第156話 バカンスへ①



取り敢えず危機は去った。


ふぅ~これで一安心だな。


コハネの事は暫く代官のコルダに全て任せておこう。


代官としては優秀なんだから、これで大丈夫なはずだ。


コハネと言えば別荘地でバカンスが盛んだ。


まだ、俺達はそれを楽しんでいない。


これから楽しんでも罰は当たらないよな。


海だー-っ! 海にいきたい。


コハネには綺麗な海がある。


折角、綺麗な嫁に囲まれているのだから、まずは海水浴だ。


海水浴に行けば、セクシーな水着が見られる。


そう思って俺は思い切って海に誘ってみた。


「「「「「「「「「良い(です)ね、皆で(お)出か(ける)なんて、楽しみ(です)(ですわ)」」」」」」」」」


今から、楽しみだな。


「それじゃ明日にでも早速行こう」


「「「「「「「「「はい(うん)」」」」」」」」」


◆◆◆


海について俺はすっかり誤解していた事に気がついた。


「釣りだぁぁぁー-っ! 海の大物が僕を待っているよ!セレスも来る?」


「私とリダはねぇ、折角だから食べ歩きに行こうと思うの? ママからも休みだから自由にして良いよって言うから」


「そうする事にしたのよ? 良かったらセレスも来る? 大王マグロを堪能するつもりなんだけど?」


可笑しいな?


なんで海水浴の話が出ないんだ?


幼馴染三人は若いし、普通にビーチとかに行くと思ったんだけどな。


海といえば、海水浴だよな?



「セレスくんは態々、食べ歩きなんてしないわよね?」


「そうだよ! セレスがとったのは高級ホテルで温泉付きだし、6人で話し合ってだらだらしようって決めたのよ、シャロンも今回はお仕事なしにして7人でまったり過ごそう、セレスもそれで良いわよね!」


「静子さんに姉さん、海には行かないの?」


「そうね、セレスくんと夕方から夜にかけて散歩に行くのも楽しみね」


「そうね、うん夕涼みも良いね」


「セレスさんと散歩も久しぶりね、もう少し早い時間の夕焼けも捨てがたいわ」


「セレスちゃんは夕涼みや散歩が楽しみなのね、うふふふっそうかぁ」


「王族だからこういうお出かけ初めてだから凄く楽しみですわ」


「帝国は海どころか湖もなく川しかないから楽しみ…海って大きな魚が居るんだよな、うんうん楽しみだ!」


「私もご相伴させて頂きますね」


あれ、可笑しいな?


海水浴…水泳? そんな話は何処からも出ない。


「セレスくん、コハネは大王マグロだけじゃないわ! なんと、あの幻の高足しタラバクラブもとれるの…それを魚にまったりと地酒を楽しみましょう」


「そうそう、セレス、タラバクラブの予約や船盛も頼んであるから、安心して」


「何もしないで一日中、お酒を飲んでお刺身やごちそうを食べてダラダラした生活、楽しそうねセレスさん」


「セレスちゃん、そこの宿屋は温泉もあるわよ! 温泉に浸かってゆっくりしましょう…お酒を楽しみながら、まったりゆっくりと、本当に楽しみね」


「あの海水浴…」


「あっ、セレスは泳ぎたかったんだ、良いよ僕で良いなら付き合うよ!競争でもする?」


「私は肌が白いのが自慢だから日焼けしたくないからパス」


「私も体動かすのは好きじゃないからごめん」


幼馴染で更に言うと家臣なのに、付き合ってくれるのはリダだけか。


だけど、それは良い。


本当に見たいのは彼女達じゃない。


「あの…セレスくん、私も泳ぐのはパス、もう良い歳だし日差しが強いと、色々とね、あるのよ」


「セレスー-っ!流石に私達の齢を考えなさいよ!あのもう(ごにょっ齢)なんだから」


静子さんやサヨさん、ミサキさんが言うのなら解らなくないけどさぁ…姉さんは何時もホットパンツにおへそが出るようなシャツを着ているじゃん。


あれは水着と代わらないと思うな。


「セレスさん…流石にこの齢で泳ぐのは…ごめんなさい、恥ずかしいわ」


「さすがにセレスちゃんの頼みでも、ごめんなさいね」


「皆、凄くスタイルが良いし、水着姿を見たかったのに残念だよ」


「セレスくん?!うふふふっ…そうね、だけど流石に恥ずかしいわね、ハルカどうしようか?」


「セレスはそんなに私の水着姿が見たいの?それじゃ仕方ないわね、はぁ~本当に仕方ないわね、サヨにミサキ、どうしようかな?」


「セレスさんが見たいなら、うふふ、そうね何か考えてあげましょう」


「そうね、そうしましょうか?」


「あの皆さん…私とフレイは元王族なので流石に人前で肌を晒すのは不味いですわ」


「マリアーヌ、元王族なんだから問題ないと思うよ? 水着位見たいなら別に良いよ」


「えっお母さん、その齢で水着なんて着るの?普段から若作りしているのに痛いよ? セレスも冗談が…痛いっ!」


「リダ…どの口が言っているのかな? 私はまだまだ若いわよ?」


「リダちゃん、口は災いの元よ? リダちゃん…冗談よね?」


「そうそう、リダさんの只の冗談よ?そうよねハルカも静子も大人なんだから大人気ない」


「冗談よねリダちゃん?だけどこういう冗談は良くないと思わない?マリアちゃんにメルちゃんー-っ」


「「良くないと思う(います)」」


「ちょっと誰か助けて…僕が悪かったから」


まだまだ、充分若いし綺麗なのに…


だけど、怒らせると怖いな。


凄く優しくて本当に綺麗で可愛いい。


ハァ~ビキニにワンピース…見れないのかな。


「仕方ないわ、セレスくんがそこまで見たいなら、後で水着を買ってきてお風呂で着てあげるわ、それ位なら良いわよね」


「まぁ、今回は宿屋は貸し切りだし、セレスが見たいっていうなら、仕方ないな、皆で水着を買いに行こう」


「そうね、持ってきていないから、買いにいこうかしら…皆もそれなら良いよね、マリアーヌが幾ら王族でももう旦那様なんだから、セレスさんになら問題は無いんじゃない?」


「そうですね、流石に旦那様になら問題はありませんわ、見たいなら仕方がありませんわね」


「まぁ、良いか、そんなに見たいなら良いよ」


「「「「「「「「「「それじゃ買ってくる(わ)(ね)(きますね)」」」」」」」」」」


別に泳ぎたい訳じゃ無いから水着姿が見られるならそれで良いや。







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