第9話 セレス2世
「それで、セレナくんは何をしたいの? 進路相談を受けてあげる様に言われているんだけど?そうだ、お姉ちゃんと結婚して此処で暮らさない? セレナくん働かなくて良いから?」
「サヨ母さんが言っていたんだ…メルはお姉ちゃんだから結婚は出来ないんだって」
それに、メルはお姉ちゃんというより妹みたいで可愛いんだけどお嫁さんには無理だよ。
どちらかと言えば『妹』『娘』みたいで可愛いから…
「そんなの大丈夫よ!私これでも偉いんだから王様でも誰でも頼めば文句は言わないから…させないから…」
「メル…そう言えばお母さんやママから手紙預かってきた」
「えっ、手紙」
「はい、これ」
◆◆◆
メルへ
メル、近親相姦は絶対に駄目よ、もしそんな事したら物理的に殺しちゃうからね。
サヨ
確かにセレナくんは可愛いよね…だけど駄目よ!私の大切な子には自由にさせてあげたいの…手を出したら、サヨさんと遊びに行って、お話するからね
静子
セレナちゃんに手を出したりしないわよね?
ミサキ
私だって手を出さない…手を出したら殺されるよ、アドバイス(笑)
ハルカ
常識のある判断を…それしか言えないわ…死にたくないわよね?
私達は良いけどイシュタス様が物理的に全てを奪うって…絶対に気をつけて…
マリアーヌ フレイ セシリア
私の息子に手をだしたら、この世の全てから消します。
イシュタス
◆◆◆
「どうしたの?」
「ううん…何でも無い…お姉ちゃんの気の迷いだった…忘れて」
「そう?」
「うん、それでセレナくんはどうしたいの?」
「セレス父さんとゼクトお兄さんが俺達の時代は大変な時代で勉強が出来なかったから、学校に行きなさいって言うんだ…だから学校に行こうと思う」
「賢明ね…それならお姉ちゃんが好きな学校に入れてあげるわ、将来は何になりたいの?」
「それは要らないよ! ゼクトお兄さんが言っていたもん! 人を頼っちゃ駄目だって、だから冒険者登録をして自分でお金を溜めるから大丈夫だよ」
「へぇ~ゼクトがねぇ。随分真面な事言うじゃない? それじゃ王都か帝国に行って冒険者からスタートだね…お姉ちゃんが推薦状書いてあげる」
「それも駄目だって、セレス父さんが、冒険者になるならちゃんと『下積みからやりなさい』って」
「そうなんだ…それじゃ頑張るしかないね」
「うん」
「それじゃ、せめて路銀と暫くの生活費位だしてあげるわ」
「それも良いよ、大丈夫だから…本当に困った時にだけ頼るから」
「随分しっかりしているのね…他には何かやりたい事はないの?」
「う~ん! お嫁さん探し!」
「お嫁さん探し?! そうか、そう言えばセレナくんは12歳、そろそろ婚約者が居ても可笑しくないわね…好きなタイプってあるの?」
「お母さんやママみたいな人…」
「嘘…タイプって事で、同じような感じの…その若い子よね?」
「違うよ…セレス父さんが言っていたもん『女は20代半ば過ぎてから魅力がでるんだよ、包容力って言うのかな? 母さん達見ればわかるだろう』って、僕もそう思うんだ。本当は母さんやママと結婚したいと思っていたんだけど…セレス父さんのお嫁さんだから出来ないんだって、悲しくて1日中泣いちゃったんだ。そうしたらゼクトお兄さんが『下界に行けばあんなババア沢山居るから安心しろ』って教えてくれたんだ…その後皆に蹴られていたけど…だからね、お母さん達みたいな綺麗なお嫁さんを貰って連れ帰るのが僕の目標なんだ」
「へぇ~そうなんだ…頑張ってね」
「うん」
「それじゃ…今の所私は必要ないわね…馬車の停留所は解る」
「大丈夫」
「それじゃ、外まで送るよ…」
「うん」
「馬車はそこから先に…」
「大丈夫…空から行くから」
「えっ、空、空竜艇なんか贅沢…えええーーっ」
「ドラゴンウィング…じゃぁねメルーーっ」
「ちょっと待って…」
◆◆◆
行っちゃったわね…
凄く可愛くて素敵だったけど…セレス、あんた達一体どう育てたのよ!可哀そうだよ…あの年でマザコンでババコンだよ…セレス2世だよ…セレス、貴方の武勇伝は今や伝説だけど…貴方の伝説には一言これが書かれているのよ『彼の好みは年上であり、母親を早くに亡くした彼は歳上の女性をこよなく愛した…彼の妻に1人として若い子がなく、全ての妻が母子程齢の離れた者であったことがこれを証明する』って…
可哀そうに…あれはお姉ちゃんでもどうする事も出来ないわ…
手遅れね。
セレナくんは凄くカッコ良くて素敵だけど…諦めよう。
あんな怖い姑とやっていけないわ…よ。
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