第18話 商人護衛任務

「ふむ、どんなクエストがいいかな」

朝起きたルナは、再び始まる冒険の中で、どのクエストがいいかを調べていた。

「まあ、適度なのがいいんじゃない?

まだお金も余裕があるし」

洗ってきたサトネが隣でクエストリストを見るルナに言った。

「じゃあ、一つ見ておいたものが あるんだけど。

これはどう?」

ルナはサトネにクエストリストを見せた。

「商人護衛任務…

簡単でいいと思う。 これにしよう」

「それでは決定だね」

ルナはクエストを受諾した。



商人護衛任務とは商人の物資調達をする際、盗賊のような危険要素から守る任務を言う。

スタート時に商人ギルドに集まって出発し、物資を調達してもらう場所まで一緒に移動して護衛をし、その後物資が安全に調達されれば補償金が支給される。

しかし、盗賊には頻繁に出くわすことができるため、任務の難易度そのものは少しある方だ。

もちろん、フジヒロ一行の場合は、勇者と神がいるので非常に簡単な任務だ。



準備が整うと、彼らは商人のギルドに向かった。

「何?Fランク?」

商人ギルドで彼らを待っていた商人は彼らのランクを見てびっくりしながら言った。

「これ本当に安全なの?」

商人は不安の色を見せながら話した。

「それでも他のチームも来るから大丈夫じゃない?

聞くところによると、Aランクも受諾したそうだが」

隣にいた別の商人が言った。

「それならいいだろう。

お前たちは荷物でも運べ」



彼らは低いランクによる差別に不満があったが,仕方なく我慢した。

彼らが荷物を運んでいるとき、パッと見渡しても高そうな装備を持ったパーティーが見えた。

「お、来たのか」

商人が彼らを大変嬉しく迎えた。

「今日急にFランクたちが来て心配したけど、君の顔が見れて嬉しい」

商人は笑いながら話した。

「お帰りの際は、安全に保護させていただきます」

Aランク冒険家は礼儀正しく商人にあいさつした

「そんなに礼儀をわきまえる必要はない。

もうすぐ出発するから、君はあそこに座ってしばらく休んでいなさい」



Aランクのパーティーは、木の下に行って座った。

彼らが休んでいる間、フジヒロ一行は一生懸命荷物を運んでいた。

「あまりにも露骨に差別しすぎじゃないか」

ルナは不満を言ってぶうぶう言った。

「お前、今さっき何と言ったか」

その声を聞いた商人がルナのところに来て言った。

「なぜ差別するのかと述べた。 なんで?不満があるの?」

ルナは不満をぶちまけた。

「Fランクの主題に受け止めてくれることでも満足しなければならない。

君たちはいても荷物になるだけだ。

お前たちのテーマを知ってから話して!」

商人は怒ってルナに言った。

「駄目だ。 お前たちとは契約取り消しだ。

こうやって弱くて抜けたものが、 受け取ってくれることに満足しないと。

身の程を越えている」



商人が怒っている最中に突然彼の肩に手が上がった。

「やめてください」

首を回す商人の後ろには、Aランクの冒険家がいた。

Aランクの姿に商人を一応陳情した。

「まあ、君がそう言うなら分かるよ」

商人は不満そうな顔をしたが、Aランク冒険家のために我慢した。

「お前は気をつけろ。 今度まともにできなければこの業界でこれ以上働けないことを知れ」

商人はルナを脅して他の商人のところに帰った。

「ありがとうございます」

サトネがAランク冒険家に行って言った。

「たいしたことではありません。

同じ冒険家同士で助け合わなければなりません」

Aランクは礼儀正しくサトネに話した。

「私はFランクのサトネといい、あそこにいる方は私のパーティー員です」

「ああ、私はAランクのクリスと申します」

サトネとAランクの冒険家クリスは握手を交わした。

「よろしくお願いします」



クリスとあいさつを交わした後、サトネはルナのところに行った。

「ルナさん!」

サトネが怒った顔をしてルナを叱った。

「わかった。 次からは気をつけるよ。

人間のくせに線を超えたら少し怒っただけだ」

「本当に次からは気をつけてください」

サトネがルナを叱っていると、商人が近づいてきた。

「荷物は全部移した?」

「はい、いったんすべて運びました」

「もうすぐ出発するから準備して」

商人はまた、自分が言いたいことだけ言って、行ってしまった。



彼らはラシオンを出発して商業都市クリボーに向かう。

商業都市に向かうだけに周辺には多くの盗賊が存在し、特に大規模な盗賊団であるカリオが存在した。

カリオは強大な実力を持つ盗賊団で、現在まで多くの被害をもたらした。

ギルドと王家ではカリオを阻止するために多くの試みをしたが、失敗に終わった。

それで現在はカリオがよく出現する位置から迂回した道を行く人が多い。

しかし最近、カリオも従来の出現位置から様変わりし、危険度がさらに上がった。



「それでは私たちは今日から3日間の経路を通って商業都市クリボーに向かう」

Aランクのパーティーが先頭でスタートし、フジヒロパーティーは中ぐらいの位置にあった。

彼らは遠くても最も安全なルートで行くことに決めた。

受け取るものが高価なものだったため、時間よりは安全を最優先に考えて出た結果だった。

一日目には難なく速い行進を進めた。

安全な道を選択しただけに、ハリアント平原を横切ったからもっと速く行くことができた。

そして彼らはハリアント平原でキャンプをした。



「ハリアント平原は安全だから、チームを組んで2時間ずつ回りながらやろう」

長年の経歴を持つAランクのクリスが計画を立てて彼らに知らせた。

フジヒロとサトネは同じチームで最後のチームだった。

「それじゃ、とりあえず一休みしようか」

フジヒロはサトネとともに早く眠りについた。

時間がどれほど経ったか分からない時、誰かがフジヒロを揺さぶり、フジヒロは目を覚ました。

「起きろ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る