第96話 コハネへ



結局マリアもメルも俺の家臣になってしまったので、もう王都に居る意味が無くなった。


此処からどうするか?


魔族とも停戦しているから戦う事も無い。


カズマの店も繁盛しているようだし…此処も随分狭くなった。


今住んでいる場所から引っ越ししても良い頃だ。


そこでどうするか?


貰ったコハネの領地に行くか?


それともジムナ村に帰るか…相談してみるか?


「此処も手狭になってきたし、王都に居る意味もなさそうだから、コハネかジムナ村に行こうと思うんだがどうしたい?」


「セレスくん、ジムナ村には小さい家1つしか無いから、遊びで寄って、そこからコハネに向かうのはどうかな?」


「セレス、コハネは観光地だから凄く楽しそう…静子に賛成」


「そうね、私は元々は出不精だから皆に任せるわ」


「そうねセレスちゃんに任せるわ」


「私はそうですわね、セレス様の故郷も見たいですし、コハネは良い場所ですから、それで構いませんわ」


「私も同じです」


「私もそれで良いよ」


「それじゃ、ジムナ村に寄ってからコハネに向かおう、リダやマリア、メルも良いか?」


「僕もそれで良いよ」


「私もそれで構いませんわ」


「セレス様に任せるよ」


「お任せします、セレス様」


この辺りはしっかりしないといけない。


相談をして決めるのは妻達…リダ、マリア、メルは家臣。


そして、シャロンは奴隷で侍女だから、決まってからの相談。


そこはしっかり線引きしないとならない。



『ドラゴンウィング』で飛んでいけばすぐだが…そう言う訳にもいかない。


◆◆◆


結局、家はカズマに家具ごとあげた。


この人数では手狭でも、二人にはかなり広い。


多分、王都には来ない可能性があるから最後に支援としてあげて良いだろう。


「セレス、お前は本当に…良い奴だ…本当に最後まで世話になったな、ハルカの事も頼んだよ」


「カズマさんの事は任せて下さいね」


「それじゃ…また来ます、カズマ兄さん」


さよならじゃなく…『また来ます』それで良いだろう。


俺一人なら『ドラゴンウィング』で簡単に飛んでこれる。



◆◆◆


馬車を用意して旅立つ予定だったが…俺は竜公だった。


王都から少し離れた所まで来た所で…俺は空に向けて軽く吠えた。


「セレスくん…これは」


「まぁまぁ見てて…」


俺の声を聞いて、空から空竜が舞い降りた。


「セレスくん、空竜、伏せて」


「セレス…逃げないと」


「大丈夫だよ…皆良い子だから」


「「「「「「「「「「「えっ」」」」」」」」」」」


「背中に乗せてくれるって」


空竜の4体の背中に全員が乗ると空竜は飛び立った。


「まずはジムナ村だな…」


こうして俺達は空竜に乗りながら王都から旅立った。




王都編はこれで終わりです。


2~3日休んで、今度はコハネ編を書き始める予定です。


これからも宜しくお願い致します。











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