第4話【チャイム?】
我に帰った僕達の方にエルダーは来て、
「明人は酷いですわ。」
「恋人の私[わたくし]に放置プレイをするなんて・・・そんなのありませんわ♪」
「!?」
明人の腕に抱きつき甘えた口調でエルダーは悪戯ぽい顔で言うと、僕を含めた近くにいた海と浩輔も驚きの顔をした。
「この泥棒猫が!」
「久美、待ちなさい!」
「止めないでよ!」
「ダメよ!」
正気に戻り釘バットを持ち、久美を慌てて止めに留美は止めに入った。
「昨日の夜に言ってじゃない。今日は明人君、いつもと違う姿を見せるじゃ無かったの?」
「は!そうだった・・・」
思い出したように久美はショックを受け釘バットを落した。
「ま、待ってよ!僕達はそんな関係じゃ・・・」
「いいえ、誰がどう見ても恋人ですわ♪」
「そうです・・・・皆様もそうですわね?」
「!?」
直ぐに僕は否定したが、エルダーは明人に顔を近くに持って来て、周りに訴えかけように言いかけて、既に先程の出来事で近くに誰も居なく校舎の方の逃げた生徒達の数名と目が合い睨むように聞いた。
「お、おう・・」
「そ、そうだな。」
「お似合いだよな?」
「お、俺もそう思うが?」
「わ・・たし達が傍から見ても・・ねえ?」
「そ、そうね・・・あははは」
先程の事で怖さを感じた生徒達は冷や汗を流の者や顔を怯える者が、全員がぎこちなく目が泳いで答え、周りの様子にお構いなくエルダーは満足して明人の方に向きなした。
「ほら♪」
「これは、違うと思うけど・・」
「全然、正真正銘の恋愛よ♪」
「本当かな?」
「本当に大丈夫よ♪」
「さっきの明人からの告白は嬉しかったわ♪」
「そんな事は言ってないよ!」
にっこりとエルダーは微笑み、僕は不信感があった気がして、頬を赤らめてエルダーが僕は否定した。
「よし!」
「・・・クラスは、ここだ!」
「早く急ぎましょう。」
そんなやり取りをしてる内に生徒達は校舎の前に張り出されたクラスのわけの紙を見て、直ぐに逃げるように下駄箱へ向かって、この場に残ったのは僕達だけなった。
そのままエルダーは明人の腕を抱いたまま歩き出そうとして、
「おい・・明人?」
「海君?」
「どうしたの?」
横で黙ってた海が声をかけてきて、僕とエルダーは振り返った。
「いつから、付き合ってんだ!」
「俺も興味があるなー!」
「モテない男の連盟の仲間としてわな!」
「そこは詳しく聞きたいな?」
明人を見て海は真剣な顔でと鼻を立って浩輔は腕を組んでいた。
いつそんな連盟に加入してないはずの僕はすぐに、
「そもそも、僕は付き合って無いよ!」
「俺達に見せつけか!」
「そうだ!そうだ!」
「説明しろ!」
怒って言われても困るが、僕は経緯を説明したが、
「白々しい噓をつくな!」
「そうだ!」
やっぱり信じてもらえなかった。
「明人から告白したと言ったぞ!」
「そこところは詳しく教えろ!」
「愛い子にどうやって告白したんだ!」
しかも真実は逆だが、エルダーの言葉に2人は耳を傾けていた。
なんか説明が面倒な気が僕はした。
明人から両手を放して顔を赤らめて、
「いや~だ♪」
「正直にこの世で可愛くて美人でお姉さんみたいだなんて♪」
「そこまでいってないでしょう!名に加えてるのよ!」
勝手にエルダーは付け加え、久美は近くに来て否定した。
「洗濯板には私[わたくし]のセンスがないのですね。」
「ふん、アンタはまな板だけどね。」
少しムッとした顔でエルダーは手の甲を口に当てて、久美もわざと聞こえるように言った。
と、そこに、
「どっちも同じ残念な魅力が乏しいぺったこ星人だしイギャ!」
上半身だけ起き上がりやれやれとポーズで真一郎が言いかけて、すかさず久美は釘バットを投げて、バットのグリップの部分が腹に当たり奇怪な悲鳴と共に倒れた。
「まったく失礼よね。」
「本当に。」
エルダーと久美は疲れた顔になった。
「まさか、貴女と意見が合うとはね。」
「そうね。あのバカはほっといて行こうか?」
「同意よ。」
顔を見合わせて歩き出して、寛治は真一郎に合掌して少し皆よりも離れて居たので小走りして、留美は軽く息を吐いて明人達の方に向かった。
「おや、まだ正門に居たのかい?」
「え?」
「あ?」
「ん?」
「まだ、ここに居るのか?」
「どうしたの?」
「えっと、誰ですか?」
そこに眼鏡をかけた灰色の髪の身長の高いにっこりとした美形の男子生徒が来て、明人、海、浩輔は不思議な顔になって、近くに久美と留美と寛治が寄ってきて僕は聞いた。
「ああ、僕はこの学校の2年で時野正輝[ときのまさき]、生徒会の人間だよ。ところで君達の名前を教えてよ。」
「え?」
ポケットから紙と赤ペンを取り出して時野は名前を聞いて、僕は不思議だったが、向こうは名前を名乗ってるので、僕達は順番に名前を言うと時野は赤ペンで何かを書き始めて、言い終わると何かを書いて紙を僕に渡して、周りも覗いた。
「これは・・・」
それはクラス分けの紙だった、僕達の名前の所に赤点が付いてた。
「それを見て教室に向かわないと、初日から遅刻になるよ。」
「まだ、チャイムがなって無いから大丈夫しょ?」
「そうそう。」
真顔で海は言うと、浩輔は笑顔で頷き、僕と寛治と留美は慌てて腕時計を見て8時55分だった。教室に9時まで入るようにと入学時に送られたプリントに書いてあった。
僕と留美と寛治は焦った顔で、
「え!」
「ヤバい」
「まずいわよ!」
「え?」
「今日はチャイムが鳴らないから急いだほうがいいよ。」
「えー!」
「チャイム?」
サラッと僕達は衝撃的な事実を知り驚きの顔なって、エルダーだけは不思議な顔だった。
異世界に行く 前日編 YUKI @46067
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