第37話 馬車にて
静子たちに明日は皆と出かける旨を伝えた
「セレスくん、一体どこに出掛けるの?」
「セレス、何処か出かけるなら、私も行きたい」
「セレスさん、街に行くなら私も駄目かしら?」
「セレスちゃん、私も行きたい」
「明日は、皆も一緒だから、多分嫌な思いしかしないと思うから…実は、以前から考えて復讐なんだけど、俺なりに考えてみたんだ、全部終わったら、しっかり報告するから…任せて欲しい」
「そう言うことなら仕方がないわね」
「セレスが納得する方法で蹴りつけるなら良いけど…手ぬるかったら文句は言うわよ」
「そうねセレスさん、優しいから心配だわね」
「セレスちゃん、まぁ頑張ってね…優しくなんてする必要はないからね」
本当に大丈夫だろうか?
手ぬるいとか怒られないだろうか?
あんな一瞬でセクトールが髪の毛が真っ白になったんだ。
生易しい事じゃ無理だろうな….
◆◆◆
約束の時間になりジムナ村長の家に向かった。
余程待ち遠しかったのか、全員が揃っていた。
凄いな…時間にルーズなシュートまで居るなんてな。
この人は最低でも30分は遅れてくるのに…
凄いな…性欲なのか、まだ見ぬ愛への憧れなのかまぁ良いや。
「馬車ですか?」
「ああっ、帰りには嫁も一緒なんじゃから必要じゃろう?」
「そうじゃろう」
「この位はこちらが用意しなきゃ恰好が付かん」
村長張り切っているな、この大型馬車は何処から借りてきたんだ。
かなり豪華な馬車だ。
この村だけの中で言うなら、村長は王様で、相談役は貴族みたいな物だ。
王様に公爵に侯爵が居るような物なので、何時もは何かとやかましい4人も静かにしている。
カズマですら、余り喋らない。
俺は御者席に座ろうとしたが…
「お前ら、何をしているんじゃ、今日のお金はセレスが払うんじゃ、それなのに御者までさせるんか?」
「儂がやります」
流石のカイトも、村長と相談役2人の前じゃ…こんなもんだ。
「そう言えば、儂らの嫁はどんな人を用意してくれたんじゃ、まぁこの齢じゃから…流石に文句は言わんが、気立ての良い人だと良いな」
「なぁに気立てが良ければ文句は言わん」
「そうじゃな…この歳じゃから、器量が悪くても文句はいわんよ」
3人とも、もう性欲が無い。
だからこそ…あの子達と相性が良さそうだ。
「大丈夫ですよ、村長達にお似合いの人達ですよ…それで今回のお話なのですが、奴隷と言って置いてなんですが『奴隷紋』は刻まない方針で考えているのですが如何でしょうか?」
「何故じゃ…まぁ儂らはそんな物どうでも良いが…」
「奴隷を買うというより、皆に嫁さんを世話した…まぁ俺の気分の問題です、ああっ、ちゃんと、所有権の書類は貰えます」
「なら構わんよ…なぁ」
「そうじゃ、嫁じゃな」
「それで構わんよ」
村長達にも見栄があるのだろう、出来ないのに『嫁』だ。
しかし、本当に4人は何も話さないな…
「カズマ兄さんや他の人達にもちゃんとした人を用意しているから、まぁ今の話の通り、お見合い気分で楽しみにしていてよ」
「セレス、どんな人なんだ?」
「セレス、儂にはどんなタイプ」
「僕は、大体聞いたから…まぁ楽しみだよ」
「俺は、鉱山からも救って貰ったから…若けりゃよいさ」
「皆には、お似合いの女性を用意したから、安心して、お見合い風にする予定だから、もし気に入らなかったらチェンジも考えるから気楽に考えてね」
「「「「楽しみだ」」」」
気がつくと馬車は街にたどり着いていた。
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