いんたーみっしょん。(その2)

「おーい、ネ子~」


 シーン……。


「おーい! ネ子? いないのか~?」


 シーン……。


「ドジで、マヌケな、へっぽこ〈盗賊〉のネコイラーズさ~ん? いないんですか~?」


 シーン……。


「……何だよ、いねーのか」


 俺はネ子の部屋をノックしながら何度も名前を呼んでみたんだが、返事が、無い。


 これだけ呼んでみても返事がないところを見ると、どうやらどこかへ出かけ

いるらしい(これぐらい呼べば、いつもなら、「コウさん~、ヒドいです~!」ってプリプリ怒りながら出て来るんだが)(ネ子は寝起きが悪いので、昼寝でもしてたりすると、これぐらい呼ばないと起きなかったりするんだよ、これが)。


 謹慎の解けた姫さんが(公式的には「病気のため公務を休む」ということになっていたらしい)王城のテラスに久しぶりに姿を見せたらしいんで、見に行こうと誘いに来たんだが(あ、いや、ネ子だけを誘いに来たわけじゃなく、フローさんとモーは先に行ってるんだってば)、いない、のか……。


「ったく、どこに行ってるんだか」


 ぼやいてみても、いないものはどうしようも、ない。


 仕方なしに俺も(いや、別にどうしてもネ子と一緒に行きたかったとかそういうわけじゃねーぞ?)、城へと向かったのだった。


(ちなみに、王城のテラスから国民に向かって手を振る姫さんはこの前と印象が違って見えたけど、遠目だったし、病気明けという設定だから、顔色をあまり良くしないような化粧をしてたのかも?)(女は化けるって言うからなぁ)(苦笑)

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