですわね、風が凄く気持ち良くて、すぐに乾いていきますわ」
「乾いたみたいだね…それじゃ…むだ毛処理しなくちゃね」
「あの…それもセレナ様がしますの?」
「当然」
「拒否権はありませんか?」
「ありません」
ううっ、良い歳した女性が子供位の年齢の子にムダ毛を切られて、剃られて…股の毛までカットされて…恥ずかしくて顔から火がでそうですわ…
その後も、私のこんな気も知らないで…体中にローションを塗られていきましたわ。
セレナ様の手が敏感な部分や女の汚い部分に触れて…どうして良いか解らなくなりますわ。
「はい、これで全部終わり…それじゃ…室内服も買ってきたから着替えてね…はい」
「あの…セレス様…これスケスケ…」
「紫で可愛いよね…良くお母さんが着ていたんだ」
この下着やベビードール…紫で…そのスケスケですわ。
結婚はまだですが、婚約者という事は…夜の営みもありますわね。
こんなおばさんを綺麗っていってくれるのですから…もう頑張るしかありませんわ。
黒薔薇の私が…良い歳したおばさんなのに緊張してしまい…折角の食事の味も解らなくなりましたわ。
とうとう、その時が来てしまいましたわ…
「それじゃ、フルールさん寝ようか?」
「…はい」
人の気も知らないでセレナ様がポンポンとベッドの隣を叩きます。
良い歳したおばさんが若い子とするのは勇気がいりますわ。
私がやっぱり上になるべきですわね。
「腕枕してあげるから、ほらおいで」
「…はい」
もう此処迄きたら、任せれば良いですわね…
私はセレナ様の横に横たわりました。
すると強く抱きしめられ…胸に顔があたる形になりましたわ。
セレナ様の心臓の音がトクントクンと聞こえてきます。
「あの…」
「今日は一晩中抱きしめて寝ますから…フルールさんは安心して休んで下さい…もう悲しい思いは僕がさせませんから…」
「もう婚約者なのですから…フルールで良いですわ、その代り嫌じゃ無ければセレナって呼んで良いかしら」
「その方が僕も嬉しい」
「それじゃ…セレナおやすみなさい」
「おやすみなさい、フルール」
私はきっとこの人に出会う為に生まれて来たのかも知れませんわ。
たった1日で…こんなにも愛おしく思えるのですもの…
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