第14話 パーティー構成
サバイバル訓練を開始するため、生徒たちは車で輸送された。
零護に土地勘は無いが距離から察するに関東圏のどこかだろう。
生徒たちはどこかの波止場に立っており、本来堤防のある位置は、巨大なジャングル島が浮いている。
どうやら海面がフィールド化し、陸地が現れたようだった。
女教師にサバイバル訓練の趣旨を説明され、フィールド化解除の内容もレクチャーされた。
趣旨や解除方法は前もって行きわたっていた情報通り、他者との連携強化、及びボスの討伐だった。
各自はフィールド内でレベル上げを行いながら、スキルとステータスを強化し、24時間以内にボス討伐を目的にして行動するとのことらしい。
各生徒がパーティーを組み、零護は相変わらず茉森との二人パーティーだった。
今回の服装は学園が用意した制服を着用している。
上下紺のブレザーを基調としており、男子はズボン、女子は短パンの課外活動用の制服である。
「他のパーティーは最大8人とかで組んでるね」
「そうだな」
茉森が周囲を見渡しながら確認すると、どのパーティーも盾役2名、攻撃役2名、支援役2名、回復役2名の合計8人パーティーを目安に構成されているようだった。
その中でも零護たちに次いで、高レベル者で構成されて、ひときわ目立っているのが、あの必滅の魔女がいるパーティーだった。
そのパーティーのリーダーが、零護と茉森の視線に気が付き、どかどかとメンバーを引き連れてやってきた。
「おう、お前が例のレベル12チームか」
この学園のクラスは特に年齢は関係ない。
大まかに今年入学した生徒がランダムで組ごとに配置される。
だからこのがっちりとした体型の20代前半の男性がいてもおかしなことはない。
「ああ、よろしく頼む」
零護は手を差しだして握手を求めるが、クラスメイトはその手を取らなかった。
「随分と余裕だな。どんなトリックを使ってレベルを上げたか知らんが、固有武装も手に入れられない奴が余裕ぶってんじゃねーぞ」
「気に障ったならすまない」
相手の挑発を気にすることもなく零護は差し出した手を戻す。
「今回の優秀者は最速でフィールド化の最前線へ出れるからな。その分、フィールドで手に入る貴重なアイテムにすぐありつけるってわけだ」
「らしいな」
フィールド化された中には宝箱が設置されている場合があり、フィールド内で使用できるもの以外に、レアアイテムとして現実世界にも作用する貴重なアイテムも存在するらしい。
どうやらこの男はトレジャーハンタ―のプレイヤーになりたいようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます