45.「殺人ピエロ部を作ろうかなって」

「殺人ピエロ部……?」

 広井さんが疑問符を浮かべた瞬間、君は正体を明らかにした。


「そう!この学校を舞台に楽しい楽しい殺人ショーを始めるんですよォーッ!!!もっとも部員は私一人……後は全員参加者です!生憎ですが観客席はありませんがねェーッ!!!」

 まさか君の正体が殺人ピエロだったとは、広井さんも動揺を隠せない。


「キ、キミ……殺人ピエロだっただなんて……嘘だよね……」

「うふふ……殺人ピエロはそんなつまらない嘘はつきません!!殺人ピエロが嘘をつくのは楽しい楽しい殺人ジョークを言う時だけ!!!例えばァ……?殺人ピエロは可愛いクラスメイトの女の子を殺さない良いピエロでぇす!!!なんちゃって!!死ねェーッ!!」

 殺人ピエロの大鎌が広井さんの首を切り落とすはずだった――しかし、広井さんの首は鉄の硬度と化して殺人ピエロの大鎌を受け止めている。


「ま、まさか……」

「殺人ピエロの楽しい楽しい手品はいかが!?ほーら、種も仕掛けもないのに首が鉄みたいに硬くなっちゃった」

「おやおや、君も殺人ピエロだったんだねェ!」

「君だけじゃないよ!!」

 学校中の生徒が殺人ピエロと化して、君たちの元へと訪れた。

 まさか、一つの学校にこれほどの数の殺人ピエロが集まっていたとは、まったく運命の悪戯とは恐ろしいものである。


「ホッホッホ……どうやら、この高校も殺人ピエロ高校と名を改めねばいけないようですね」

 朗らかな笑い声を上げるふくよかな殺人ピエロ――どうやら元は校長の殺人ピエロらしい。


「これだけの殺人ピエロがいれば、死率100%死ぬ高等学校も……」

 誰かが声を上げた。

 死率100%死ぬ高等学校は殺人ピエロにとって目の上のたんこぶである。


「死率100%死ぬ高等学校が僕らの獲物を奪うなら……お返ししてやらないとねぇ!」

「行きまショウタイム!!!死率100%死ぬ高等学校!!」

 かくして数百人の殺人ピエロ集団は死率100%死ぬ高等学校に挑み、全員が焼死した。街の治安は劇的に良くなったと言う。


【DEAD END】

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