第11話 助力
「彼女は私のことを覚えているか?」
「うん、殺されてすぐ転生手続きが進んだって聞いたよ。
そして転生前の記憶も当然維持されていただろう
彼女が自分のことを覚えているので彼はほっとした。
「それではもう一つ。
神はよく全知全能の存在を称するんじゃないの。
平凡な人間と違う点は何なの?」
彼が非常に鋭い質問をすると少女は驚いた表情をした。
「思ったより鋭いね。
そう、神は人間に比べて多くの長所がある。
そして僕が一つ一つ、 詳しく教えてあげる」
「最初に履いた魔力は無限だ」
「魔力が無限だって?」
「うん、つまり魔法を習いさえすれば、天下級の魔法も簡単に使えると思う」
魔力は無限だという大きな利点を聞くと、彼は自分の手を見つめた。
「もちろんいくら魔力が無限でも魔法に対する理解がなければ何の効力もないだろう。
さて、次は神だけが使える魔法である神聖魔法だ」
「神聖魔法?」
「うん、神聖魔法は神界と神々の体で独自に生産される神聖魔力を使う魔法だよ」
「神聖魔力か···。
私にいるの?」
「もちろん。でも、君が今自主的に生産できる量はとても少ない。
神聖魔力を自主的にたくさん生産するためには、神としての教養を身につけなければならない」
「神としての教養?」
「うん、教養といってもそんなに難しいものではない。
神聖魔法の一番低い級も天下級魔法より強い威力を出すことができる。
こうした強い力であるだけに、当然大きな責任が伴う」
「大きな力には、大きな責任というものか」
確かにどこかで聞いたことのある言葉のようだった。
「それで神聖魔力の独自生産量を増やしたければ生命に対する愛と知恵を育てる必要がある。
多分、僕と一緒に過ごしていると 自然に教養が蓄積されるだろうし ある瞬間自体の生産量が増えてると思う」
「それでは最後の質問、教養といって気になったのですが、人は殺せるのか」
「残念だが、それは不可能だ。
さっきも言ったように、神は生命体を大切にし、愛を与えなければならない義務がある」
「それでは人間が私に天下級の魔法を使ったら私はただやられるだけなの?」
「それはまた違う。
さっき言ったように神聖魔法は人間たちが使う魔法とクラスが違う魔法だよ。
神聖魔法には
また神は魔力や神聖魔力を使わない
そしてもう一つ言うと、神に死は完全な消滅を意味する」
完全な消滅、それは二度と蘇る機会もないということを意味した。
彼は神になった時点である以上、これについてさらに詳しく知る必要があると考えるようになった。
「生命体の死と神の死をもっと詳しく教えてくれ」
「うーん、生命体たちは肉体という器に魂という本性をしばらく宿らせるのだ。
でも器には限界がある。 したがって、器がこれ以上耐えられなくなった時は、人間たちには死というものが起きるのだ。
そして人間を含むすべての生命体は死んでからあの世に行くことになるが、あの世で生前に犯した罪を償い、それが終わればすぐ転生手続きが進むのだ。
しかし、神の場合は、常に本性である魂の状態でいるために、死んだら永遠だが消滅するのだ。
魂が破壊されれば消滅するのは人間も同じだ。
そして、生命の循環に関しては非常に厳重に考えられている秩序であるため、上位神に属する伝説級も関与することができない。
もし秩序を妨害することをしたら、神々の法によって神々のバランスを管理する
しかし、もし
「
「うん、実際に神を殺した事件はなかったけど、十分強いと思う」
「それでは
「それは
それで
もう一つ教えてくれれば、もし君が人間を殺そうとすれば、同じように
「思ったより制約が多いね」
「それでもそんなに悲しむことではない。
生命体全てを殺せないわけではない。
例えば勇者や魔王は神が殺すことができる」
「ほんとか?でも、どうして勇者まで?
神は人間の味方ではなかったのか?」
「神様は誰の味方でもない。 そして勇者と魔王もただバランスを取るために作ってくれたんだ。
そして、魔王と勇者も最初から殺せたわけではない。
昔、混沌時代というときに起きた事件以来、生命体の中で勇士と魔王だけは唯一殺せる生命体になった」
「なるほど」
「ところで神が殺すことができる存在ということは神たちにとって脅威的な存在だから可能なのだ。
お前のような、まだ弱い神様には相当危険な存在になるかもしれないから気をつけたほうがいい」
少女が少し心配そうに彼に話した。
「わかった。肝に銘じておこう」
「じゃあ、聞きたいことは みんな聞いたんだよね?」
「うん、まずはこれくらいでいいと思う」
「それでは、もう一度聞いてみるよ。
アポロン、私と一緒に神界を求めないか?」
「うん、 喜んで」
彼が少女の手を取り合って2人の旅の始まりを告げた。
「ついに一歩前進だ!」
少女がうれしそうににっこり笑った。
「それでは神界のための冒険をすぐに始めてみようか」
少女が急いで出ようとしたので彼は少女を捕まえた。
「ちょっと待って、始める前に先に約束を守るべきじゃないか」
「ああ、そうだ。 忘れるところだった。
じゃあ、ちょっと待って」
少女は椅子から立ち上がった。
「こっちについて来い」
少女について行った彼はある旅館の前に到着した。
彼は彼女にまた会えるので彼は緊張していた。
少女は旅館の中に入り、彼も一緒に付いて行った。
「あれ、久しぶりだね。
あの子に会いに来たの?」
旅館のおかみさんが、少女を見て言った。
「はい、上にありますよね?」
「うん、たぶん あると思う」
旅館のおかみさんの話を聞いた少女は、階段を上った。
「さあ、ここだ」
少女が足を止めた所にはドアが1つあった。
ドアを越しに彼があれほど望んでいた彼女がいることは確かだった。
少女はドアをたたいた。
「トントン」
「どちら様ですか」
彼に同じ声が聞こえてきた。
彼は声を聞いただけでも一目で誰だかわかった。
確かに彼女だった。
彼女がこのように生きていて、再び彼の声が聞こえてくる日がくるとは思いもしなかった。
「私ですわ。 ルナ」
あ、ルナさんだったんですか?
ちょっと待って、今すぐドアを開けます」
ドアが開き、彼女の姿が見えた。
「サトネ!」
彼は涙を流して彼女を抱きしめようとした。
「どちら様ですか」
抱きしめようとする彼を避けて警戒した表情が見えた。
「え???」
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