第六話 告白の覚悟

「いよいよ明日、僕は河井さんに告白するんだ」


僕は自分の部屋で呟いた。


「はぁ〜緊張する〜。まずは予約したレストランに行って、その後駅前のクリスマスツリーに続く道のイルミネーションを見ながら歩いて……」


僕は明日の段取りを忘れないように携帯にメモした。


「それでクリスマスツリーの前でプレゼントを渡しながら告白する……」


河井さんの顔を浮かべたら何だか恥ずかしくなり、顔を伏せた。


「うまくいくかな……?」


横に置いてあるプレゼントを見る。不安な気持ちが胸を締め付ける。


だけど引くわけにはいかない。この気持ちを河井さんに伝える。それが今、僕がやるべきことだから……


僕は明日に備えて万全の準備をしてベットに入った。


「ソワソワしちゃって寝れない……」


明日のことを考えるとグルグルと同じようなことを考えてしまい寝ようとしても逆に目が冴えてしまう。


「こういうときはたしか羊を数えると寝れるんだったような……よし、羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹……」


何匹までいったかわからない頃、僕は夢の世界に入っていった。


「ごめんなさい!佐藤くんとはそういう関係になれないの……だから友だちのままで……」


「はっ!」


僕は目を覚ました。


「なんであんな夢を見るかな。よりによって告白するって決意した日に……」


最悪の気分で朝を迎えた僕は気持ちを切り替えようと、いつもと同じように朝ごはんを食べて少し念入りに髪の毛を整えた。


忘れ物は無いか何度も何度も確認し、家を出る前にもう一度髪を整え柏尾駅に向かう電車に乗った。


「ふぅ……あれは夢だ。大丈夫、自分を信じろ」


僕は小さく呟いた。集合時間の30分前に着くように家を出たから遅れることはない。


覚悟を決めて電車を降りる。


「え?!」


電車を降りたら隣の車両から河井さんも降りてきた。河井さんの顔を見た瞬間、抱えていた不安が全部吹き飛んだ。

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