第3話 プロローグ③ 最強ロリババア 誕生篇


「う~ん…」


「起きろ…」


「う~ん…」


「起きろーーっ」


「うっわぁぁぁぁぁぁーーーーっ竜! バウワー?!」


「そうだ…メル」


そう言えば、私自殺したんだ…


皆、皆は…


「皆は何処?」


「ゼクト達なら冥界に行ったぞ…」


「そう、冥界に…所でなんで私だけ、此処に居るの?」


「それがな、君だけはまだ死ねない」


「なんでよ…自殺は許さない…なんて事ないわよね? それならリダやマリアだって駄目な筈だよ!」


「余り、冥界について人間に教えないのだが…まぁセレスの義理の娘だし…少しだけ話そう…死んだ人間は『鑑定』をされその過去が全部調べられる。そして死んだあと冥界でどのように暮らせるかが決まる…まぁ面白可笑しく暮せる者も居れば…地獄の様な場所で生活させる者もいる…」


「そうなのね…初めて知ったわ」


「それでな、メル、お主を鑑定した者から、どうした物が良いか悩む映像があったのだ」


「もしかして、私、何かやったの…まさか地獄みたいな場所に送られるの…」


余り、悪いことはして無い筈よね…うん覚えはないわ。


「それは違う…ポケットの中を見なさい」


ポケット…


「大昔に、セレスから貰ったネックレス…これがどうかしたの?」


「セレスからそれを貰ったのが問題になって…鑑定官の言う事には、それには思いが込められていて『婚約』扱いになるのではないか…そう判断された…人にとって、ネックレスを贈る行為は結婚を申し込む行為らしいではないか」


◆◆◆


思い出した…


私はゼクトが凄く好きだった。


それなのに…ゼクトはリダやマリアばかりと仲良くして私とは話も差ほどしてくれなかった。


寂しくて、せつなくて…良く泣いていたわね…


このまま、一人ボッチなんだ…そう思っていたんだわ。


そうしたら、ある時セレスがくれたんだっけ…


『ネックレス…どうして?!』


顔を真っ赤にして、今でも覚えている。



『1人ボッチなんて寂しい事、言うなよ…もしメルが魔王討伐が終わった時に…1人ボッチだったら…俺が貰ってやるから…』


『セレス…』


◆◆◆


「顔を真っ赤にしている所悪いが…100歳を越えてクネクネするのは見苦しいぞ…まぁ良い…それでだ…今やセレスも神…『人としてそんなセレスのネックレスを外し、ゼクトを選んだのは最低』だと思うが…一時期『セレスと婚約状態』にあったの判断せざる負えない…不老不死はやれないが…話し合いの結果…寿命を延ばしてやる事にしたんだ…そら…見てみろ」


目の前に鏡が出てきた…映っているのは15歳の私だ…


「どういういう事?」


「寿命を800年にして…死ぬまでその姿で居られる様に魔法を掛けた…800年たって死ぬまで、その姿…嬉しいだろう」


「良いの?」


「ああっ、その代わり、これは1度きり…それは処分させて貰うからな」


「あっ、セレスのネックレスが…あっ」


私の前から…


「それじゃ…戻すとしよう」


「ありがとう…」


◆◆◆


お礼なんて言うんじゃなかったわ…


あのクソバウワーめ…


神より凄いなら、ちゃんと考えてよ…


ゼクトの覆いかぶさるように死んでいるマリアとリダ…消えてしまったルナとマリン…そして若返った私…


王子たちがパニックになっていたわよ。


◆◆◆


あいつ等…絶対、私に面倒事押し付けたわね…


『メル様はゼクト様の側室なので...コハネの王はメル様になります』


ハァ~って感じよ。


私は出来なかったけど、ゼクトの子が王子で何人かいるから…その子に…そう言ったのに駄目だったわ。


『何を言っているんですか?『1万の呪文を持ち、人類最強の1人』のメル様を差し置いて私達が継ぐなどもっての他です』って逃げていった…わ。


あはははっ、この世界は平和だからってもう四職は要らないってイシュタス様が宣言したから…私が最後の四職なのよね…


代官が居るから…丸投げよ、丸投げ…





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る