第217話 欲しい平穏は手に入れていた。
「ふぅ、ただいま~」
俺はマリアーヌ達を連れて家に帰ってきた。
今現在、街は浮かれていて大変な事になっているから、隠れる様にして…帰ってきた。
「「「「セレスくん(さん)(ちゃん)聞いて!」」」」
久々に会った静子達はやっぱり凄く可愛くて綺麗だ。
勿論、マリアーヌ達も綺麗だが…うん…
俺は根っこが庶民なんだろう…静子達の方が癒しを感じる。
「なんだか、私達に向ける眼差しと違う気がしますわ…」
「同じ妻なのに…なんだかな…」
「贔屓はよくありません」
ただ、見ていただけなのに…マリアーヌとフレイ、セシリアがふくれ出した。
「いや…俺、根っこが庶民だから…やっぱり王女様や先の聖女様だと何処か緊張して…」
「「「まぁリアル神様なのに可笑しい(ですわ)(よ)」」」
よく考えればおれの周り、この世界の偉い人ばかりなんだよな…
冥界竜バウワー様なんて最早…どう語って良いか解らないし…
「そうだね…」
「そんな事より、セレスくん…イシュタス様がセレスくんと結婚するってどう言う事なの…」
「セレス…大変な事になっているよ」
「セレスさん」
「セレスちゃん」
あの駄女神…本当にもう少しで良いから色々考えて行動して欲しいな。
だけど…俺が黄竜になった影響からか『神の威厳』をあんまり感じなくなった気がする。
普通の人間なら、不敬罪になりかねない…そこがドジで可愛い…
なんてイシュタスを思ってしまう時がある。
頭の中で『様』がすっかり外れそうになる。
まぁ、妻にするんだから問題はないよな…
「まぁ、そうなんだ…それでゼクトとも話したんだが、この際、教会式で正式に結婚式を挙げない? マリアーヌは第一王女だしこちらが式を挙げないとマリンを妻にするゼクトが式を挙げにくいから…」
「あの…セレスくん…本当に良いの? 私凄く嬉しいわ」
「セレス…この齢で、ウエディングドレスを着るなんて思わなかった…ありがとう」
「セレスちゃん…凄く嬉しい」
「セレスさん…ありがとう」
4人に一斉に抱き着かれた。
「マリアーヌ、セシリア…あれに加わらなくて良いの」
「あれに加わるのは勇気がいりますわ」
「そうね…だって彼女達はセレス様の『妻』だけじゃない、母親でもきっとあるのよ…ほらあの母性に溢れた顔…私達じゃ難しいわ」
「あの安心しきったセレス様の顔…私じゃまだ引き出せませんわ…どうやっても勝てませんわ…」
「そうだね…あはは無理だ」
三人の声が聞こえてきた。
そうか…俺が頑張れたのは皆に癒されていたからなんだな。
『平穏な暮らしが欲しい』
未だにそう思っていたけど…『平穏なら』とっくに手に入れていたじゃないか…
多少は波乱な人生かも知れないけど、静子達が俺の『平穏』なんだ。
俺の宝物…俺が一番欲しかった物。
「皆、大好き…俺にとっての宝物…同じ重さのダイヤや黄金をくれるといっても交換なんて考えられない…世界の王…いや世界全部をくれると言っても…交換なんてしない…俺のかけがえのない宝物…なんて事はない…俺は全部手に入れていた…なのに馬鹿だ…」
「セレスくん心から、ううん心だけじゃない私の全部で愛しているわ」
「セレス…あはははっ、そんなに私が好き仕方ないな…愛しているよ」
「セレスさん…身も心も貴方の物です」
「セレスちゃん心からお慕いしています」
あれっ…声にでていたのか…顔が赤くなる。
「あんな事言っているけど…良いの」
「あれは…くっ行きますわよ…」
「流石にあれを見せられるのは…くっ突撃しましょう…」
沢山の妻に囲まれて…俺は幸せだ。
『彼女達が居れば、何処に行っても俺は幸せだ』
※クライマックスは近いですが...その後も物語は続きます。
その中で、少しだけリクエスト頂いた話を盛り込む予定です。
ありがとうございました。
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