新しい始まり

第9話 不運な人生

あなたは人生の中で神など存在しないと何度思うか?



広くて広い世界の中に地球という一つの惑星があった。

地球という惑星には数多くの生命体が住んでいるが、人間という生命体は、極度に科学技術を発展させ、弱い力で惑星の最強者になり、惑星を支配していた。



場所は日本。

人生で不幸だけが存在する少年がいた。

名前は三上 藤広みかみ ふじひろ

彼は小さい時から親に虐待された。

彼はいつも神に救いを求めた。

しかし、彼に返ってくる返事は何もなかった。

そんな中、10才になった時、父は児童虐待で監獄に入れられ、母も精神病院に入れられ、地獄での生活は終わったようだった。



しかし、彼の世話をする人はいなかったし、結局、彼は保育園に行くことになった。

保育園に行くようになった彼は、新しいスタートという希望に満ちていたが、彼を待っていた現実はもっと残酷だった。

小さい時から虐待と栄養失調で彼の体は弱かった。

当然、体の弱い彼は保育園の中での序列争いでも引けを取るようになった。

当然、子供たちの間でいじめられるようになった。

毎晩、子供たちに暴行された。

大人たちはその事実を知っていながらも形式的な手続きをするだけで、それ以上それ以下もしなかった。

もちろん、このような形式的な手続きをすれば、子供たちのいじめが止まるわけではない。



保育園の子供たちは彼をひどくいじめてきた。

彼の精神が疲弊化した頃、彼に救いの手が差し伸べられた。

彼を養子縁組するという人が現れたのだ。



しかし、彼は人をこれ以上信頼できない人になってしまった後だった。

虐待されるのではないかという不安のため、彼はまともに食事をすることができなかった。

彼は新しい家族になってくれた人々の顔もまともに見ることができなかった。

新しい家族はもちろん、彼の心を閉ざされた人々の心を開くためにあらゆる方法を動員して努力した。

しかし、その計画はいつも失敗に終わることになった。



すべてを信用しない彼にも、ただ一つの趣味があったが、まさに勉強だった。

実は彼の実の父親は世界で有名な天才科学者の一人で、彼の子供らしく天賦の才能を持っている。

彼は、中学校に通っていた頃、すでに高校生並みの知的水準を備えていた。

しかし、彼が勉強に熱中した最大の理由は、彼が勉強する時だけは頭の中を空けることができたからだ。

何も考えたくなかった彼は、ずっと勉強ばかりした。

彼は絶対に本を手放さなかった。

ご飯を食べる時も本ばかり目を向けた。

彼の新しい家族はそれが分かって彼が気楽に勉強できるように何でも手助けした。

そのようにして彼は高校を首席で入学し、首席で卒業した。

当然、彼は当代行ける最高の大学に合格することになった。



「フジヒロ、カメラ見て!」

家族はいつか彼が元気になると卒業式の写真だけは笑顔で残したくて無理に彼を撮ろうとしたが、彼は彼らを無視してそのまま通り過ぎた。

「いつかは必ず私たちに心を開くよ」

彼の家族は彼を気の毒に思うが、できることはないとすでに分かっていたのでただ眺めるしかなかった。



彼は大学に入ってすぐ自炊した。

不幸中、幸いにも彼の新しい家族は裕福な方だったので、彼が快適に暮らせるようにかなり良い家を探してくれた。

彼は大学に入ってからも勉強を続けるつもりだった。

そんなある春の日、講義室に行っていた彼に平凡でないことが起きた。

「ドン!」

まるでラブコメディのワンシーンのような出来事が起きた。

2人はぶつかりながら、彼が持っていた本が底に落ちた。

「大丈夫ですか?」

ぶつかった女が彼を見つめながら言った。

久しぶりに彼の目は人の顔を見た。

「ああ、 大丈夫です」

彼は急いで本を拾い上げた。

「ほんとうに 大丈夫ですか? ひざから血が出ているようだよ」

彼女は彼のひざから出る血を見て言った。

「大丈夫です」

これ以上は迷惑になると思った彼はあたふたと席を立った。



「あれ?さっき会った方じゃないですか?」

講義室に座っていた彼に声が聞こえてきた。

彼は身なりだけを見ても、さっきぶつかった女性であることが分かった。

彼は彼女の問いかけを無視した。

彼の無視にもかかわらず、彼女は声をかけ続けた。

「どちらにお住まいですか?」

「卒業した高校は?」

「年は?」

彼女の問いかけにも彼は全部無視した。

「先のこともお詫びするのを兼ねて、今日のお昼ご飯をごちそうします。

周りにおいしいお店を一つ知っています!」

彼女のしつこい質問には、結局彼はうなずいた。



お昼の時間、二人は一緒にご飯を食べに来た。

おいしい店らしくご飯はなかなかおいしかった。

「実は私が今日、こうやって ずっと話しかけていた理由は...」

食事をしていた彼女が突然彼に話をした。

「私と似ていると思いました」

彼女の言葉に彼は初めて口を開いた。

「私と似ているという事は?」

「全身で感じるほどの暗鬱さ。

今の僕はそうじゃないけど、 昔の僕はそうだったんです」

「もっと詳しく教えてください」

彼は初めて彼女の言うことに興味を持った。

「実は私、幼い頃、両親に虐待されたんです。

両親が虐待した傷がまだ残っているほどです。

もちろん大学に入ってから、両親も謝罪したし、私もすべて許しました」

「それが許されたんですか」

「もちろん大変でした。

それでも結局は許してくれました。

そうしてあなたもそうじゃないですか?」

「そうだ。 私も虐待された」

「やっぱり」

「それから私はまだ克服していない」

「ほんとう? じゃあ わたしが てつだいます!」



この日を起点に彼は彼女と親しくなることになった。

彼が初めてできた友達だった。

お互いに過ごす日が長くなっただけに2人は恋人同士に発展することになった。

彼女の助けで、彼も子供の頃の傷から癒された。

そうして彼の人生でも光というものが見え始めたようだった。



大学を卒業する時点だった。

「結婚しよう」

彼は彼女にプロポーズし、彼女も喜んで受け入れた。

彼は自分の不幸はすべて終わり、嬉しい日だけがあると思っていた。



しかし、彼は神から憎まれたのだろうか。

翌朝、彼の携帯には一つのメールが届いていた。

彼はメールを見て急いで病院に駆けつけた。

「すまない。私が阻止すべきだったのに」

救急治療室の前で1人の女性が彼を取りながら話した。

「だめ」

彼は現実を否定して言った。

「死んではいけない」

冷たく死んだ彼女の手を取りながら言った。



昨日のプロポーズが終わり、彼女はその知らせを伝えるために久しぶりに実家を訪れた。

実家を訪れた彼女を待っているのは、酒に酔った自分の父親だった。

「サトネ、來たの?」

「はい、お父さん。 久しぶりですね」

酔っ払っていたが、初めのうちは彼女をまともに迎えてやった。

しかし、彼女が結婚の話を持ち出すと、突然、彼女の父親は理性を失った。

彼女の酔っ払った父親は彼女に容赦なく暴行を加えた。

そのようにして彼女は死ぬまで暴行され、ついに死亡した。



彼は彼女の葬儀場に昼夜涙を流していた.

「フジヒロ、もう泣かないで、これで落ち着こう」

両親は彼が心配になって話した。

「ほっとけ」

そのようにして彼の光は消えた。



彼女が死んでからもう2週間という時間が過ぎた。

これまでの彼の人生はかなり疲弊した。

卒業を目の前にして彼は退学した。

家族は彼を止めたが、家族の話が彼に通じるはずがなかった。



彼は毎日彼女の墓参りをした。

「私は神様に呪いでもかけられたのかしら?」

酒に酔った彼は彼女の墓の前に嘆いた。

「私は平凡で幸せな人生は 享受できないの?

おい、神! 話でもしてみろ。

存在するなら全部聞いているんじゃないの!

話だけでもしてみろって。

私が何を間違えたのか。

どうしていつも助けてくれと祈っている私を無視するの!

私が望むのはそんなに欲張りなの?

普通で幸せな人生を過ごしたいって!

どうしてずっと希望を与えて奪ってばかりいるのに」

彼は涙を流しながら天に叫びながら、神に答えを求めた。

しかし彼の答えは何にも返ってこなかった。

酒に酔った彼は彼女の墓の前に眠っていた。



彼が目を覚ました時には、既に日が昇っていた。

彼はぼんやりと昇る日を眺めた。

そうして、何でも決心したように、早く家へ帰った。

彼は準備を始め、準備が終わった時には日が暮れていた。

彼は昇る月を眺めた。

「すぐそばへ行くよ」

彼は意味深長な言葉を残して首にぶら下がった。

もう椅子から降りさえすれば、すべてが終わりだった。



その瞬間、彼に向かって強い黄金色の光が降ってきた。

「最後の瞬間についに返事をくれるんだ、神よ」

強烈な光のせいで彼は意識を失い、椅子から彼の姿は見えなかった。

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