9-問題発生!!

 今日はもう寝ようとしたロイに部屋で待機していた精霊たちが話し掛けてきた。


火『ねえロイ、この屋敷で精霊術士の気配がするんだけど何か分かる?それも私と同じ火の素質を持つ子。』

水『それは私も気になりました。私も水の素質を持つ子が近くに居ませんか?』


(それは僕の姉二人だと思います。一週間程前に洗礼の儀に行ったら精霊術士の職業に就いたそうなので。それに僕の辺境伯家は代々精霊術士を輩出する家系らしいですよ。)


闇『なるほどな~。だからこの家から精霊の残滓が多く残っているんだな。』

光『そうですね。それに精霊術士になったお二人のお姉様方はいつ頃精霊召喚を行うのですか?』


(明日のお昼頃だと言ってましたね。)


全員『『『『『………………』』』』』


(どうかしましたか?)


闇『そいつはやべえぞ。』

風『そうだね、明日までに間に合うかな……』

火『無理だね。』

土『無理。』

水『流石に厳しいですね。』

光『ええ。』


(何が無理なんですか?)


光『それはですね、私たち精霊は契約者の心と在ると言っても過言ではないため、精霊は契約者以外の人を見れば一目で精霊との契約者かどうか分かるんです。』

水『それでも今回の精霊召喚は普通なら成功するでしょう。ですが私たちは大精霊です。それも帝級の最上位級です。そんな私たちがこんな所にいたらどうなると思いますか?』


(どうなるんですか?よく分かりません。)


土『簡単。階級の低い精霊が、遠慮して、来なくなる。だから、早くどうにかしないと、精霊召喚が失敗、しちゃう。』

闇『まあそう言うこった。なんとなく分かったか、ロイ?』


(はい、だいたい理解できました。つまり貴方がたの気配を感じさせなければ良いんですね。)


闇『それはそうなんだが簡単な事じゃないんだぞ?』


(多分出来ると思います。)


 ブラウにそう答えて僕は久しぶりに創造魔法を使った。


「創造魔法」


《創造魔法発動。必要なスキルを創造します………【スキル】箱庭 を創造します。創造するためには魔力を10,000程消費します。》


 10,000も消費されるんですか。やはりあのときは偶々消費魔力量が少なかったのでしょう。ですが今はやむを得ない状況なので創りましょう。


《創造魔法により、【スキル】箱庭 を創造……成功しました。》


 出来ましたか。しかしいきなり多くの魔力を消費するのは疲れますね。


火『だ、大丈夫!?いきなり凄い量よ魔力を使うからびっくりしたよ!?』

闇『何してんだお前は……』

光『大丈夫ですか、ロイさん?』


(はい、大丈夫ですよ。それよりも先ほどの問題を解決できたかも知れないです。)


水『出来たのですか?』

風『はは、凄いねロイは……』

闇『それで、どんな風に解決するんだ?』


(はい、先ほど創造魔法を使い、スキルを創りました。そのスキルは【スキル】箱庭と言います。このスキルは自分と契約した精霊や精獣、テイムした魔物などを別の空間に隔離することが出来るスキルです。隔離した空間では6㎦で様々な世界を造ることも可能だそうです。また念話なども繫げる事が出来るそうです。)


闇『なんだよその魔法……』

風『当たり前のようにそんなものを創ったロイが怖くなってきたよ。冗談だけど。』

火『取り敢えずその箱庭?って言うスキルを使えば私たちの存在がバレないんだね!』

光『多少の魔力の残滓が残るでしょうがそれくらいなら何とかなるでしょう。』

水『そうですね。ではロイ君、そのスキルを使って貰っても良いでしょうか?』


(分かりました。それでは使います。)


「『箱庭』」


 するとさっきまで部屋の中に居た精霊たちの姿はなくなった。


「これで明日はなんとかなると良いのですが。」

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