クロノヒョウ 様と遊んでみた

 赤いハンカチのある部屋の様子

 

 カーテンが開け放たれた東向きの窓からは日光が差し込んでいて、刻々と誰もいない部屋を明るくしている。

 

 その部屋にある背の低いテーブルの上に、少し崩れた四つ折りハンカチが置かれてる。赤地にミッキ○マウスの絵柄がプリントされた、少し小さくて子供用だろうか?

 

 たぶんテーブルの近くにあるタンスの半開きな引き出しから急いで出されたのだろう。

 

 そんなハンカチが置き忘れられたであろうテーブルの横には赤や黄色、青などカラフルなボックスが置かれてる。

 

 その中にはぬいぐるみや積み木、絵本、塗り絵クレヨンなどなどおもちゃが詰め込まれている。きっと夕方頃には持ち主の笑顔をたくさん作り出すのだろう。

 

 今は静かな部屋の片隅には、まだまだ使われた形跡がほとんどないシステムベッドデスクが鎮座している。おもちゃ箱が今の部屋の主役ならこのシステムベッドは未来の主役になるのだろう。


 ちょっと気の早い祖父母の誰かが贈ったのだろうか?



 

 こんな誰もいない部屋で赤いハンカチは幼いであろう主の帰りを静かに待ってるのだろうか?それとも手を拭くという役割を今日は果たせない事を悔やむのだろうか?

 

 きっと忙しい朝に忘れられた事で寂しく、しかしながらどうすることも出来ないでただただ、そこに在るのだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エイルのFanとFestivalしようぜ エイル @eilu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ