第193話 シャロンと寵愛② ギャンブルデート


ロイヤル コハネ フォーシーズン ハワイアン プラチナホテルは高級なだけあって、勿論カジノもあった。


「いらっしゃいませ、セレス様、これからお遊びになられますか?」


「遊ばせて貰おうと思って」


「そうですか? ですが今は貸し切り状態ですので…お相手するのはこのカジノの従業員という事になりますが、宜しいでしょうか?」


「それは何か不味い事なのでしょうか?」


「ある程度、手加減しますし、調整しますが、全員がプロギャンブラーという事ですから…本当の意味でのギャンブルじゃないという事です」


確かに今現在、この施設は貸し切り。


そう考えたら…お客が居る訳は無いか。


相手がプロだから…よく考えたら、俺は黄竜だった!


運を味方につけているから、幾ら相手が『プロ』でも負けるわけが無い。


そして、シャロンも良く考えたらプロのディーラーだ。


『不味いじゃん』


相手が絶対に負ける。


「そうだな、俺はやめておくよ、シャロンがやっているのを俺は見て置く事にする」


「その方が良いと思います。お嬢さんそれでは何をなさいますか?」


「そうですね…それじゃまずはルーレットでもしましょうか?」


「ルーレットですか? 畏まりました…ご用意します」


「一応、言って置くけど、手加減無しでやった方が良いですよ」


「いえ、今回の仕事は接待みたいな物です。楽しませるのも仕事ですから」


「警告はしたからね…」


「はいはい、解りました」


◆◆◆


「赤の3ですね」


「しかし、シャロン凄いな…もう3連続じゃないか」


「これでも、名前の知れた美人ディーラーでしたから…相手の目と腕、スナップ、タイミングで、幾らでも解りますよ」


「そんな…馬鹿な」


そりぁ慌てるよな。


1点掛けだから36倍。


シャロンは金貨10枚からスタートしてコールしている。


1回目で360枚


2回目で12960枚


そして3回目で466560枚(466億円)


「私、セレス様以外とギャンブルして負けた事無いんですよね!これでも『スティールバンパイア』って異名を取るディーラーだったんですよ」


『奪うバンパイア』って凄い字(あざな)だ。


確かにこれなら、その字も頷ける。


俺は『幸運を身に付けている』だけだがシャロンは自分を磨き此処までになった。


俺の周りの女性は凄い人ばかりだ。


「そんな『スティールバンパイア』なんて不敗のギャンブラーじゃ無いですか…そんな…」


「此処は天井が無いんですよね? さぁ次です」


次にシャロンが勝ったら…金貨16796160枚(1兆6千万円)終わりだ。


「此処は遊びという事にしませんか? 幾らなんでも悲惨すぎます。シャロンもそれで良いよな?」


「私は別に構いませんが、ギャンブラーとしての誇りやカジノの誇りはどうなのでしょうか? どうしますか? 遊びにしますか?」


「遊びにはしません…ですが、流石に『スティールバンパイア』を相手では絶対に勝てません…ですから、次の相手はセレス様をご指名させて頂きます。如何ですか?」


「いや、それなら遊びで終わりにするか、此処で降りて清算で良い。シャロンもそれで良いよな?」


「はい、構いませんよ」


今日は普通にギャンブルデートをする予定だった。


少し、ギャンブルをしてお酒を飲んで...マリアーヌ達が起きてきたら普通に食事、そんな一日が…なんで鉄火場みたいなギャンブルになるんだよ。


「セレス様、逃げるのですか?」


俺、黄竜だよ…最近は祭られて居るのに…この人達は知らないのか?


「解ったよ…だけど俺は『黄竜のセレス』負け知らずなんだけど」


「存じません」


どうしようかな?


ヤバいな。


このままじゃ…また勝ってシャロンの時と同じになってしまう。


「そうか…そこ迄言うなら、受けてやるが…俺が勝ったら全員、裸になって貰うからな…裸の付き合いをして貰うから覚悟しろよ」


「そんな…」


「嘘、もし負けたら私達…嫌」


気にしたら負けだ。


「大丈夫だ勝てば良いんだ」


ディーラーは玉を放り投げた。


「0で」


◆◆◆


「裸の付き合いとは…こういう事でしたか?」


今、大浴場に沢山の男女が居る。


シャロンは恥ずかしがって入って来ないで、外で一杯やっている。


ディーラーの男は俺の背中を流し…まぁスタイルの良い女性はお風呂に浸かっていたり、体を洗っている。


なかには恥ずかしさから胸を隠している女性も居るが1兆円以上のお金がチャラなんだから我慢して貰うしかないな。


此処はロイヤル コハネ フォーシーズン ハワイアン プラチナホテルの大浴場。


『混浴』なのに、俺達以外が誰も居ないのが寂しかった。


だから、沢山の人が入っている光景が見たかったから…これで良い。


「さてと、今度は俺が流しますから、終わったらフルーツ牛乳を付き合って下さい」


「ええ、お供します」


こういうのも…楽しくて悪くないな。



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