Vol.1『温玉てりやき魔法少女丼』

「月川先輩と」


「ミクるんの」


「「まじかる☆クッキング~」」


「先輩! お腹が減って仕方無いよ~!」


「よーしよしよし、今日は朝宮光ちゃんの肉を使って、大学生男子が喜ぶガッツリ肉料理を作っていこう」


「わ~い、楽しみ~」


「さて、本日作るのはこちら! 温玉てりやき魔法少女丼!」


「今からよだれが止まらないよ~」


「使う材料はこれだ」


 ・魔法少女肉 300g

 ・卵     2個

 ・大葉    お好みで

 ・きざみのり お好みで

 ・糸唐辛子  お好みで

 ・マヨネーズ 適量

 ・塩コショウ 少々

 ・小麦粉   適量

 ・酒     大さじ2

 ・醤油    大さじ2

 ・砂糖    小さじ1

 ・みりん   大さじ4


「まずは魔法少女肉を二センチ角ぐらいに切って塩コショウを振り、小麦粉をまぶす」


「人間が食べる場合は魔法少女肉の代わりに鶏肉でも良いかも!」


「熱したフライパンに油をひき……」


「小さい子はお母さんかお父さん、周りの大人に見守ってもらいながら作ってね!」


「先程下準備をした魔法少女肉を焼く」


「どれくらい焼けば良いの~?」


「こんがりするまでかな。中まで火が通っていれば焼き加減はお好みで大丈夫さ」


「なるほど~」


「しっかり焼けたら裏返す。ここで酒を入れて蓋を閉めるんだ。ここからは弱火に切り替えて蒸し焼きにしていくよ」


「ねえねえ月川先輩!」


「なんだいミクるん」


「魔界の罪人を裁く罰として火炙りがあるって聞いたけど、本当~?」


「ああ、本当さ。人間界で数えるところの一年もの間、地獄の業火に焼かれ続けるんだ。悪魔は炎に焼かれても死にはしないからね。ただずっと灼熱の炎に包まれ息も出来ずに苦しみ続けるのさ」


「ひょえ~!」


「さて、十分に焼きあがったら、醤油・砂糖・みりんを加えて中火で煮絡めていく」


「どっひゃ~! いいにおい~!」


「煮汁が少なくなりとろみが出てきたら火を止めて、照り焼き魔法少女は完成だ」


「あれれ~? 作るのは温玉てりやき魔法少女丼だよね~? 温玉はどこにいったのさ~?」


「心配ご無用。作ってる間にこっちの鍋で温めていたのさ」


「そっか~! だからそこに鍋があったんだね~!」


「おっと、ちょうどごはんも炊き上がったみたいだ。それでは、丼ぶりに食べたいだけご飯をよそい、てりやき魔法少女を載せて、温玉は……。うん、完璧だ」


「ぷるぷるだ~!」


「こっちに大葉・きざみのり・糸唐辛子・マヨネーズを用意してある。好みによって掛けてくれたまえ」


「わ~い! マヨネーズはたっぷり掛けちゃお~っと!」


「ふふっ、掛け過ぎててりやき魔法少女が見えなくなったじゃないか」


「あはは~、こりゃ失礼しました!」


「さて、それではいただくとしよう。全ての生命に感謝して……」


「「いただきます!」」


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