第189話 リゾート⑤ サウナ
「全員、違った魅力があって、比べられないよ」
「セレス様ですから仕方ないですわね」
「これ以上時間を掛けても無理そうですね」
「まぁセレス様じゃ仕方ないか」
どうにか、彼女達の魅力を伝え続けて『比べられない』を強調して話して切り抜けた。
「ごめん…」
「まぁ仕方ないのですわ。誰かを選ぶセレス様の姿は見たくないから、これで良かったのかも知れませんわね」
「そう言えばそうですね。誰かを選ばれる姿は見たくはありませんからこれで良かったのですね」
「確かにそうだ。誰か1人を選ばれたら、気まずかったよな、聞いた私らが悪かった。謝るよ」
危機は去った。
良かった。
しかし…
「さっきから私達を見てどうかしたのですか?」
「あらっ、目が泳いで可愛いですね」
「もう、そう言う事もした仲だから、別に気にならないだろう?」
三人は貸し切りのせいで気にしないのか、裸のままだ。
マリアーヌとフレイは元から隠す気が無いのか堂々としている。
マリアーヌが堂々とした大物女優みたいに颯爽と裸を見せながら堂々としている感じに見えた。フレイは少し男っぽいと言えば良いのか同じく一切隠さず堂々としている様に見える。
セシリアは一応タオルを使って前側を隠しているが、その分後ろから見ると豊満なお尻や綺麗な背中が見えるので、これはこれでセクシーだ。
此処暫くで、解った事がある。
マリアーヌ達は王族として育ったから『常識が違う』
これが静子達であっても、幼馴染のリダ達であっても実生活から男の前で裸になるのは恥ずかしい。
そう考える。
これはそう言う風に育つ環境で育ったからだ。
だが、マリアーヌやフレイは王族だから『それは恥ずかしい』と知識はあっても経験していないから、それは頭にあるだけで…本当の意味で恥ずかしいとは思って無いのかも知れない。
セシリアもその殆どを教会の中で過ごしたから、二人に近い物があるのかも知れない。
『天真爛漫なお嬢様』だからこそ、恥ずかしいと言う考えが根本的に無いのかも知れない。
しかし、このスパ…広くて本当に凄い、俺達は今、歩行浴を楽しんでいる。
簡単に言えば歩く温泉だ。
少し温泉の影響でじんわりと汗をかいている三人は何とも言えない色っぽさがある。
「セレス様、あれはなんですの?」
マリアーヌが指をさした先には、懐かしいな、サウナがあった。
「あれはサウナだな」
「はじめて見ました」
「サウナってなんだ」
俺は三人にサウナについて話した。
「汗をかく様な施設なのですわね」
「体が温まるのですか…珍しいですね」
「なんだか気持ちよさそうだ」
確かにサウナは気持ち良いな。
前世では良く仲間と入ったな。
「昔、誰が一番長く入れるか競争したな…懐かしい」
「長く入っていられるかの競争ですか? 良いですわね」
「ええっ素晴らしいですね。これなら競争ができますね」
「汗をかく事なら私は得意だ…負けないな」
「それじゃ、誰が一番長く入っていられるか競争しようか?」
俺は黄竜だからこの勝負は絶対に負けない。
なにしろマグマに浸かっても大丈夫な体だからな。
「良いですわね。ですが折角だから何か賭けませんか?」
「それでマリアーヌは何を賭けるというんですか?」
「なにを賭けるんだ? 欲しい物は特にないけどな」
王族や聖女で教会の重鎮…欲しい物は殆ど持っているよな。
「それなら、今夜の夜伽を賭けるのは如何ですか? 私はセレス様を独占したいのですわ」
「そうですね、その位じゃないと面白くないですね」
「その話、乗った」
「賭けをするのは良いけど、俺が勝った場合はどうするんだ」
普通に考えて、俺抜きで勝負。
そうなるだろうな。
「それならセレス様が勝った場合は、今日の夜伽の相手を自由に指名して良い…それで如何ですか?」
「それが良いと思います」
「それで決まりだね」
いや…それじゃ、さっきの続きと同じじゃないか。
結局俺が選んだ相手が『1番好きな相手』という事になる。
どうするか…
「いや、そうじゃ無くてもし俺が勝ったら1人じゃ無くて3人全員に夜伽の相手をして貰う。それでどうだ?」
「それって、偶に静子様達としている、あれですわね」
「師匠が顔を真っ赤にしていた、あれですね」
「それはそれで…まぁ良いんじゃないのかな」
顔を真っ赤にしている。
この様子じゃ多分静子たちから夜の話も聞いているのかも知れない。
「それじゃ決まりだ」
4人一緒にサウナへと入っていった。
◆◆◆
「凄く熱いですわね…なかなか堪えますわ」
「思った以上に熱いですね、これはなかなかです」
「私は大丈夫だぜ! 大した事ないな」
まさか、こんな外国人の容姿を持った美女とサウナに入るとは思わなかったな。
前世の俺が見たら『リア充死ね』そう言いそうだ。
汗がコロコロと流れだし、下には水溜まりが出来ている。
汗だくで熱さに耐えている美女は、凄く綺麗でエロい。
しかも熱さで微妙にいつもより行儀が悪く足が開いている。
フレイは兎も角マリアーヌもセシリアもこんな姿を俺には見せない。
その姿を見られただけでも、凄く得した気分だ。
「流石にもう我慢できません!」
一番最初に音を上げたのは意外にもセシリアだった。
「ふふふっ、案外元聖女様もだらしがないのですわね。フレイも、もう限界なんじゃない?」
「私はまだまだ余裕だよ! マリアーヌの方がその汗、無理しているんじゃないか?」
二人とも本当に汗だくで滝の様に汗が流れ落ちている。
これは、凄くセクシーでエロい。
「もう駄目ですわ…これ以上は体が持ちませんわ」
そう言いながらマリアーヌはサウナから出て行った。
「これで私とセレス様の一騎打ちだな」
「そうだね」
大人気ないが黄竜である俺が負ける筈が無い。
夜の相手を1人に絞れないから負ける訳には行かない。
「どれだけ、我慢強いの…もう無理」
当たり前だが…俺の勝利だ。
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