異世界の神様が世界を救う方法

第7話 罪の償い

翌日、 デネボラはベテルゲウスの邸に向かった。

「みんな集まったね」

ベテルゲウスの秘密の部屋に入ると、ベテルゲウスが言った。

「お前は成功したのか」

「いや、結局は失敗した」

「それじゃ、みんな失敗だね。

あまり殺したくはなかったが、ヘリウスの罪の償いには仕方がない犠牲だろう。

それでも心配するな。 さっき、これが来たんだ。 たぶん君たちにも来たと思う」

彼はポケットから手紙を取り出した。

「ヘリウスが送ってくれたのかな？」

デネボラが聞いた。

「ヘリウスから来た。

明日みんな集まってほしいと言っているんだな」

「いよいよ明日かな？」

シリウスは緊張した様子で言った。

「心配するな。 ヘリウスはまだ気付いていないようだ。

それでは皆今日はこの辺で解散して明日のためにゆっくり休むことにしなさい」

「分かった」

全員が出かけ、デネボラとベテルゲウスだけがその部屋に残っていた。

「デネボラ、きっとうまくいくよ」

「そうだよ。とうとう、いよいよ最後だね」

デネボラはベテルゲウスの言葉に笑いながら部屋を出た。

「そうして、世界は私のものになるだろうけど」

「ヘリウス様、立ち上がらなければなりません」

執事の起こす声にヘリウスは目を覚ました。

「やっと来たのね」

彼は慌てて起き上がって衣服を身につけた。

「いってきます」

「いってらっしゃい」

ドアが閉まって静寂が流れた。

「それじゃ、私も執事会に行ってくるようにしようか」

コノウスも執事会に到着した。

「コノウスは来たかい？」

「久しぶりだね。 コノリス」

彼は席に座りながら言った。

「今日がついに会議の日だったかな？」

「きっとそうだった」

「時間になったみたいだけど、 まだコノゲル、コノイール、コノザールが まだ来てないみたいだけど」

と同時に、急に雰囲気が変わった。

コノゲルが起き上がりながら近づいてきた。

「ごめん。コノウス、 私たちもこんなふうにはしたくなかったが、ご主人様の頼みなので仕方がない。

理解してほしい」

みんなが立ち上がって彼を拘束し始めた。

「私たちはお互いを不活性化できないから、少なくともこのまま放っておかないと」

「ご主人様」

自分の執事が捕まったことも知らないままヘリウスは会議場で神々を待っていた。

「父上が帰ってきても恥ずかしくない世界を作るために今日必ず決着をつけなければならない」

彼は自信に満ちた声で話していた。

その時、会議場のドアが開いた。

「どう？」

入ってきているベテルゲウス、デネボラ、シリウス、カノープス、アークトゥルスを見て言った。

「実は新しい会議場を新たに作るために遅れた。

ここはこれから私たちが世界のすべての仕事をする空間だ。

つまり創造の宮をつなぐ空間といえる」

「そうかな？」

シリウスは周りを見回した。

「確かに以前の会議場よりも大きく華やかになっている。

そして皆の黄金像があるね」

「当然、それがこの会議場が最大のポイントだ。

私たちみんなが今は父上の後を継いだ世界の主人だから」

「どうせ今日で終わりなのに無駄なことをした」とベテルゲウスはヘリウスを皮肉に思った。

「うん、でも他の神は 遅すぎない？」

「わたしはよくわからない。 他に用事があって遅いのではないか?」

ベテルゲウスは誠意のない返事をした。

「じゃあ先に始めなきゃいけないの？」

ヘリウスが悩みながら言った。

「それでもかまわない」

ベテルゲウスは生返事で答えた。

「そりゃしょうがない。 私たちだけで先に始めよう。

あんなにでも必ず来てほしいと言ったのに」

ヘリウス以外の神々はお互いに信号をやり取りした。

そして、ベテルゲウスが立ち上がり、口を開いた。

「ヘリウス!」

ベッテルゲウスに呼びかけられ、ヘリウスは彼を見つめながら言った。

「なぜ？ベテルゲウスは何か言いたいことがあるの？」

「もちろんだ

あなたの罪についてね。

創造命令:肉身捕縛（カリオ）」

大罪人用の縄がヘリウスを捕縛した。

「ベテルゲウス、大罪人用の縄は私の身を包んでいるの?」

「ヘリウス、お前が罪人だからだよ。 お前は受けるべき罪があるじゃないか」

ヘリウスがわけが分からないという表情をすると、ベテルゲウスはデネボラに合図した。

デネボラがヘリウスのそばに来ると、ベテルゲウスが口を開いた。

「デネボラに言うことはないか」

「まさか君たち、その事件のせいで こんなことをしたんじゃないよね？」

「当然、その事件のせいだ。 その程度で大変なことを起こしたくせに厚かましいのも程度がないとね。

君はあんなに強力な力をもらったのに、その力の義務に責任を果たしたことはない」

「わかった。じゃあ、いったんこの縄を解いて、おれたちの話で済ませよう」

ヘリウスは興奮したベテルゲウスを見て慎重に提案した。

「それはいけない」

ベテルゲウスは自分の懐にあった殺神五短剣（ディウカイド）を取り出し、ヘリウスに見せた。

「この剣が見えるだろう？ この剣は神さえ殺せる剣だ。

神にとって死が何の意味なのかは分かるだろう？

お前の罪は永遠な消滅だ」

ベテルゲウスの言葉と彼から感じられる殺気を感じたヘリウスは、彼の言葉が半端ではなく、すべて本心から出る言葉だということに気づいた。

「じゃあ、他の神々が来られなかったのも お前たちが原因なのか？」

「そう、しょうがない犠牲だった。 父上も全部理解してくれるよ」

「まさか殺したの？」

「それは君が死んでから分かってくれ。

じゃ、さよなら」

ヘリウスの首に向かって殺神五短剣（ディウカイド）が飛んできていた。

「創造命令:身体強化（コルボロ）」

ヘリウスは猛烈なスピードで縄を切断し、ベッテルゲウスから距離を置いた。

「やっぱりヘリウスだね。 大罪人用の縄を切るとは」

ベッテルゲウスは眉をひそめてヘリウスを眺めた。

「ベッテルゲウス、私が間違った部分もあるが、君たちのこんな方法は間違っている。

まだ遅くないよ。 私たちだけでも力を合わせなければならない」

「私たちだけで? 笑わせるな。 どうして私たちがあなたを助けなければならないのか?

俺たちはお前なしでもよくできる。

創造命令:全身麻痺（ソポル）」

神聖魔法の影響でヘリウスは倒れた。

ベテルゲウスはヘリウスのところに行き、彼の顔を上げた。

「ベテルゲウス、どうかやめて」

ヘリウスはようやく口を開きながら言った。

それを聞いたベテルゲウスは笑いながら話した。

「おかしいことを言うな。 これが君に似合う最後だ!」

ベッテルゲウスはヘリウスにこれ以上話す機会を与えずに首を切った。

会議場はヘリウスの黄金色の血で染まり始めた。

「ついにお前の罪の償いをしたな!」