第152話 話し合い
「スカルキング、だったら『この国の外側』に墓を作り住む事を許そう! その代わり、この国の人間に手を出さず、夜の間この国を守ってくれ!」
「偉大なる盟主にして我が神よ! 不死王の名において夜の守護者を引き受けよう…では!」
ふぅ、これで良い。
よく考えたら『何もしないで』夜の間外敵から守って貰えるなら何も問題ない。
多少不気味なのは我慢して貰うしかないが、これで夜の安全は確実だ。
本来は『夜のスカルキングに戦いを挑んではいけない』それが一般論だ。
恐らく歴代の勇者は『昼間』にスカルキングに戦いを挑んでいる。
だが良いのか?
俺は人なのに『四天王』を従えて。
まぁ良いや。
「頼んだぞ! 不死の王スカルキングよ!」
「はっ! 仰せのままに!」
スカルキングはその仲間と一緒に出ていった。
問題はこれで1つ片付いた。
問題なのはマモン軍団の残党だ。
スカルキングたちは人間とほぼ接触しないで暮らせる。
少し詐欺みたいで申し訳ないが『国の門の外』問題ない。
夜門の外を歩くと怖い。
それだけだ。
問題はこっちだ。
旧マモン軍団は、生物だ、スカルキングとは違う。
本当の所は解らないが、普通の人間の様に食事をして、家が必要な気がする。
「ゾルバ、お前達は一体どうしたい?」
「どうしたいとは今更です! スカルキング様と死の軍団を部下にしたのですから、同じように部下として仕えたいのです!」
「スカルキング達は良いんだよ! 家も要らないし、食べ物も要らない…ただ住まわせてあげるだけで良いんだぞ、しかも国の外だ! だがお前達は違うだろう?」
「確かに体は強靭だが、食料も寝る場所も必要です」
そこが問題なんだ。
旧マモン軍団を抱えるなら、彼らは人と共存しないとならない。
普通に街に入り、人間と一緒に生活をする事。
それが出来るかどうかだ。
「ゾルバ、此処は人間の国なんだ、其処に加わるという事は『人と同じ』に生活する事になる。人の法律を守っての生活だ!そこには『強いから何でも許される』その考えはない。理不尽に暴力を振るえば、その報いを受けなければならない!そんな世界でお前達は生きられるのか? 場合によっては弱い存在にすら跪く事もありえる、その生活に耐えられるのか?」
「それは、セレス様がそう命令するのであれば従います! ただ、我々も恐らくは、人間の社会で生活するのは難しいと思います。そこでスカルキング様のお話から考えたのですが、この国コハネの横に我々の国を作ります。勿論、隣国としてコハネと揉める様な事はしません、これはこれからのお話ですが、スカルキング様とお話しをし同じ魔族同士で一緒の国にするのも視野に入れて考えます」
「それで?」
「はい、我々が作った国の王にセレス様になって頂き、コハネと我々の作った国2国をおさめて貰うというのはどうでしょうか?」
「確かに一番実用性は高いと思うが、果たして出来るのかな?」
「人数も居ますし、技術を持った者も多く居ますから、資金や物資を分けて頂ければ充分できます! 我々は戦うのが好きなだけで、他に何も出来ない訳じゃありません! ちゃんとした職を持つ者も多いです」
「そうか、問題はないが、これは大きな話だ、少し考えさせてくれ、この結論が出るまでの滞在は許可しよう」
「是非ご検討下さい」
まずはこの件について家族と相談しないとな。
流石に俺一人じゃ決められない。
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