第17話 訓練

「さあ!お腹もいっぱいになったから、君たちの訓練を始める!」

彼らは先ほどミニドラゴンを討った場所に近い位置に戻って行った。

「まずサトネは私に剣術訓練を受けることになる。 その間、アポロンは魔法トレーニングをする予定だ」

ルナはフジヒロとサトネに訓練の予定を知らせた。

「わかった」

フジヒロとサトネが同時に答えた。

「アポロンに魔法の基本的なことを教えてあげる」



フジヒロとルナはもう少し移動した。

「まず今日訓練するのは防御魔法だ」

ルナはフジヒロに魔法の基本的な基礎知識を教えた。

「魔法はまず一般魔法、召喚魔法、精霊魔法、血魔法、黒魔法、元素魔法、治癒魔法、精神魔法に分けることができる。

そして今日する魔法は元素魔法を合成した防御魔法だ。

元素魔法の場合は、 精霊魔法の改良型だと思えばいいんだ。

今の人間は精霊魔法を使えないから、 代替魔法で作られたんだ。

元素魔法は、火属性、風属性、水属性、土属性、光属性、闇属性に分かれていて、今日はあなたが望む属性を選んでするんだ。

それでアポロンは何をしたい?」

フジヒロはじっくり悩んだ末、決定を下した。

「サトネは火炎抵抗があるので火属性をする」

フジヒロの言葉を聞いて、ルナはしばらくためらった。



「うーん、火属性はいいけど防御魔法の場合には前が見えないという短所がある」

ルナが火属性の短所を言うと、フジヒロはまた考え込んだ。

「じゃあ、風属性でやるよ」

「わかった。じゃあ、今日は風属性でやろう」

ルナは、フジヒロの属性決定が終わると、追加の話をした。

「魔法には等級が分けられているが、今日は初級防御魔法をする。

初級防御魔法は簡単だ。

防御デペントがコマンドで、ここに元素属性を合成させることができる。

お前は風属性をするから防御風デペントゥスがコマンドに該当する」



防御風デペントゥス

魔法コマンドを知ると、フジヒロはすぐに実行に移した。

「最初にしてはかなりよくできている。

しかし、私の個人的な推薦としては、一般系魔法である防御デペントから完璧にしてから元素属性を合成したほうがいいと思う」

「うん、 わかった。 それではそのように訓練するよ」

ルナの助言を受け入れ、フジヒロは魔法の訓練に入った。

「それじゃ、私はサトネのところに行ってみるよ」



「ルナさん、来ましたか」

自分に近づくルナに声をかけた。

「うん。サトネちゃんも訓練始めよう。 木刀を持ってきたよね?」

「うん、さっきご飯を食べ終わった後、ギルドから借りてきた」

「それでは説明からする。

まず勇者は勇者術という剣術を使うことができるよ。

この剣術は、いくら剣聖だとしても使えないくらい難しい剣術だよ。

でも、お前は勇者だから、訓練を続ければいつかは余裕で使えるはずだ。

それでは勇者術のための礎石を築かなければならないので、人間たちが使う基本的な剣術について教えてあげる」

ルナはサトネに近づいて、剣をとった。

「今日まず学ぶべきことは、最初の剣流として知られているカトリル流だ。

カトリル流は歴史性が深いだけに、専門的な検査を準備する人は無条件に学ぶ剣術でもある。

しかし、少し難しいという点があるが、勇者の身である君には簡単にできるはずだ。

カトリル流は5つの型を持っている。

今日は壱ノ型を完璧に熟知することにしよう」



ルナも木刀を取り、身構えた。

そして、速いスピードで木刀を振り回した。

「これが壱ノ型:『なびく刃』だ」

サトネに風を感じさせるほどの剣術だった。

「あれ?今、風が感じたんだけど?」

「そうだよ。 風が起こるくらい速く振り回さなければならない」

予想を超えた異常な剣術にサトネは戸惑った。

「いくらなんでもこれは無理だ」

あまりに当惑して手に持っていた木刀まで落とした。

「早く木刀を拾って姿勢を整えてみて」



ルナの言葉に、なんとか自分のやるべきことを思い知ったサトネは、落ちた木刀をくれた。

「一応一度はやってみる」

サトネはできるだけさっきルナの姿勢を再現してみた。

「いいよ。ここから もうちょっと たかく」

ルナは、サトネの姿勢を見て直すべき点を教えた。

「もう少し。

ちょうどいい。今止めればいい。

そしてひとまず力いっぱい振り回してみろ」

「力の限り? わかった」

サトネは腕に自分が与えられる最大限の力を入れた。

「壱ノ型:『なびく刃』」

サトネの刃傷ともに、ものすごい風がサトネの前に吹き出し、はるか遠くの木まで飛んで行った。

「あんなに遠くまで? 元々こうなの?」

一度成功したサトネは興奮してルナを見つめた。

「いや、これくらいにはできる検査はない。 僕が言ったじゃん。

勇士の体を持った君は今とてつもない力を持っている。 そしてもっとかっこいいのが もう出てくる」

「何が?」

ルナの言葉にまた前を見ると、木まで飛んでいった刃傷が木を一気に切り倒した。

「見たか?この剣術の威力は凄まじい。

だから、うまく調節するのが重要だ。

多分君には大変だろうけど、ずっと練習すればうまく調節できるようになると思う」



「それでは軽く100回練習スタート!」

「え?100回も?」

とんでもない量の訓練だと思ったサトネが不満を持って言った。

「これからはこれよりもっとやらなければならない。

早くスタート!」

「チッ、わかった」

サトネは頬を膨らませて練習に突入した。



サトネとフジヒロの練習が終わったときにはもう日が暮れていた。

「おなかがすいてこれ以上は無理だ」

お腹がすいたサトネは、船を取りながらルナへ来た。

「まあ、時間も遅いし、きょうはここまでやるか」

「本当?じゃあ肉を食べに行こう!」

吉報にサトネが大きな笑顔で言った。

「わかった。肉を食べよう!」

「わあ!」

フジヒロもサトネとルナのところへ来て、彼らはご飯を食べに行った。



このように彼らの訓練はさらに1週間続いた。

その結果、フジヒロは中級防御魔法まで習得することに成功した。

そしてサトネはカトリル流をある程度習得することに成功した。

「じゃ、冒険再開だ!」

1週間前に比べてはるかに成長した彼らの前に新しい冒険が始まった。

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