第209話 元勇者VS母親達


何だか、罠に嵌まった感じもするが、仕方ないな。


確かに俺は最後の一線は越えていない。


だが、リダやマリアを裸にして膝に乗せて胸を揉みながら酒を飲んだ記憶やメルに至っては裸で素股に近い事をやっていた記憶がある。


ある意味、最後の一線こそ越えていないが、娼婦みたいな扱いをしていた記憶が何故かある。


責任と言うなら、確実にあるな。


これも親父セクトールの血や影響なのか…女癖の悪さが招いた罰だ。


『よく、幼馴染相手にそんな事をやったな』


どう考えてもクズだ。


きっと四職で無かったら、最後の一線も簡単に越えて純潔も奪ったに違いない。


今思い出すと…他は兎も角『女癖の悪さ』此処だけは言い逃れ出来ねーよ。


しかも、そういう行為をセレスに自慢げに見せつけていたんだぜ…


どう考えても…俺、女の敵じゃねーか。


あの時、どう言う運命かルナを奴隷として買い…主となった。


ある意味兄というか父というか…まぁ、そんな物に目覚めてしまった。


もし、ルナに対して当時の俺みたいな扱いをする奴が居たら、絶対に 勇者の奥義『光の翼』で消し炭にするな…


しかも人目も気にせず、イチャついていたんだから…傷者に俺がしちゃっている様なもんじゃねーか。


『責任を取る』


当たり前じゃねーか!


◆◆◆


「うちの息子がね、皆に話があるって、サヨ、ハルカ、ミサキ悪いけど聞いてくれるかな?」


「ゼクトさんからのお話という事はメルの事なのかしら?」


「ゼクトねぇ、まぁリダの事だよね? うちのバカ娘は随分と迷惑かけちゃっているから…まぁ良いや、それでどうするの?」


「ゼクトちゃん、マリアの事よね? それでどう決着をつけるつもりなのかな? 態々あらたまるという事は何らかの責任を取る、そういう事よね?」


顔は笑顔だが…こえーよ。


マモンと対自した時やドラゴン相手にした時より怖―よ。


今迄、なんで気がつかなかったんだ…


母さんやその友達が…こんなに怖―なんて。


「はい…今回はその、責任を取って迎える事…にしました」


「という事なのよ! 許して貰えないかな?」


「そうね…まぁ良いわよ!責任をしっかりと取るなら、おばさんは何もいわないわ、うちのメルもセレスさんに目移りした時もあるから『あそこ迄しておいて逃げた』というのはうふふっ、忘れてあげるわ…氷漬にしたりしないから安心して頂戴ね」


サヨさんから黒いオーラが見える気がする…


「あ、ありがとうございます」


「あっうちは余り気にしないで良いからね!リダの仕事で迷惑かけたし…ただ人の娘の乳まで揉んだ癖に逃げ出した時は『顔を切り裂いてけじめとろうかな』なんて思ったけど?! まぁ虚ろ気なリダが悪いと気持ちの決着もついたから…うん問題ない、幸せにしてやってよ…あれ凄く横着者だけどね…」


「もう良いわ…責任取ってくれるって言うならそれで良いわ。三人にはもうゼクトちゃんしか居ないから、困っていたのよ! 世間体

から言えばゼクトちゃんとの事は、沢山の人の間で噂になっているから他の人に嫁ぐのは難しかったもの『まぁ良くも人前であんな事できたものね…すごく恥ずかしい噂が出回っているわよ』コホン、まぁそれはさて置き、うちのマリアも含んで三人はちゃんと付き合いのある男は2人しか居ない。1人はセレスちゃんでもう1人はゼクトちゃん貴方よ!スケールが凄すぎて、もう他の男の子じゃ無理なのよ…流石に母親と一緒の男性を愛するのは業が深すぎるし、正直助かったわ…今迄の事は水に流してあげるわ…マリアを宜しくね」


「はい、必ず幸せにします」


「「「宜しく(ね)(頼むわね)」」」


挨拶は母さん達だけで良いよな。


親父たちはもう、若い嫁さんを世話して貰って、別の人生を歩んでいるんだから手紙で良いだろう。


最悪、殴られる位は覚悟していたから、3人に話さずに来たんだが。


無事終わって良かった。


後は…マリンとルナだな…


胃がキリキリ痛む…改めて思ったよ。


セレス…お前はすげーよ。


よくぞ…この4人を娶ったものだ。


『おばさん』は置いておいてもな手がさっきから汗だらけだ。


「ゼクト…今なにか変なこと考えなかったかしら?うふふふっ変な顔したわね」


「ゼクト、なに考えていたのかな? おねーさんに言ってごらん怒らないからね」


絶対、ハルカさん、怒るだろう。


「ゼクトさん…なに考えたのかな?」


「ゼクトちゃん…なにかな」


「な、何でもないよ…」


俺はそれだけ伝えると、生きた心地がしない、この部屋からゆっくり逃げ出した。



※コミカライズ1話に少し話を寄せました。

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