46.押した

 かくして世界滅亡爆弾はその名に反して小規模な爆発を起こし、暗黒大滅神殿を君たちごと吹き飛ばすだけに留まった。

 世界には八十億ほどの人がいて、けれど――君たちにとって世界と呼べるのは、広井さんと君自身、その二人がいる空間だけだった。

 かくして、広井さんが少しだけ好きになれた世界は幕を閉じ――後に残された八十億マイナス二人の人間たちが、君たちの知らない場所で生き続けていく。


 かつて広井さんが下らない世界とよんだ世界は今日も何事もなく続いていくのだ。


【DEAD END】

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