第150話 更にどうして良いか解らない。
俺がゾルバを中心に旧マモン軍団と話をしていると兵士が駆け込んできた。
「大変です、セレス様別の方向から、大量の死霊やらゾンビが近づいてきています」
話が長引き今は夜だ。
不味いな、夜の死霊は恐ろしい。
俺が行くしかないな。
「悪い、ゾルバ少し待って貰ってよいか?」
「死霊の軍団ですか? 相手は『スカルキング』ですね、我々が先陣をきりましょう」
押しかけてきたばかりのマモン軍団に戦って貰う訳にはいかないな。
まだ受け入れも済んでないんだ。
仕方が無い。
また俺がどうにかするしかないのか…
また皆に怒られるのか、嫌だな。
だが、死霊は不味い。
誰も俺の知っている存在に犠牲を出したくない。
「ゾルバたちは何もしないで大丈夫だ! 解った、俺が対処する」
俺は怒られるのを覚悟で、死霊の攻めてきた方向に向かった。
◆◆◆
大地を埋め尽くす程の死霊、これは骨が折れるな。
俺が空から大地に降りて死霊と向き合った。
どれ程の数なんだ…後ろが見えない。
死霊か?
話が通じない、俺の体は固いから相手にならないが、これ程の数、最悪突破される可能性もある。
死霊に襲われ殺されたら死霊になる。
普通の人間にとっては強敵だ。
これはもう、ドラゴンブレスで焼き尽くすしかないな。
「ドラゴンー――ッ」
俺が竜化し始めた時に大きな鎧を着た偉そうな感じのスケルトンが俺の前に姿を現した。
「待って下さい! 我の名はスカルキング『不死の王 スカルキング』魔族四天王が1人…でございます」
四天王の1人が攻めてきたのか!
「その四天王の1人がコハネに何をしに来たのだ!」
「正確には四天王ではございません…元四天王でございます! 偉大なる我が神よ…」
我が神?
此奴は一体何を言っているんだ。
「神?俺が?」
「とぼける必要はございません! 冥界竜バウワー様の眷属である以上貴方様は竜の神に連なる一族でありましょう、死に関わりのある我らにとってはバウワー様こそが神であり、魔王と違い真に心から仕える存在なのです」
確かに冥界を支配しているのはバウワー様だ。
話は可笑しくない。
「確かにそうだが、俺は冥界竜ではないよ」
「バウワー様は冥界から動きません。貴方様の正体は偉大なる竜公の筈です…それでなければ首だけになり死んだ貴方様が、冥界から帰ってきた理由が解りません。竜公様だからこそ、一瞬で蘇られたのではないですか?」
此処迄知られてしまっては嘘はつけないな。
「俺の竜公としての名前は黄竜、冥界竜バウワー様に連なる者だ」
「ああっやはり、そのお姿、竜公様でしたか?このスカルキング誠心誠意未来永劫仕えさせて頂きます」
「いや、人手は要らないから」
「我らは冥界竜バウワー様を神と称える存在! 神に連なる者が顕現されているのです…それは酷でございます、我らは食事も何も要りませぬ、この地に眠る事を許可して頂ければ他は望みません、代わりにこの国の夜の守護をお約束しましょう」
夜の間は死霊が守ってくれるのか?
悪くない話だ。
「解った、考えて見るから…暫く待っていてくれ」
これで下手したら魔王の手下の半分が此処に来ている。
魔王は大丈夫なのか?
まさか魔王や魔族の心配をする事になるとは夢にも思っていなかったな。
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