第十二話 プレゼント交換
河井さんから告白の返事を貰って僕は舞い上がっていた。まさか河井さんが僕のことを好きだなんて思ってもいなかった。
「そうだ!忘れるところだった」
僕は持ってきたバックの中に入っているプレゼントを取り出した。
「これクリスマスプレゼント、河井さんに似合いそうだったから」
クリスマス用にラッピングされた箱を渡した。
「実は私も佐藤くんにこれ……」
河井さんもラッピングされた袋を取り出して僕にくれた。
「え?!これって……」
僕が驚いていると河井さんは言葉を続けた。
「佐藤くんへのクリスマスプレゼント」
と言った。まさかプレゼントを用意してくれてるとは思わなかったから凄い嬉しかった。
「これ開けてもいい?」
僕は河井さんに聞いた。
「うん!私もこれ開けていい?」
河井さんも僕からのプレゼントを見て言った。
僕はもちろんと言って河井さんからもらった袋を開けた。中にはマフラーが入っていた。
「マフラーだ。これ……河井さんが選んでくれたんだよね。すっごく嬉しい」
僕は感極まって泣きそうになっていた。
河井さんの方を見ると僕があげたネックレスを見て目を輝かせていた。
「これかわいい!つけてみてもいい?」
「うん!いいよ!」
僕がそう返すと早速河井さんは首につけようとした。でもつけなれてないからなかなか位置が合わない。
「河井さん、僕がつけてあげるよ」
僕はそう言って河井さんの後ろに行き、ネックレスをつけた。
「ありがとう」
河井さんはそう言って首に下げられたネックレスを軽く手で持った。
「ふふっ、嬉しいな。じゃあ今度は私の番。それ貸して」
そう言って僕が手に持っているマフラーを指さした。
僕はマフラーを河井さんに差し出すとちょっとしゃがんでと言われた。河井さんの言うとおりにしてしゃがむ。
すると河井さんが僕にマフラーを巻いてくれた。
「おかえし」
無邪気に笑う河井さんの顔が今までで一番近くにある。
世界中で今この瞬間一番幸せなのは僕だろうと感じるほど幸せだ。
この笑顔を守り続けよう。僕はそう誓った。
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