第192話 シャロンと寵愛①
しかし、コハネに居ると此処が異世界だとは思えない。
転移者でなく転生者だから余計にそう思うのかも知れないが、前世の記憶は『此処で生きていた』だけで別世界ではないのか。
そう思えてしまう。
そう思える程に此処は前世の日本によく似ている。
尤もタワマンや車、携帯が無いから…違うと解るけどな。
あの後、俺はセシリアの言う『奉仕』をしっかりと受けた。
元聖女がそういう事をする事じたいが凄い。
清純な綺麗な女性が、あんな事やそんな事をしてくるのがエロい。
しかも、自分から腰を振り動けなくなると回復魔法を掛けて復活して行為を続ける。
普通の男なら恐らく失神するレベルの『奉仕』
下手したら腹上死、するかも知れない。
だが、俺は黄竜、ほぼ無限に相手出来る。
その結果…幸せそうにセシリアは崩れ落ちた。
満足して幸せそうに寝ているので…そのままお姫様抱っこでベッドへ運んだ。
他の二人はまだ疲れからか眠っていたから、毛布をかけなおして、その場を後にした。
◆◆◆
俺は1人でオープンテラスでお茶を飲んでいた。
風が凄く心地よい。
久々に1人になった気がする。
うん、うん、このコーヒーも凄く美味しい。
「セレス様」
久しぶりの1人は…
「セレス様、少しお話をさせて貰って良いですか?」
「別に良いけど?」
もう1人の時間は終わってしまった。
他の使用人やメイドは余り話し掛けて来ないが…1人普通に話してくる相手が居る。
「ありがとうございます、セレス様」
シャロンだ。
「それでどうかした? 何か困った事とかあるの?」
「特に問題は無いのですが…その私はどうすれば良いのでしょうか?」
話を聞けば、シャロンは『ほぼマリアーヌと過ごしているのだが』毎日殆ど遊んで居るだけなのだ、そうだ。
「成程…だけど、それが仕事みたいな物だから、それで良いんじゃないか?」
今現在、世界は魔王とも和解して平和。
昔と違い、程度の違いは有れど、平和を享受して楽しく生活している。
シャロンは一応は俺の奴隷だが…実質マリアーヌの侍女みたいな者だから、マリアーヌが楽しませるのも仕事だ。
マリアーヌが楽しんで居るなら『一緒に遊ぶ』のは全然問題は無い。
「ですが…本当に申し訳なく感じるのです」
「シャロンが遊んで居る事でマリアーヌは楽しめているのだから、それだけで充分なんだけど…気が引けるなら、これからはセシリアとフレイと遊んでくれれば良いよ」
此処に来てから思った事がある。
それはマリアーヌ達はやっぱり静子達とは違う。
彼女達はかなり『不自由な毎日』を送っている。
そう思えてならない。
当たり前と言えば当たり前だ、王女に教会の重鎮なのだから…
権力があるから、こんな大きな設備を貸し切りにすら出来る。
だが、それは『そうしないとバカンスも出来ない』その裏返しでもある。
世の中は平和で、彼女達が危ない思いをすることは無い。
まして、俺の傍にいるなら、どんな物からでも守る自信がある。
それでもきっと立場が、本物の自由を許さない。
『大変だ』
本当にそう思うな。
虫食いだが、前世で
『平凡な人生は歩めない』
そんな話の漫画を読んだ事がある気がするが、正にそれだ。
俺も、なんだかんだあって、かなり傍若無人だが…本当の意味での『自由は無い』そんな気がする。
生まれながらの貴人である彼女達は、それ以上に不自由な生活を送っていたんだろう。
「それで良いなら良いのですが…」
「シャロンは元はカジノのディーラーだろう? 少し違うが、ある意味お客を楽しませる存在じゃないか? その楽しませる相手がお客から王女達に変わった…そう思えば良いんじゃないか? 少なくとも俺が見た感じ、マリアーヌが楽しんで居るようだから、それで良いと思うよ」
「そうですね…セレス様が、そう言って下さるなら、うん…解りました」
どうやら、これで悩みは解決したようだ。
良かった。
「悩みが解決した、みたいで良かった」
「それでですね…実は、もう一つ悩みがあるんですが、此方も聞いて頂けますか?」
「別に構わないけど?」
「ご主人様は結構性欲がある方なのに『寵愛』が頂けないんですが、どうすれば良いんでしょうか?」
え~と。
「そのご主人様って言うのは?」
「はい、セレス様です」
「やっぱり…」
「やっぱりじゃ無いですよ。私これでもセレス様の奴隷なんですよ?だから、セレス様しか私は抱けない存在なんです…少しで良いですから相手して下さい…お願いしますから…」
そうだよな。
確かに奴隷だから、そう言う事もあるな。
「解った。そういう事ならこの旅が終わったら解放するし、退職金も出すから安心して…」
「だ~か~ら!そう言う意味じゃありません! 私は『奴隷』になる事でセレス様の物になる覚悟を決めてきました。少し変わって居るかも知れませんが…好きだからこういう行動をとったんですよ!『解放』なんて望んでいません…だから、その女としての『寵愛』を下さい…お願いします」
シャロンは俺の妻じゃない。
さてどうしようかな?
「そうだ...寵愛もそうだけど、久々にギャンブルしてみない?」
「ギャンブルデートですか? 良いですね…ありがとうございます」
寵愛ってあればかりじゃ無いよな。
デートだって…寵愛だよな。
シャロンはマリアーヌ達以上に、良く知らないから。
まずはこの辺りからで良いよな。
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