47.押さなかった
かくして、世界は誰も知らないところで滅亡の危機を逃れた。
今日も世界は続いていく――広井さんのように、少しだけ世界のことを好きになったり、あるいは知らない誰かが世界のことを嫌いになりながら。
今日も世界は続いていく、世界のことを嫌いな誰かが世界の隅っこで世界滅亡爆弾を作りながら。
今日も世界は続いていく、君も広井さんも知らないところで誰かが完成した世界滅亡爆弾のスイッチを握りながら。
今日も世界は続いていく、スイッチは押されなかったから。
明日はわからない。スイッチを握っているのは君ではないのだから。
【To Be Continued】
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