冒険録81 大人なヒロインは凄く積極的だぞ!
そうしてついに俺は、どうしようもないほど夕に
それで俺がハッキリと気持ちを自覚して、夕との関係が一歩前進したのは良いが、やはり現状ではこの想いを伝える訳にはいかない。……と言うのも、夕は今ですらドンドコ攻めて
そうは言っても、ずっと返事を待たせている夕に申し訳ないので、他に何かしてあげられないものか。そう思って夕の方を向けば……目がバッチリ合い、ニコッと
「――っ!」
「……どしたの?」
「ん~? お顔、真っ赤だよぉ?」
くっ、見た目で分かるほどの状態なのか。ツライ。
「――あっ! も・し・か・し・てぇ…………大人な私の
目を瞑って口元をωにし、嬉しそうにからかってくる夕さん。
「そそ、そんなこと――」
それで俺は慌てて
「いや……うん。すっごく可愛くて、最高に
「――なななな、なぁっ!? うなぁぁ!? ……っうわととと、落ち、ちゃ――あたっ」
すると夕は
それで夕は下でうーうーと
「……ほ、ほんとに?」
「ああ」
「っうぅぅ! う、うれしすぎるよぉ……にへへ~」
夕はニュッと上半身を
その様子を見て確かな手応えを感じた俺は、
「えーと……これで、いかがでしょう?」
再びベッドに上がって来た夕に、感想を聞いてみる。
「もぉぉぉぉ、さいっこうの、ご
「そ、そか」
ふぅ、良かった良かった。これで夕は満足してくれたようだし、今日のところは落ち着いて
「じゃ、あとは
「でぇ~もぉ~? こんっな嬉しいこと言われちゃったら、私も頑張るしかないよね!」
「な、にぃ……」
逆に夕さんのやる気をブーストさせてしまっただとぉ!? どうしてそうなる!?
「そういうわけでぇ、ご褒美のおかわり~
夕は楽しげにそう言って、四つん
「いやいや、食べ過ぎは良くないと思うぞ? ほら、いつも夕が言ってるだろ……」
よし、ここは夕お得意のヘンテコ
「
「
「返り討ちじゃないのかよぉ!?」
まさかの変則パターンで返されるとは……くそぉ、頭の回転が早すぎる。
「ん~? 返り討ちにできるのかしらぁ? にしし♪」
「……ぐぅ」
できませんね!
「さぁて! 二兎目を
そう言って夕が動き始めると、すでにズレかけていたショールが、
「ちょちょぉ、待って! すとぉっぷ!」
「ん~?」
お願いだから、その格好で這い寄らないで! すでに夕の魅力で完全に参ってるってのに……そこへさらに、二つのヒルが織りなすヴァレイ的なアレが激しく主張をされますとね……――ってかさ、普段の幼い姿の夕と接している時間が長すぎて、そういう目で見てしまうことに罪悪感がヤベーんだよ!
「とりあえず! 上着! 着て! ください!」
俺が歯を食いしばって理性を保ち、ケンゼン領域を視界に入れないよう頑張るものの、
「……え? もぉ~、そんな顔しなくていいのに。今は大地君よりお姉さんなんだよぉ? それも大きくなったんじゃなくて、こっちが本当の私なの!」
それを目ざとく察した夕さんが、その罪悪感はただの
「だから……だっ、大地君が、見たかったら、好きなだけ見て……いいんだよ? わ、私、がんばるからっ!」
そう言って膝立ちになり、これ見よがしに胸を
「
「むむぅ、こればっかりは積み重なった印象の問題だし、慣れるしかないっかぁ……あ!」
そこで夕さんは、ニヤリと悪い笑みを見せる。
「じゃぁ少しでも早くこの身体に慣れるように……練習、しよっか?」
「んなっ!?」
なんの、練習、だよおおぉ!? 分かるけど解っちゃダメなヤツ!
――夕ちゃんほんとは年上なんだろ? 大人のお姉さんなら、好きな人とは普通
だぁぁ、ヤスは
……よし、まずは落ち着け大地。そもそも夕相手に防戦ってのが戦術として間違ってるんだ。夕だってこういうことには慣れてないはずで、強がってるだけに決まってるし、攻めれば必ずボロが出る。
「……そ、そんなこと言って、お前も別に慣れてなんか、ないんだろ?」
「っ!? そ、そう、だけどぉ……あたしだってぇ、大地のためにいっぱい勉強して……ごにょごにょ」
よーし、夕がテレモジしだして、想定通り攻撃の手が止んだぞ! 何かごにょごにょ言ってる内容は聞かなかったことに!
「うんうん、そうだろうそうだろう。じゃぁ、今日のところは大人しく寝――」
「むぅぅ……こうなったらぁ……」
そこで夕は膝立ちでフッと気合を入れて、自分に手をかざすと、
「【がんばれわたし! つよきになぁ~れぇ~!】」
まさかの万能魔法を
「おんまっ! 魔法でドーピングしやがったな!?」
レッドカード、退場! ――いや、俺がベッドから退場させてもらってもいいですか!?
「んにゃ? 大きくなるのに全部使ってスッカラカンだし、これはただの自己暗示のはずだよぉ?」
「……少し、手が光ったような?」
「あら、そうだったかしらぁ? 男の子は細かいこと気にしたらだ〜めっ」
すっかり
む、むぅ……くっそ手強い。絶対イリーガルバフ盛ってるって。
「さ、どうしよっか? ――なんて聞くのはヤボよねぇ。うふふっ♪」
「ちょ、
「すっごく落ち着いてるよぉ?」
「ほ、ほら。ルナも見てるし?」
今回はルナに見せられない事をしようとしていると、直感で分かるぞ!
「ルナちゃんなら、とっくに寝てるわよ?」
「なん、だと……」
横を見れば、
「……さっきも言ったけど、ゆづの身体なんだぞ?」
「む……」
よし、これはまだ有効だ。最終防衛ラインとも言えるが。
「――までなら」
「え?」
ボソッと
「キ、キスまでなら、ゆづだって許してくれるわっ! 気付いてなければノーカン! セーフよ!」
「いやぁ……それだと、寝てる女の子にキスしてもセーフってことになるぞ?」
いくら何でも、その
「知らない子だったら、絶対ダメに決まってるでしょ。でもゆづは、広義で私でもあるからいいの。仮に私が十年前にこっそり大地にキスされてたと知っても、ぜんっぜんオッケー、どころか大喜びよ!」
「ぐ……」
こう自信満々に言い切られると、そういうもんなのかなと思ってしまった。ほぼ本人に良いと言われれば、外野は文句も言えない……マズイ、防衛ラインが
「ねぇ、大地……」
そこで夕は急に悲しげな顔をすると、意外過ぎる事を
「やっぱり私となんて…………イヤ?」
「そんな訳あるか!!! ――あっ、いやその、何と言うか……」
ぐぅ、うっかり熱の入った本音が飛び出てしまった。いやだって、そんなん、したいに決まってるだろうが……。
「うふふ、良かったぁ。だったら、ゆづのこととか、まだお返事できてないし~とか、深く考えなくていいんだよ? これは私へのご褒美って考えて、ね?」
当然ながら俺にも最高のご褒美な訳で、いけないと思う理性に反して、口からはNOと出てこない。
「ふふっ♪」
さらに目の前の夕は、
「大地、好きよ」
その熱い想いをド直球で伝えてきた。それは何度聞いても絶対慣れることなどなく、いつも
そして夕は、瞳をゆっくりと閉じながら、その
俺は今にも
ああ、ついに俺は夕と……。
そうして
ちゅっ❤
唇が夕に
【360/610(+60)】
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