第15話 クエスト
ギルドから出てきた彼らはまず何も食べていないので残ったお金で食堂に入った。
注文して出てきた料理を食べながら、彼らはさっき見たクエストについて再び話をした。
「サトネちゃん、できる?」
「うーん、正直よくわからない。 いくら私がもう勇者だとしても、私は一度も訓練も受けたことがないし、それにドラゴンだなんて、どうやって勝つんだよ」
「ミニドラゴンは言葉だけドラゴンで、とても弱い。 そのまま火を噴き出すトカゲくらい?
農作物の被害をよく与えることで有名な動物だよ」
心配するサトネを慰めるようにルナが言った。
「でも、さっき10金貨って言ったけど、どれくらいの価値なの?」
貨幣の体系をまだ理解し切れていないサトネが尋ねた。
「私は周りの物価を見るときは、100000円くらいだと思う」
周辺の物価で貨幣の価値を大まかにとらえたフジヒロがサトネに告げてくれた。
「そんなにたくさんくれるの?」
「だからやろうっていうんだよ」
思ったより大きな金額でサトネも考え込むようになった。
「わかった。やるよ」
じっくり考えていたサトネが決断を下しながら言った。
「じゃあ、誰かが持っていく前に受諾を押そう」
ルナは速やかにライセンスカードからクエストを受諾した。
クエストを受諾すると彼らに詳細な位置情報が提供された。
「うーん、思ったより近くにあるね」
位置を見てルナが言った。
「早く食べて、すぐに行ってやってしまおう」
彼らは空腹を満たし、素早く食堂から出てきた。
食堂から出てきた彼らは村の中心から離れて討伐の場所に向かった。
「ふむ、どこに隠れているんだろう」
ルナはあたりを探索して話した。
「ミニドラゴンの大きさは大体どのくらいなの?」
ミニドラゴンについてよく知らないフジヒロがルナに聞いてみた。
「大きさは大体これくらい?」
ルナは手でおおよその大きさを見せてくれた。
「大体1メートルぐらいだろう」
思ったより小さいのでなかなか見つからないだろうという予感がした。
野原を漁っていた最中に、床で揺れが感じられた。
すぐに鳥が飛んでいく姿も見られた。
何かおかしいことが起きているということは、フジヒロを含むルナとサトネも知ることができた。
そして、木々の間にある巨大な生命体の姿が見えた。
「まさか···」
「まさかのようだね」
彼らの前にミニドラゴンが現れた。
ミニドラゴンは、昔竜族に属していたが、現在は絶滅した緑竜族の子孫として知られている生命体である。
竜族の子孫らしく、威力は現在の竜族に比べてかなり弱いが、緑竜族としての名声は守っている。
しかし、ミニドラゴンは長生きできないという特徴を持っている。
ミニドラゴンは羽が退化したため、寒い冬になると暖かいところに行くことができず、結局寒さを耐えることができずに死ぬことになる。
そのため、およそ寿命は1年とされる生命体である。
そのため、大きく成長することができず、50センチ生まれ、大きく成長すれば、2メートルまで伸びることができる。
しかし、今彼らの前に立っているのはミニドラゴンだが、1年以上生きたミニドラゴンだった。
たまに寒い冬に耐えるドラゴンが存在するが、まさにそれが今彼らの前に立っているドラゴンだった。
長く生きた分だけドラゴンはさらに成長し、今彼らの前にあるドラゴンは5メートルの大きさの超大型生命体だった。
「こんなに大きいとは予想できなかったが」
ミニドラゴンを見たルナが、あわてて言った。
作戦を立てる時間を与えず、ミニドラゴンはまさに
ルナはギルドから借りた盾で
「どうしよう。 サトネちゃん、すぐに攻撃して。 勇者の肌は火炎抵抗だ」
幸いにも火炎抵抗になる勇者の皮膚のおかげで、ある程度の勝利の可能性があった。
サトネは飛び上がって刀を振り回した。
しかし、まだ武術が苦手だったサトネの攻撃はうまくいかなかった。
「ああ、今日討伐が終わったら訓練から先にやらなければならないね」
サトネの武術の腕を見たルナは心配そうに言った。
それでもある程度の攻撃は受けたため、ミニドラゴンの攻撃力もだんだん弱くなり始めた。
そしてミニドラゴンがいきなり攻撃を止めた。
「なぜ攻撃を止めたのだろう?」
サトネがあわててルナに尋ねた。
「私もよくわからない。 こんなに大きいミニドラゴンから 初めて見たので」
サトネが攻め続けようとすると、ミニドラゴンは鋭い爪で剣撃を全部防いだ。
そして、徐々にスピードが上がり、防御ではなく攻撃になり始めた。
サトネは防御を続けたが、上がるスピードに耐え切れず、攻撃を受けることになった。
「サトネ!」
フジヒロが攻められたサトネを見て驚いて言った。
「慌てるな! 早く回復させて」
ルナはフジヒロが不安な様子を見せると、フジヒロがどのように行動すべきかを教えた。
「創造命令:
ルナの言葉にフジヒロはまさに神聖魔法を通じてサトネを治癒した。
神聖魔法はただ傷を治すだけでなく、疲れも癒してくれたので、サトネは戦闘前の元気な状態に戻ることになった。
「一日中でも戦えそうだ」
調子がよくなったサトネは興奮して言った。
サトネの攻撃は段々とスピードを上げてきた。
それに比べて疲労感が溜まったミニドラゴンの攻撃速度は次第に遅くなり始めた。
ミニドラゴンは危機感を感じてサトネと距離を置こうとしたが、サトネは続けて押し通した。
ミニドラゴンはこのままでは死んでしまうことに気付き、自分の奥義を使うことにした。
「何かをしている」
ルナがそれを察知して、 サトネに知らせた。
だが、サトネが対応する以前にミニドラゴンの奥義である
いくら火炎抵抗を持ったサトネだとしても、熱さが感じられるほどの熱さだった。
自分の奥義を使ったミニドラゴンはあわてて逃げようとした。
「残念だが、私を倒すには今の100倍はもっと熱くなければならない」
早くも火炎を突破したサトネは、炎で熱く燃え上がった剣でミニドラゴンの首を切った。
「討伐成功!」
サトネは落ちたミニドラゴンの頭を上げて自慢した。
討伐が終わると同時にどこにいたのか、ギルド所属の後処理班が出てきた。
彼らがすばやく竜の遺体を持っていこうとすると、サトネがその中の一人を取り押さえた。
「私の最初の討伐なんですが、竜の歯を一本だけ 持っていくことはできないんですか?」
サトネの頼みに悩んだ末、許してくれた。
そして、サトネは鋭いミニドラゴンの歯をひとつ抜いてきた。
サトネに来るフジヒロに抜き歯を見せた。
「これ見て。 ミニドラゴンの歯だよ!」
「さっきの一撃はとても素敵だった」
フジヒロがサトネを褒めてくれた。
初めての討伐を記念しているときにライセンスカードで討伐完了確認がされたというお知らせが来た。
「サトネちゃん、今日の討伐は何とかやったけど、確かに訓練が必要そうだね」
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