第169話 変わらない



「しかしセレスくんは凄いわね」


結局、あの後そのまま4人でセレスくんを押し倒して行為に及んだのよ。


結婚しているから良いんだけど…他の人が見たら良いおばさんが、若い男の子を襲っている様にしか見えないわよね。


凄い絵面だわ…


セレスくんは満足したように寝ている。


セレスくんは全ての母親の理想なのかも知れない。


男の子を持つ母親なら誰でも一度は言われてみたい言葉があるわ。


『ママ大好き! 僕大きくなったらママと結婚したい!』


まぁうちのゼクトはそんな可愛らしい事は言ってくれなかったけどね…


恐らくだけど、多くの母親は一度は『息子』との結婚を夢見るのかも知れない。


だってこれは仕方ないと思うのよ。


だって普通の『息子』は旦那の若い頃にソックリだし、旦那と相思相愛であれば『若い旦那』の姿で『好き』『愛している』なんて言われたらもう…可愛くて目に入れても痛くない位可愛がるのは当たり前よ。


まぁ、ゼクトは、そんな甘い事を言うような子じゃなく、直ぐに女の子を追い回すような男の子に育っちゃったのよね。


その分の穴を埋めたのが、よく考えたら『セレスくん』だったのよね…


うふふふっ、凄い話だわ。


『母親なら誰しも夢見る理想の息子』


『お母さん愛している』


『ママ大好き』


そう言ってくれる…本当に可愛い子。


それが大人になっても、そのままで愛し続けてくれるんだから…凄い話よね。


「静子~どうかしたの?」


「ハルカ…貴方も起きてきたのね」


本当に凄い子よ…セレスくんは皆が満足するまで、し続けるんだもん。


気がついたら快感で気を失うように寝ちゃっていたわ。


しかも、しっかり布団を掛けてくれていて…優しい。


「うん…まぁね…セレスは本当に激しく求めてくるし…凄いんだけどさぁ…ほら、多分何処かで私達の事気遣ってくれているんだと思う…あはははっ、なんだか終わったら色々とスッキリしちゃった」


ハルカったら本当にスッキリした顔をしているわね。


「こんなに愛されると女として、凄く自信が沸いてくるわね…まるで若い頃、恋に恋していた時代に戻されて『女』に戻っていく気がするわ」


「そうね、私の場合は『お姉さん』替わりでもあったから…カズマと一緒に弟としても見ていたから…ちょっと複雑だわ。まさか、こんないい男に成長するなんて思わなかったわ」


「セレスさんは昔から良い男だったわよ?」


「「サヨっ」」


「うふふっ、だってそうじゃない? あんなに沢山プレゼントくれる子なんて居たかな? 娘のメルより沢山のプレゼントを貰ったわ? 本当に可愛かったなぁ~ 『花を摘んできて愛しています』って、思わず感動して涙が出ちゃいそうだったわ」


「へぇ~サヨにもそう言う事があったんだ」


「とういう事は静子にも?」


「うふふっ、私の時は綺麗な石だったのよ…ほらこれがそうよ」


「なんだかズルいわ…お花と違って石ならずっと持っていられる…私も石が良かったわ、あれ、なんでハルカは不満そうな顔しているのかな?」


「あはははっ、ほら私はカズマと一緒の時が多かったから、割と早く『姉さん』って呼ばれる様になっちゃったから…そのイベントは無い!」


「それは仕方ないんじゃない? あの頃ハルカは何時もカズマくんと一緒にいたんだから」


「そうね…仕方ないわ…ハルカは空気が読めないもの、二人で居るのを何時も悲しそうに見ているセレスさんに気がついてなかったんだから」


「嘘…サヨ、そうだったの?」


「本当に鈍感だよね」


「そうね、確かに、セレスくんの悲しそうな顔に気がつかない位鈍感だったわ…」


「サヨ…静子…私、やっちゃってたんだ」


「あら…皆、もう起きていたのね?」


「「「ミサキーっ」」」


「私も言えないけど? 皆凄い格好ね」


「良いんじゃない? どうせ貸し切りなんだから」


「そう? だけど、良い歳したおばさんが、そんな姿で居るなんて、セレスちゃんに引かれるわよ!」


「あらっ!ミサキはセレスくんの事解ってないわよ、うふふっセレスくんなら、きっと可愛らしく真っ赤な顔になるわよ!」


「私は静子に一票、セレスだもん、うんうん顔を真っ赤にしながら、きっと喜ぶと思うな」


「あのさぁ、確かにそうかも知れないけど、慎みは持った方が良いと思うよ! セレスさんは喜ぶと思うけど、凄くはしたないと思う」


「そういうサヨも前がはだけていて凄い格好じゃない?」


「まだ、体が火照っているのよ…熱さましよ。ミサキだって帯していないし、胸が丸見えよ、人の事言えないんじゃないの?」


「まぁ…皆お互い様って事で良いんじゃない?」


「「「そうね」」」


「それで何? セレスちゃんの話?」


「そうよ…懐かしいわよね」


「そうそう、本当に小さい頃からセレスは私が好きすぎだわ」


「ハルカ…私達だからね!それにセレスさんが好きなのを知っていたのなら、よくカズマさんとイチャついていられたわね」


「だって、あの頃は所詮子供…そう思っていたんだから仕方ないじゃない?」


「まぁそうよね…普通はそう考えるわよね…だけどセレスくんは、まさに理想の男性だと思わない?」


「「「?」」」


「だってそうじゃない? 理想の息子みたいな状態から、そのまま思い続けてくれて…本当に結婚までしたのよ? ある意味母親やママにとっての理想の恋愛だと思わない?」


「静子…なんだかそう言われると、背徳感が沸いてくるわ」


「ハルカ…セレスさんは『実の子』じゃないから、問題無いわ」


「サヨ…自分の子供と同い年で、その友達と結婚した…充分凄いと思うわよ」


「ミサキ…それはもう考えるのは止めよう」


普通に考えたら凄い事よね。


セレスくんが私達を好きなんだから仕方ない話だわ。


だけど、セレスくんには『母親の理想の愛が全部詰まっているわね』


「あれ、皆、どうしたの? うわ….」


「あれっ、セレスくん驚いてどうしたの? かな?」


「セレスー-っ顔が真っ赤だよ?」


「セレスさん、見たければ夫婦なんだから好きなだけ見て良いんですよ?」


「セレスちゃん、顔真っ赤にしすぎよ…さっき迄していたのに…」


「だって皆綺麗だから…」


「「「「そう?」」」」


セレスくんは、本当にいつまでたっても初々しくて可愛いわ。











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