名前呼び
学校に到着。
隣の席である聖も同じクラスへ。
俺の隣をトコトコついてくる。
若干、鬱陶しさも感じるけれど、昨晩のスパチャを聞いてしまうと――さすがに雑な対応もできない。聖は、リアルはアレな性格だけど、それでも立派なリスナーさんなのだ。
俺の
「聖、分かったけど、ソロモンのことは内密に」
「うん、もちろんだよ」
「なんだか素直だな」
「うん、だってバラしてもメリットないもん。わたしが情報を漏らしてソロモンの活動が止まっちゃったら嫌だし」
「そうか。それならいい。俺としても永遠に続けていきたいと思っているから」
「もちろんだよ、応援してる」
席につく聖。
俺も席へ。
ホームルームから退屈な授業が始まっていく。俺の脳内は、ソロモンのことでいっぱいだった。今晩もなにをしようかな。
――そうして時間な流れ、昼休み。
「ねえ、桜庭さん」
「なんだ聖」
「柚菜って呼んでいい?」
「別にいいけど……俺は変えないぞ」
「え~、万穂って呼んでいいのに」
絶対イヤダ。
これだけは譲らない。
「で、なんか用」
「うん、柚菜は好きな食べ物とかあるの~?」
「なんだ、俺の情報収集か」
「そんなつもりはないよ。普通に聞いてるだけ」
嘘だ。
聖のことだから、俺のプロフィールを徹底的に調べ上げているに違いない。コイツ、ストーカーだし!
「逆に聞くけど、聖はお嬢様なのか」
「この前も言ったけど親とかお爺ちゃんがお金持ちなの。でも、お金よりも柚菜の方が欲しい。柚菜の全部が欲しい」
ニコニコ笑う聖は、顔を近づけてくる。うわ、俺、狙われてる……。
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